猫を拾いに

著者 :
  • マガジンハウス
3.68
  • (41)
  • (90)
  • (81)
  • (14)
  • (2)
本棚登録 : 716
感想 : 90
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784838726196

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 久しぶりに川上弘美さんワールド。
    最初の方の短編を、てなんとなくほわっといい話だなぁと思って読んでいたら、途中で突然宇宙人(?)が出てきたり、小さい人が出てきたり、あ、川上ワールドは油断していてはいけなかった!という、うっかり笑みを漏らしてしまうような感覚になる。
    突拍子もないお話だったりするのだけれど、本筋に関係ないような小さなエピソードが丁寧で好き。寝る前に1話ずつ読みたい本。とはいえついつい読んでしまうのだけれど。

  • タイトルに惹かれて借りたのに
    猫は1ページ・・・
    その後の9月の・・・の方がよかった

  • 川上弘美ほど天性の作家を感じさせる人はいない。この感覚はもう理屈ではない。どれを読んでも頭で考えた小説という気がしない。普通の人では越えられない家の垣根をひらりと飛び越え、川上さんはその家の庭へと降り立つ。僕らが思いつきもしないその庭の風景を、実に見事に描き出す。
    実に21編の短編が収められているが、なんていうかとても良い。その中では比較的オーソドックスなほうだが、「ぞうげ色で、つめたくて」にやられた。

  • 本作に収められた物語の主人公たちは、カラッと乾いた女性達です。
    男を愛し愛される女は、涙の予感を帯びたウェットな描写をされる印象があるんですが、本作の女性達は基本的に乾いています。
    情が薄い、というわけではないんですが、女を女たらしめている独特の湿り気がないように感じたんですよね〜。

    でも、彼女達はめちゃくちゃに女してる(動詞)んですよ。

    恋をして、
    仕事をして、
    友達に嫉妬して、
    子供が欲しいと願って、
    悩みに心を惑わせる。

    そんな誰より女らしい女達を描いた作品です。

  • 図書館で借りて、家で半分、図書館で半分読みました。
    どの短編もさらっと読めて楽しめました。

  • 水をごくごくと飲んでいるかのような文章、というような表現を聞いたことがありますが、この本は読みながらそんな感覚を覚えました。 この水は、透明で人肌の温度だと思う。

    気になる一文があったので、ちょっとメモ。
    「いい気持ちがほんとうはいやな気持ちだったり、反対に、いやな気持ちが、後で考えると、楽しい気持ちとつながっていたりする」

  • 好きなタイプの川上弘美。いくら読んでもしあわせな気分にはならない。

  • クリスマス・コンサートとピーカンがよかった。どれもよかったんだけど。
    新年のお客、も。
    ぞうげ色で、冷たくて。
    うみのしーる。
    とにかく
    こんなにいろんな話が作れることに感動✨
    ちょこちょこ読みたいのに、つい次も読んでしまう。

  • 久しぶりに誰かに本をおすすめしたくなりました。
    個人的に「真面目な二人」が好き。

  • 旅行の合間とかに、さらっと読みたい。好きな本。

全90件中 31 - 40件を表示

著者プロフィール

作家。
1958年東京生まれ。1994年「神様」で第1回パスカル短編文学新人賞を受賞しデビュー。この文学賞に応募したパソコン通信仲間に誘われ俳句をつくり始める。句集に『機嫌のいい犬』。小説「蛇を踏む」(芥川賞)『神様』(紫式部文学賞、Bunkamuraドゥマゴ文学賞)『溺レる』(伊藤整文学賞、女流文学賞)『センセイの鞄』(谷崎潤一郎賞)『真鶴』(芸術選奨文部科学大臣賞)『水声』(読売文学賞)『大きな鳥にさらわれないよう』(泉鏡花賞)などのほか著書多数。2019年紫綬褒章を受章。

「2020年 『わたしの好きな季語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

川上弘美の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×