トルストイの言葉 新装版 (人生の知恵 9)

  • 彌生書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784841507362

感想・レビュー・書評

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  • トルストイ(1828~1910年)は、ロシヤ19世紀文学の巨峰のひとり。

    43頁。
    この人生における疑う余地のないただひとつの幸福は、他人のために生きることである。(家庭の幸福)

    日野原重明さんが、似たようなことを言われていたように記憶する。

    63頁。
    誠実な結婚生活をいとなむことは、まことによいことである。しかし、さらによいのは、まったく結婚しないことである。これができる人間は、めったにいるものではない。だが、これができる人間は幸福である。(人生の道)

    トルストイの妻は悪妻と言われており、この辺にはトルストイ独特の考えが見える。


    2020年11月3日、追記。

    トルストイの亡くなり方が興味深い。
    82歳にして、家を出て亡くなったのだが、それが、死出の旅だったのではないかと思われるので。
    日本でも、例えば、芭蕉も旅の途中で亡くなっている。
    この辺の、亡くなり方を、肯定的にとらえる方も、世の中にはいらっしゃるようで、なかなか興味深い。

  • 肉体の死は、空間的肉体と時間的意識とをほろぼすが、生命の根底をなすもの――世界に対するおのおのの存在の特殊な関係を絶滅させることはできない。(人生論・トルストイ)

    p95まで読んだ。

  • 久しぶりに読んだトルストイ。
    今読むと結構押し付けがましい。例外排除的な古臭いキリスト教だこれは。より繊細なフェーズにうつったのだろう。でも時々はいいのがある。

    科学および芸術が人類に寄与したのは、その教師たちが、それによって自分の労力をはぶいたからではなくて、彼らのうちの天才と呼ばれる人間が発明の権利を利用しないで、人類の進歩を助けたからである。

    人々はとかく博識であればあるほどよいと考えがち。しかしこれは間違っている。重要なのは多くを知ることではない。知ることのできるあらゆることのうち、最も必要なことを知ること。くだらないことばかり頭に詰め込めば、かえって本当に必要なことを知る大きな妨げになる。

    知恵の世界で空腹を感じたとき、つまりどうしても知らなければならないと感じたときだけ(その知識が魂にとって必要なときだけ)これを摂取しなければならない。

    学問を王冠のように誇示したり、生計の糧としてはならない。

    真の学問には明白な二つの特徴
    ー内的なもの:学者は自分の利得のことは念頭に置かず自分を犠牲にしてその使命を遂行すること
    ー外的:学者の書いたものが全ての人々に理解できる


    学者とはありとあらゆる書物から非常に多くの知識を吸収したもののことである。文化人とは現在世間の人々の間で流行していることを全て知っている人。教養人とは自分は何のために生きているか、自分は何をしなければならないかを心得ているもののことである。教養人になるべき。

    本に書いてあることをそのまま信じるならば人は馬鹿になるhpかないので読まなくていい。




    m

  • 信心深く、シンプルな生き方の彼の思想は私にはフィットしなかった。

    良く死ぬために良く生きること、まだ存在しない未来や変わらない過去を思い悩むより、今しかない"今”を真っ当に生きること、など考えさせられるところはいっぱいあった。

    神と信仰の章や学問の章は、多神教で科学大国な日本とは相容れない気がする。
    恋愛の章は、日本の(悪く言えば)古くて固い男性の考えに近いのかも。

  • トルストイの言葉は一つ一つ人生の教訓となっている。
    噛み砕きながら、ゆっくりと読みたい一冊である。

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著者プロフィール

一八二八年生まれ。一九一〇年没。一九世紀ロシア文学を代表する作家。「戦争と平和」「アンナ=カレーニナ」等の長編小説を発表。道徳的人道主義を説き、日本文学にも武者小路実らを通して多大な影響を与える。

「2004年 『新版 人生論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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