- Amazon.co.jp ・本 (321ページ)
- / ISBN・EAN: 9784846006662
感想・レビュー・書評
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ネットで見かけて。
以前アニメの映画を見て、
強烈に懐かしさを感じたことがあった。
だがそのノスタルジアは本物ではない。
その映画は自分が生まれる前の物語だったので。
誰かに聞いた話という訳ではなく、
具体的な物や風景というではなく、
空気感とか時代の雰囲気というような何か。
既視感というよりも心揺さぶられような懐かしさ。
このミステリーにも何か同じ様なものを感じた。
「アメリカが参戦する前」というのは第一次世界大戦のことを
差しているようなので、
もちろん自分の実体験の懐かしさではない。
ミステリーとしてのクラシックさなのか、
フロイトや精神科医といった言葉の放つその分野の古めかしさなのか、
作品の時代設定全体なのか。
雪の中で発見された、「熱い」若い女性の死体。
社交界へのデビューパーティを開いたばかりの女性なのか、
それとも彼女によく似た従兄弟なのか。
謎解きを楽しむというよりは、
物語を読み進めるような楽しさだった。
ロシアにも三々九度に似た結婚の儀式があるらしい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
犯人は誰かなと思いながら読んでいと消去法で犯人が分かってしまう。まあそれは最後の最後まで分からないから良しとしよう。本格ミステリとしては面白く、他の作品も読んでみたいと思う。元々、「あなたは誰?」を読むために本書を読んだ。これで心置きなく「あなたは誰それに」を読むことができると思う。謎解きを純粋に楽しみたい人にはもってこいの作品だと思う。
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(2010/05/15購入)(2010/05/22読了)
マクロイのデビュー作にして、精神科医ベイジル・ウィリング初登場作品
精神分析がややこじつけのように感じられたが、全体的にはおもしろかった。状況設定や犯人の意外性、どれも一級品。
━━ 残忍性というのは生物の最も古い特性なんです。わたしたちには、人を残忍にすることなどできません――そのように生まれ付いてくるのです。そして子ども時代に何年もかかって、人間らしさを養う訓練を積んでいくんです。(270頁)