猫を拾いに

著者 :
  • マガジンハウス
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本棚登録 : 716
感想 : 90
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784838726196

感想・レビュー・書評

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  • やっぱり、川上弘美は良いな。おお、そう来たか。変!面白いな、好きだな。
    …と思いながら読むのだけど、読んだ後は余韻だけ残してスーっと消えてなくなってしまうような短編集。上等の和菓子かな。

  • 異次元に心を持ってかれるような不思議さと淡々とした日常が共存している空気感のストーリーが多かった。
    意外と自分の生活の中にも非日常なものが潜んでるのかな、と思わされるような、至極平凡な私もゆったり受け入れてくれるような懐の深い非日常なワールドだった。

  • 川上弘美さんはとても好きでちょくちょく読むけれど、いまだに謎に満ちた人だな、と思う。
    シンプルにストーリーを追うだけで面白いAタイプと、何回読んでもよく分からないBタイプがあるように思っていて、この本はAタイプなのだけど、短めの短篇集だから様々な種類のお話が収録されていて、どれも温度低めなところが川上さんだなぁと思いながら読んだ。
    読み終えたあともどれが印象的だったかと問われても分からない。どれも濃くはなくて、でも「面白かったな」と思いながら本を閉じた。
    やはり、謎に満ちている。

    せっかくなので表題作をもう一度読んでみたけれど、一度読んだはずなのに、これが「猫を拾いに」というタイトルなの?と驚いた。
    どういう日々を送っていたらこういう発想が生まれるのだろう。この人の頭の中覗いてみたいなぁ、と思う人はたまにいるけれど、作家の中なら川上さんが私はぱっと浮かぶ。

    この表紙の絵も何かな…猫…なのか…?
    やはり、謎に満ちている。

  • どこか悲しくて、平熱
    そんな感じだったな…
    川上弘美らしい熱が低い

  • 贈り物って悩ましい。相手が何を欲しているのか、わかるわけないし。そうなると、自分がもらって嬉しい、美味しいものにしちゃうなぁ。
    その贈り物を猫にしようと拾いに行く。猫好きならいいのかもね〜。

  • 短編集だったので、「猫」に関する話はほとんどありませんでした。それが少しさみしい感じです。

  • さらりとした色調に、摩訶不思議だったり、切なさや淋しさ、可笑しさ、温かみ、そんな差し色が彩りを加える作品集。
    「ぞうげ色で、つめたくて」の、今はホームと去り行く車内とに別れつつも、「急ぐのは、わたしたちのやりかたじゃない」という未来を感じさせる終わり方が良かった。
    「誕生日の夜」は愉しい雰囲気の中、「は?」ってなる川上ぶり。
    「九月の精霊」は穏やかで情緒のある作品。
    「トンボ玉」「真面目な二人」「猫を拾いに」「ピーカン」「ラッキーカラーは黄」「ホットココアにチョコレート」も好きだな。

  • 短編集21編
    少し変わった人物を主人公にして,短編ながらギュッと凝縮された人生の一コマを描いて茫洋たる人生を表しているかの様な,1編1編がちょっとした驚きの楽しさである.

  • いわゆる「あわあわと」日常を切り取った、と言われるものって、だからなに、と思ってしまうものが多い中で、この作品は、なんだろう、なんだか一旦辛酸を舐めたうえでこういうものを書いていると言うか、すさまじい悲しみを抱えながら微笑んでいる感じがして、胸が痛くなった。
    というか、私が年をとって、そういうことが読み取れるようになっただけで、昔「だからなに」と切り捨てていた本の中にも、今読んだら結構そういうものがあるのかもしれない。

  • ゆるやかに繋がっていたり繋がっていなかったりする短編集。ときどき地球外の存在が出てきたりするのにる全然SFっぽくなくて面白かったです。

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著者プロフィール

作家。
1958年東京生まれ。1994年「神様」で第1回パスカル短編文学新人賞を受賞しデビュー。この文学賞に応募したパソコン通信仲間に誘われ俳句をつくり始める。句集に『機嫌のいい犬』。小説「蛇を踏む」(芥川賞)『神様』(紫式部文学賞、Bunkamuraドゥマゴ文学賞)『溺レる』(伊藤整文学賞、女流文学賞)『センセイの鞄』(谷崎潤一郎賞)『真鶴』(芸術選奨文部科学大臣賞)『水声』(読売文学賞)『大きな鳥にさらわれないよう』(泉鏡花賞)などのほか著書多数。2019年紫綬褒章を受章。

「2020年 『わたしの好きな季語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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