- Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
- / ISBN・EAN: 9784806142393
感想・レビュー・書評
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経営に関する理論が入門書としてストーリー仕立てでまとめられている。
取り上げられている理論は要約に過ぎないがよくまとめられており、巻末には参考文献も載っている。
参考文献については概要も書かれているため、どの本を読むべきかの判断材料となる。
ただ、経営学にこの本で入門した人が、次に専門書に手を伸ばすのは早すぎる。
その間に体系的にまとめられた教科書を挟む必要がある。
本書のストーリー部分を省いて教科書的にまとめると、おそらく10~20ページくらいにしかならないと思われる。
ちなみに本書で出てきた、会計事務所による会計ソフトの導入や関与先の経営指導は、本書が発行された2011年においても多くの事務所が行っている。
以下は要約&メモ。
・ポジショニング
自社は何をやる会社なのか?
既存商品はなんのための物?
消費者は目的が達成できれば、手段(商品)にこだわらない
・マーケットインか?プロダクトアウトか?
顧客は本当に欲しいものを知らない。
要望が的外れなことも。
カスタマー・マイオピア。
本当に必要な機能、商品は何かを提案。
・市場シェアと価格競争
マーケットリーダー・コストリーダーシップを持つものが価格競争では圧倒的有利。
ISDNとADSLの事例のように、競合のいない新市場で低価格戦略を打ち出すことは可能。
・バリュープロポジション
顧客が望んでいて、競合他社は提供できない、自社が提供できる価値
・ブルーオーシャン
需要の掘り起こし、新ビジネスモデルの構築
キシリトールと予防歯科の事例
・流通チャネル
競合しないで販売する方法を探す
・価格を下げるのではなく価値を上げる
リッツカールトンのコーラの事例
・イノベーター理論とキャズム理論
各普及段階の顧客層に応じた売り方が必要
イノベーターへのセールス戦力集中
マジョリティには導入事例の紹介など詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
わかりやすくまとまっていて良かった。
●値引き
値引き販売は麻薬のようなもの。即効的に売上は伸びるが顧客は買い控えるようになり、企業の体力を徐々に奪う。 -
顧客満足は、顧客が感じた価値から事前期待値を引き算したもの。
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日本IBMのマーケター 永井孝尚 氏の著書です。
キャッチーなタイトルでベストセラーになりました。
マーケティングの入門書として評価は高い本です。
私自身も漫画版を過去に読みましたが、
内容的には本書でも漫画版でも差はありません。
内容的には、以下のような内容の概要が学べます。
・事業とは?
・顧客との関係
・ポジショニング
・チャネル戦略
・イノベーター理論
・キャズム理論
巻末に参考にした著書の一覧がありますが、
もっと深く知りたい方にには、
こちらのリストは参考になります。
専門でなくても社会人として知っておきたい内容を簡単に学べる一冊です。 -
マーケティングを、物語を通じて分かりやすく解説した本。
マーケティングなどには、全く疎いのであるが、まずは何故その事業を行うかという、見失いがちな根源的な定義から、日本人にありがちな「顧客絶対主義」への警鐘、そこからいかに顧客を満足していき、自社製品の強みなどを導き、戦略を一貫して行うということなどを順序を追って説明。
最後には本書で取り上げたマーケティング理論の良著を紹介しているので、興味を持てばそれらを参考にしてもいい。 -
大変分かりやすいマーケティングの本でした。
『顧客が言うことは何でも引き受ける』という日本人の勤勉さが生み出した高度成長と同時に生み出した『過当競争』、“高品質なのに低収益”という皮肉な現状(^^;)
本書を読んで、どう改善するか(ToT) -
中身は薄いけど読みやすい。
会計ソフトを売るために、どんな視点を持てばいいかをストーリー仕立てで教える本です。
まー、普通と言えば普通ですが、読みやすいからビジネス小説を読んだことがない人にはいいかも。
とはいえ、これを読む人はビジネスマンが多いと思うので、もう少し中身が充実してたら良かったかな。
文章の感じは悪くないと思いますので、暇つぶしにどうぞ。
定価で買うほどではないと思いますよ。
<響いたポイント>
顧客満足とは、顧客の期待値を上回る価値を提供すること(価格が高くても、期待以上に満足すれば、勿体ないとは思わない) -
「マーケティング・経営戦略基礎」クラスの受講中に読書。クラスを学んでいればなんてことはないが、
・市場の定義
・戦略のスタンス(リーダー?チャレンジャー?など)
・同じ業界すべてが敵とは限らない
・ペルソナ/DMUをありありと設定する
・PLC
キーワード:整合性をとった、マーケティング・経営戦略を立てよう -
とてもわかりやすかったです。かたい用語の意味が、より具体的にイメージできました。
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製品を開発し市場に投入するまでの流れをストーリー仕立てにすることで、分かり易くマーケティングのエッセンスが理解出来ます。
・お客様の声を聴くこととは、お客様の言いなりになるということではない。お客様の期待とイコールの価値提供は零点と考える。
・先方が気付いていないあるべき姿を描き提案する。その為には、事業の定義を製品基軸から大きく捉えなおす。顧客×自社×競合の3つの円、バリューポジションで考えると分かり易い。
・キシリトールガムは虫歯予防のガム。なのに「歯医者もお勧め!」というキャンペーンが展開出来たのはなぜ?歯医者の事業を虫歯の「治療」から「予防」に捉えなおした。虫歯は全人口の1割。予防とすれば、9割の人口が取り込める。虫歯の予防という発送を消費者に埋め込むことで、歯医者にも「予防需要」としての来院客増が見込める。一見利害が一致しないとこにこそ、宝の山は眠っている可能性大。発送転換して、WinーWinを発掘する。
・キャズム理論の理解。イノベーター~アリーアダプターの約16%と、その後に追随する人たちとでは、響く仕掛けが異なる。先行者に仕掛けて行く中で、追随者に飛び火をさせるネタを織り込んでおく。例えば、先行者には成功事例を提供してくれたら、費用を半額にするなど。