僕は何度でも、きみに初めての恋をする。 (スターツ出版文庫)

著者 :
  • スターツ出版
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本棚登録 : 2430
感想 : 120
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  • Amazon.co.jp ・本 (325ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784813700432

感想・レビュー・書評

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  • ドキドキして読めた。
    ハナの雰囲気がとても好き。柔らかい雰囲気。
    セイの口調のが少し乱暴だったんだけど、自分自身もそうだから親近感を覚えた。

    カメラや写真が物語のキーとなっていた。
    私が写真を撮る理由が、ハナが写真を撮る理由と同じだったので嬉しかった。重みは違うのかもしれないけど。写真に残す良さを改めて気付かされ、物語を読み始めてからカメラを持つ機会が増えた。

    ただ、心の中で多かった相手を呼ぶ際に使われていた「きみ」という代名詞は最後まで引っかかった。タイトルにもきみとあるし、この小説の特色だとは思うんだけど。
    あとこれはネタバレだけど、最後のお兄さんの行動はちょっと…。走り回って探さないの?って思ってしまった。

    色んな曲を思い出した。

    あとがきが丁寧で作者さんに好感が持てた。

  • 両親の不仲で身の拠り所がみつからない高校1年のセイ。ふらりと立ち寄った公園でセイは写真を撮られた、ハナと名乗る少年は「綺麗だったから」と告げる。
    ハナがカメラを構え、撮りだめられていく写真の意味の深さを知り、セイは戸惑う。

    「じゃあまた明日会おうね」
    あまりにも日常的なことば。けれどふたりには毎日が永遠の別れと隣り合わせで。
    色々考えてしまったなあ。

  • 両親の不仲に悩む高1女子のセイは、ある日、カメラを構えた少年ハナに写真を撮られる。優しく不思議な雰囲気のハナに惹かれ、以来セイは毎日のように会いに行くが、実は彼の記憶が1日しかもたないことを知る―。それぞれが抱える痛みや苦しみを分かち合っていくふたり。しかし、逃れられない過酷な現実が待ち受けていて…。優しさに満ち溢れたストーリーに涙が止まらない!

  • 青春恋愛物のラノベ。タイトルと表紙から想定できる範囲の話だった。ターゲット読者は中高生であろう。
    それでも50過ぎのおじさんが読んでおもしろかった。最後はもう少し悲しい結末かと思ったがそれほどでもなく、号泣せずに爽やかに読み終えられた。

  • さくっと読めるのはいいが、出会い方などに突っ込みどころがありすぎる。10代にはウケがいいかもしれないが、もっと描写が味わい深い読み物を読んで欲しいと思ってしまう。

  • ブクログから献本企画でいただいた本。やっとレビューが書けた。。。

    うーん、この本はホンマに合う合わないが出る気がする。好き嫌いじゃなくてね。説明しにくいのだけど、好き嫌いじゃなくて、合うか合わないか、なんじゃないかと感じた。

    読み終わって、と言うか、最後の方を読んでる時に感じたのは「スキマスイッチの『奏』か?」ということ。『奏』の『君が僕の前に現れた日から 何もかもが違く見えたんだ』という歌詞を彷彿とさせた。お互いがお互いに特別を感じ、深い闇から引っ張り出してくれた、世界に色を付けてくれた、というね。

    そこが最も大きなポイントであり、評価されるポイントだと思うのだが、僕はそこがあかんかったなー。

    記憶が1日しか持たないのに、何で「この世界で、きみ以上に大切なものを見つけられない」なんて言えるのだろう?と思うのだ。そのことすら忘れるんじゃないだろうか?

    本作は、セイとハナが成長するジュヴェナイルでもあるのだと思うのだけど、なんかねぇ、登場人物全員の甘ったれ感がその辺をかき消している気もするし、成長の方向性も「それでいいの?」と思ったりもする。

    もちろん、その辺は本書のメインテーマとは違っていて、お互いがお互いを何も見えない暗闇から引っ張り上げる、自分だけが相手を助けられる、相手だけが自分を助けてくれた、というところがメインテーマではあるので、気にならない人にとっては瑣末な話なんだけど。僕はやっぱりそういう点が気に入らんかったなぁ。

    そうそう、もう1つ思い出したのが、佐藤隆太主演の『ガチ☆ボーイ』これは主人公の設定が全く同じで、眠ると記憶を忘れちゃう、という設定。詳しくはTSUTAYAやGEOでレンタルでもしてもらいたいのだが、こっちに比べると、ハナの必死さがイマイチ伝わってこないんだよな。何でだろうか。映像と文章の違い、というわけでもなさそう。

    そうだ、本書に流れる雰囲気に対する違和感は、必死さが伝わってこない点だ。すごく失礼な表現だが、全体に何となく流れる『おままごと感』だ。誰も彼もが「演じている」ように見えるのだ。過剰でもあり、過少でもある表現なんだろうなぁ、と思う。

    そういう点が気にならない、世界に没入できる人にとってはオモシロイ作品だと思うし、僕のように変なところで引っかかる人にとってはイマイチな作品になるんじゃないだろうか。

    これは、好き嫌いとか作品の質がどうこう、という話ではないと思っている。繰り返しになるが、「合うか合わないか」の問題じゃないかと。

    そして、残念ながら僕には合わなかった。それだけの話である。

  • 落ち込んでる時に本屋で見つけた。カメラ大好きな私がカメラを盗まれて落ち込んでいる時、ふと目に入った「カメラ」の文字。

    立ち止まって、歩いて立ち止まった。
    ーーーこれは買うしかない。
    本能で買え!と言われたので久しぶりにすぐ手に取ってレジへ直行。


    良くも悪くもなくいい本だった。当たりだった。またいつか読み返す日が来るはず。
    そんな一冊。

  • 泣いた。
    読み切った感が半端じゃ無くあって。

    ハナとセイの言葉一つ一つがすごく沁みてきて。

    もう一度読みたいけど
    この初めて読み切った気持ちを大切にしたいから
    何も考えずにぼーっとしていたい。

    私にとってとても大切な一冊になりました。
    出逢えてよかった。

  • 世界は淀んでいる
    消えたいと思う私と

    世界は美しい
    記憶していたい君の

    ピュアで儚いラブストーリー。

    自分の心のシャッターを押す代わりに
    カメラのシャッターを押し
    心の引き出しにしまう代わりに
    アルバムに写真たちをしまう
    そんな君に救われた

  • ネタバレあり

    1日しか記憶が持たない少年ハナと出会った主人公のセイ。
    とてもピュアな2人の話。
    中高生が好みそうな話です。

    いろんなことを忘れても、セイの存在はわ覚えていて、都合のいいところだけ記憶があるんじゃないかと思ったり。
    しかし今は1日ある記憶も、だんだんと症状が進行して、記憶できる時間が短くなってしまい、ついにはセイのことも分からなくなってしまう。
    でもセイはハナの元に通い、「はじめまして」を繰り返す。
    「きみが忘れてしまっても、わたしがきみのことを憶えてる」
    話の冒頭は投げやりだったセイが、報われないけど前向きに立てるようになったの、すごいね。

    本当にピュアな話。

    表紙イラストはカスヤナガトさん。
    この方のイラストはいつも素敵です。作中に出て来るシーンが織り込まれていて、読後に必ず見返したくなります。

    しかしながら、オトナになってしまうと、どうしても矛盾点が目についてしまう。
    記憶が1日しか持たないのに、どうして地元で有名な、お金持ちと優等生だけが通える私立高校に入れたんだ?
    日々成長していく兄や、老いていく両親に違和感は持たなかったのか?
    もっと素直に読める年頃に、この本と出会いたかったです。

  • “記憶が1日しか持たなぃ”系の他作品だと、
    「博士の愛した数式」や、変わったところでは、
    「忘却探偵・掟上今日子」が挙げられますが…、
    本作品は、それらの他作品と比べてしまぅと、
    残念ながら、格下感は否めなかったでそぅか…。

    切なぃ系のピュア・ラブストーリーなんですが、
    全編でフラットで、盛り上がるところがなぃ…。
    特異な設定下におけるふつぅ感がいぃのかも…?
    ですが…、おっさんの偏見じゃなぃけど…、
    女子中高生が好きそぅな感じの作品だな~?と。

    個人的には、エッセンスをぎゅっと凝縮した、
    短編ぐらぃが、よかったんじゃないかな~?と。

  • 「記憶が1日しかもたない」という設定とタイトルを見て購入。

    両親の不仲から自分の居場所を見失っていたセイと交通事故により記憶が1日しかもたないハナ。

    お互いを想う気持ちが純粋でまっすぐで爽やかな読後感に浸れたが、突っ込みどころが満載で泣けはしなかった。
    ハナが「それって約束?」と聞く度に「違う。わたしの願望」などと決して約束と言わないセイ。
    約束としないセイにハナを想う優しさを感じた。

  • レビューが難しい。。。
    記憶が保たない系は、『博士の愛した数式』とか『私の頭の中の消しゴム』とか、色々ある。
    そうして、偶然の出会いと、不幸に耐える二人を軸にして、世界は会話だけで回っている。

    って表すと、すごく辛口ですね。
    仕方ない。

    けれど、想いは詰め込まれています。
    人が人を好きになる気持ちとか、イザコザをなんとかしたい気持ちとか、そういう普遍的なあたたかさが詰め込まれていて、読んで嫌な気持ちにはならない作品でした。

  • 私は よく消えたくなる。
    でも、現実には 消えれないから 
    ネット上の自分を消してみたりする。
    ばかみたいなのは 自分でもよくわかってるが
    何度も してしまう。

    本当は 大切にしたいもの 捨てたくないものが 
    たくさんあって、
    その大切なときのまま ずっと大切にしていたい。

    ここには 答えは書いてなかった。

    気持ちを伝えて 形が変わっても
    大切なものには 変わりないから
    大切にしていく...
    ってこと なのかな?

    いうのはカンタン 

    大好きな人に紹介してもらった本
    ハナは 大好きな人に 似ていた
    ふわりと 笑う
    きっと 悲しいこと たくさん抱えてるのに
    ふわりと...
    そこにいるのに いつも手が届かない
    伝えることも できない

    へんなレビューだな...ま いっか

  •  帯に釣られました。最近、この商法が多いです。
     若いっていい。こんなにも純粋に人を想い想われ。まだ純粋で無知だった頃の自分に戻って、ピュアなお話に浸りました。
     でも、泣けません。現実的に突っ込みどころ満載。
     しかし、そんな下衆な事を考えてしまう自分が恥ずかしくなる程にピュアです。

  • 帯の、「ああ、泣いた」というのに惹かれて購入しましたが、それほど泣けるってことはなかった・・・ただ、文章がすごくふんわりとしていて、なかなか掴みどころのない表現が多かったのがちょっと気になった。構成としては一日で記憶が無くなるという設定だけど、いざ自分がそういうことになったとしたら・・・・どうだろうと考えるとなんだか空恐ろしくなる。人間は辛いことも楽しいことも覚えているから生きていけると思ってるので・・・。

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著者プロフィール

愛知県安城市出身。2012年『一瞬の永遠をキミと』でデビュー。2015年末に刊行した『僕は何度でも、きみに初めての恋をする。』は累計25万部を突破しコミカライズされた。2018年には、『千年桜の奇跡を、きみに~神様の棲む咲久良町~』(原題『咲久良町シンフォニー』)がポプラ社ピュアフル小説大賞で金賞受賞。その他著書に、『喫茶とまり木で待ち合わせ』『雲雀坂の魔法使い』『神様の願いごと』『10年後、きみに今日の話をしよう。』『猫に嫁入り』シリーズなど、ヒット作多数。

「2023年 『怪異相談処 がらくた堂奇譚』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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