異界のミステリー (絶対名作! 十代のためのベスト・ショート・ミステリー)

制作 : 千街晶之 
  • 汐文社
3.36
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本棚登録 : 82
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (182ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784811329123

作品紹介・あらすじ

日常の世界にひっそりと寄り添う「異界」。その存在に気づいたとき、あなたの現実が揺らぎ出す――。
大人気作家の作品から、ミステリー小説のエッセンスを楽しめるショートストーリーを厳選しました。


【収録作品】
山白朝子「世界で一番、みじかい小説」
近藤史恵「水に集う」
皆川博子「化鳥」
竹本健治「実験」

感想・レビュー・書評

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  • 中3の娘にと借りたけど、私が面白かった。
    編者解説の「特殊設定ミステリー」というサブジャンルについての簡単な説明がありがたかった。
    本書はさらに、怪談寄りであったり、幻想小説であったり、だそうだ。
    乙一さんを読むようになってから、あの不思議な世界観がとても気になっていて、他の著者の作品も読んでみたかったのでちょうど良い本だった。
    おすすめの作品の紹介もあり、是非参考にしたい。

     収録作品
    山白朝子「世界で一番、みじかい小説」
    近藤史恵「水に集う」
    皆川博子「化鳥」  
    竹本健治「実験」
    千街晶之 編者解説

    山白朝子さんの「世界で一番、みじかい小説」
    マンションで二人暮らしの夫婦が、見知らぬ男の幽霊を目撃するようになる。
    夫は怯えるだけだが、理系の思考に徹している妻は『見えてしまったものを否定はできないから』という理由で、幽霊の存在を前提とした上でその正体を突き止めようとする。
    幽霊の出現日時をパソコンの表計算ソフトでリスト化し、幽霊が身に付けいている腕時計を特定するなど、小まめな観察の蓄積により真実を突き止める。
    完全理系思考の妻は、幽霊というこの世の法則に従わない存在に、あくまで理系の思考で立ち向かう。そして、全ての“なぜ?”を解明したい。
    もう設定から面白い∩(´∀`∩)

    他の作品も良かった。
    現実と幻想、此岸と彼岸の境界線がいつの間にか曖昧になっていく不思議な感覚…
    著者の他の作品も読みたい、読みたい本は増えるばかり。

    最後の著者プロフィールに代表作など。
    山白朝子 趣味は焚き火 ……そうなの?
    焚き火は、いいですよね。
    炎を見ているだけで無心になれる、あのパチパチという弾ける音、人間の非力、無力さを何故か感じてしまう。
    でも炎が消える時、消す時、凄く現実に戻る。
    急に暖かさが無くなり、火は危ないから片付けは絶対に手を抜けないし、その後の寝る準備の事とか考えちゃう。

    • みんみんさん
      おはようございます〜♪
      世界で…は山白さんの短編集の他作品にもあって読みましたよ〜\(//∇//)
      妻はわたしの中でおびのり女史です笑
      おはようございます〜♪
      世界で…は山白さんの短編集の他作品にもあって読みましたよ〜\(//∇//)
      妻はわたしの中でおびのり女史です笑
      2023/04/07
    • あゆみりんさん
      みんみんさん、おはようございます♪
      この完全理系思考の奥さん、頭良くてかっこいいですよね。
      確かにおびのりさんですね、ピシッ!!としてる。
      ...
      みんみんさん、おはようございます♪
      この完全理系思考の奥さん、頭良くてかっこいいですよね。
      確かにおびのりさんですね、ピシッ!!としてる。
      そして旦那さんは田中圭っぽいです。
      2023/04/07
    • みんみんさん
      ダイワハウスの中村倫也…
      女史の好みで決めてもらいましょうd(^_^o)
      ダイワハウスの中村倫也…
      女史の好みで決めてもらいましょうd(^_^o)
      2023/04/07
  • もったいない一冊。

    千街晶之さんチョイスの異界ミステリー四編は、ティーンというくくりではもったいないほど。つまり大人も充分楽しめる世界。 

    山白朝子さんからぐいぐいくる。

    夫婦のもとに現れた幽霊。夫婦二人のこの幽霊の捉え方の違いはもちろん、解明法、真実までがまさに理系の世界で面白い。
    そして何より考えつかない驚きと寒気が面白かった。

    近藤史恵さんは思春期の少女の心情と怪異の絡みが奥深く読ませる。

    皆川博子さん、竹本健治さんが異界と現実の狭間を一番感じられた。  

    千街さんの解説はやっぱり次なる一冊への誘い方が素晴らしい。

  • 世界で一番(山白):幽霊の正体
    水に集う(近藤):学園ミステリー
    化鳥(皆川):芸能界復帰舞台と怪老人
    実験(竹本):人を発狂させる研究,立場逆転

  • 一番怖いのは、人間です。

    「世界で一番、みじかい小説」山白朝子
    食べさせられたかと思い、ウゲャ!と思いました。
    「水に集う」近藤史恵
    東京では3月10日、10万人。
    「化鳥」皆川博子
    人の執着心。
    「実験」
    治験って。


    一番怖いのは、人間です。


  • 【収録作品】山白朝子「世界で一番、みじかい小説」/近藤史恵「水に集う」/皆川博子「化鳥」/竹本健治「実験」

    「世界で一番、みじかい小説」は、この作品のことではなくて、作品中で触れられているテーマに関係する小説のこと。真相はなかなかグロい。
    「水に集う」は、学園もの。不文律として「プールに入ってはいけない」とされている日に、水泳の補習を受けさせられて以来、不登校になった少女。プールには何がいるのか。高圧的な教師が不快。
    「化鳥」は、幻想的。だんだんおかしくなってくる。
    「実験」は狂気じみていて怖い。

  • 2話目が意味分からなかった。
    オチが理解できないというか…。
    近藤さんの話はもともとそんなに好きじゃないというのもあるかもしれないけど。
    1話目は、何でこのタイトルにしたのか、ちょっと分からなかったな。

  • 山白朝子目当てで。児童文学のくくりになるので、とにかくルビが多くそこが読みにくさを感じた。(児童文学だから仕方ないのだけれど……)小学生には早いのでは?という表現もあり。

  • 乙一さんが大好きなので、読んでみた。
    近藤史恵さんも好き。
    特殊設定ミステリー。
    ①怖い。
    でも、摩訶不思議現象を理系の奥さんは、科学的にとらえ、分析して推理した。
    怖がらずに向き合った。
    そして、誰なのかを突き止め、解決に導いた。
    理系はすごい。
    オバケが怖くないんだね。
    理系は強い。
    ②「震える教室」のやつ。
    もうプールには入れないほどの怖さ。大阪大空襲?視えてしまうのは怖い。
    ③幻想ミステリー。
    芸能関係。正体不明の老人が楽屋に!
    ラストは驚く。
    ④監視される彼女の奇妙な異変。異界に迷い込む2人。
    アンソロジー第三弾の短編集4つ。
    現実の世界に、ひっそりと存在している異世界の話、怖かった。

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著者プロフィール

怪談専門誌『幽』で鮮烈デビュー。著著に『死者のための音楽』『エムブリヲ奇譚』がある。趣味はたき火。

「2023年 『小説家と夜の境界』 で使われていた紹介文から引用しています。」

山白朝子の作品

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