食べるーー食と心の健康 (サンガジャパン Vol.35(2020spring))
- サンガ (2020年4月26日発売)
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感想 : 2件
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- Amazon.co.jp ・本 (341ページ)
- / ISBN・EAN: 9784865641714
感想・レビュー・書評
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まず、表紙の写真に驚きます。
テーブルいっぱいに並べられた料理の前に座る僧侶。
節制粗食を常とする僧侶のイメージとはかけ離れたものです。
こんなにたくさんのものを食べているなんて贅沢な、と思いますが、そうではないことが、本編で解説されています。
テーラワーダ仏教の僧侶は、托鉢でいただいた食べ物は、どんなものでも食べなければいけないのだそう。
托鉢の食べ物を僧侶が食べることで、故人のもとにその食べ物が届くと信じられているため、信者はさまざまな故人の好物を作ってきます。
故人の供養のために、ずらりと並べられたその食べ物を、自分の好みは関係なく、僧侶はまんべんなく口にする必要があるのです。
今回の特集は「食べる」こと。おりしも全国自粛期間中の今、楽しみや気晴らしは限られ、もっぱら食べることに集中しがち。
むやみやらたらに食に走る前に、きちんと心の栄養としての職について考えるきっかけとなる内容です。
スマナサーラ長老の「心の栄養」
仏教からみた「食」は、あくまで生命の維持のための行為。
「肉体はいずれ壊れて必ず死ぬので、罪を犯してまで食べない、食べ過ぎない」という達観した言葉が響きます。
カルピス社の創業者は13歳で得度した僧侶出身の実業家で、カルピスは「カラダにピース」ではなく、仏教用語からの造語だと知りました。
仏教から見る食という行為の奥深さ。日々の生活に即した身近な食がテーマながら、仏教を通してみると、未知未聞のことが多々あることに気づかされる内容です。
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