- Amazon.co.jp ・本 (20ページ)
- / ISBN・EAN: 9784834007145
感想・レビュー・書評
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優しいライオンの話。
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ジオジオというライオンの王様がいた。
ジオジオはみんなから恐れられる百獣の王だった。
年を取り目も余り見えなくなってきて、寂しくなり誰かと話して離してみたくなったが、遠くからでも金色に輝く冠が見えたのでみんな怖がって誰も近づかなかった。
あるとき、ジオジオの近くで灰色の小鳥が泣いていた。
訳を聞くとせっかく生んだ卵がヘビや鷹に食べられてしまったのだとか。
そこでジオジオは冠を卵の産み場所に提供してやる。
卵を割らないようにゆっくりと歩き、その間は小鳥と話をする。
雨が降ると木の下で雨宿り。
ジオジオ寝ている間も怖くてヘビや鷹は卵を狙うことは出来ず、ついに雛が孵る。
ジオジオの目はもうよく見えないが、7羽の小鳥たちのきれいな歌声に耳を傾けて静かに過ごすのだった。
いい王さま。
こんな優しい王さまのいるジャングルなら安泰だ。
昔からの童話のようで素敵。
ライオンからしたらたかが小鳥のために王冠を提供してやり一緒に過ごすのは、優しい気持ちになれる。
けれど、最初は目を開けていたのに、最後のページでは目をつぶっているのが、本当にもうよく見えないのだ、ということが伝わってきて哀しい。
優しいけれど哀しい。
優しい王さまのことを知っているのは小鳥たちだけ。 -
年老いたライオンの心温まるお話。
ラスト思わず泣きそうになりました。 -
2歳の娘はあまりお気にめさないようだけれど、ひとりで読んで涙ぐんでしまった。
百獣の王者ライオン、ジオジオ。彼は向かうところ敵なしなしだけれど、それが退屈で仕方ない。それで思いついたアイデアがすばらしすぎる。なんと、冠を鳥の巣がわりにしてしまう。
「適材適所」という言葉があるが、これは絶対権力を握る王様にも使える言葉なんだ! そこでまず、がしっと心を掴まれた。
ジオジオは老いて目が見えなくなりはじめている。けれども、冠の中で生まれたヒナたちがさえずる声を聞き、結果、心慰められることになる。
この、いわばささやかな「調和の奇跡」に、完璧な、けれども短い音楽を聴き終わったときのような、一瞬、信じがたいような感慨を味わった。
岸田衿子、天才じゃなかろうか。
・・・と書いて、やっぱり中谷美代子の絵がなければ「かばくん」同様この絵本は成り立たないと気づいた。作家ひとりが奇跡を起こすことはまれなこと。本作はやはり、2人で起こした奇跡。「歴史」にはならない程度に・・・。 -
岸田衿子と中谷千代子コンビの絵本。
初版は1960年のロングセラー。
年老いたライオンの話。
ライオンの切なさや
喜びが
心にスーッと染み入ってくる。
文章、イラストともに
素晴らしい絵本。
子どもはこういう絵本をどのように読むのだろう。 -
長女:4歳2ヶ月。
長女 ★★☆☆☆
ママ ★★★☆☆
長女はいまいちだったみたい。 -
ボサボサの頭をしていると鳥の巣のようだなんていうよね。年老いたライオンの王様ジオジオはさらに冠もあって、そこは安全であたたかい巣になることでしょう。頭の上で小鳥が鳴いていたら気持ち良さそう。
老いてこそ誰かのためになりたいと願う気持ち。あるある。落ち着いて交流したいと思う気持ちもまた。
わかるようになっている自分も老いてきているんだろうなぁ。 -
年取った心優しきライオンのお話。
温かい気持ちになります。
中谷千代子さんの絵もお話に合っていてとてもステキ。最後のページの色合いとライオンのお顔が特に好き。 -
1960.07.01
1977.11.01 普及版第3刷