死の舞踏 (論創海外ミステリ 51)

  • 論創社
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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (321ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784846006662

感想・レビュー・書評

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  • ネットで見かけて。

    以前アニメの映画を見て、
    強烈に懐かしさを感じたことがあった。
    だがそのノスタルジアは本物ではない。
    その映画は自分が生まれる前の物語だったので。

    誰かに聞いた話という訳ではなく、
    具体的な物や風景というではなく、
    空気感とか時代の雰囲気というような何か。
    既視感というよりも心揺さぶられような懐かしさ。

    このミステリーにも何か同じ様なものを感じた。
    「アメリカが参戦する前」というのは第一次世界大戦のことを
    差しているようなので、
    もちろん自分の実体験の懐かしさではない。

    ミステリーとしてのクラシックさなのか、
    フロイトや精神科医といった言葉の放つその分野の古めかしさなのか、
    作品の時代設定全体なのか。

    雪の中で発見された、「熱い」若い女性の死体。
    社交界へのデビューパーティを開いたばかりの女性なのか、
    それとも彼女によく似た従兄弟なのか。

    謎解きを楽しむというよりは、
    物語を読み進めるような楽しさだった。

    ロシアにも三々九度に似た結婚の儀式があるらしい。

  • 犯人は誰かなと思いながら読んでいと消去法で犯人が分かってしまう。まあそれは最後の最後まで分からないから良しとしよう。本格ミステリとしては面白く、他の作品も読んでみたいと思う。元々、「あなたは誰?」を読むために本書を読んだ。これで心置きなく「あなたは誰それに」を読むことができると思う。謎解きを純粋に楽しみたい人にはもってこいの作品だと思う。

  • ニューヨークの路上で見つかった女性の死体。

    主人公が女性の身元を探るうちに一人の女性が現れる。
    死体の正体はデビュー仕立ての女優であったが、現れた女性はその女優の一日だけの替え玉だったはずが本物扱いされてしまい、自分の存在を無くしてしまったのだ。

    ここらへんが実に怖い。自分が自分であることを証明できない恐怖が描かれている。

    後は人間劇を楽しんで欲しい。

  • ベイジル・ウィリング・シリーズ

    雪の中から発見された女性の遺体。雪の中に埋まっていたはずなのに暖かい遺体。身元不明の女性。新聞の社交蘭から被害者はキティ・ジョセリンと判明。社交界へのデビューの日にマラリアを発症し代わりとなった従兄弟のアン・クラウド。ジョセリン家の経済状況。キティが広告していたダイエット薬品の毒性。マラリアを発症しながらアンのふりをして外出したキティの秘密。

     2011年9月23日読了

  • (2010/05/15購入)(2010/05/22読了)

    マクロイのデビュー作にして、精神科医ベイジル・ウィリング初登場作品

    精神分析がややこじつけのように感じられたが、全体的にはおもしろかった。状況設定や犯人の意外性、どれも一級品。

    ━━ 残忍性というのは生物の最も古い特性なんです。わたしたちには、人を残忍にすることなどできません――そのように生まれ付いてくるのです。そして子ども時代に何年もかかって、人間らしさを養う訓練を積んでいくんです。(270頁)

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著者プロフィール

Helen McCloy

「2006年 『死の舞踏』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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