堕落論,白痴 (まんがで読破)

著者 :
  • イースト・プレス
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本棚登録 : 256
感想 : 22
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (186ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784872578683

感想・レビュー・書評

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  • 戦後日本の堕落した部分。
    小説であれば難しく読めなかったであろうが
    このシリーズですんなりと読むことができた。
    アンゴが時代を移動することで
    このような時代があったということをわかりやすく
    紹介しており読むことができてよかった作品である。

  • 悪くないんだろうが、まんがで読破シリーズに少し飽きてきている。やはり漫画では伝わらない深さがあるということか。

  • おそらく文章だけだったら「読破」できなかったと思いますが、本当に読んで良かったです。タイトルから想像していたのと中身も違っていたので、さらに驚きました。今の時代でも読むべきものだと思いました。

  • お国の為に死ねますか、時代を生きるものたちへのメッセージ。

    その昔、政府は戦意向上を作らせるのに必死になってた、こんなクソみたいな映画なんて作りたくない伊沢だったが、生活の為に流されて行く、そんな不満な状態の中、異端な女サヨに出会い奇妙な同棲生活を送る事になる、生きるとは何か、脱落とは何かを教えてくてるヒューマニズムストーリー。

  • マンガで読破シリーズ。堕落論(前編)→白痴→堕落論(後編)という順番で書いてあります。
    堕落論は、論説文を無理矢理マンガにしたようなものなので果たしてこれが原作に忠実かといわれると少し微妙な気がするのですが、まあわかりやすくできていると思います。特攻兵の表情の、なんと自信に満ち溢れていることか。「靖国で会おう」って約束も何だか実際にしてた人がいそうですよね、これ。
    戦争という負の部分を美しかったと表現し、物欲に支配され利益を求める人間を堕落しているとするならば、現代人は全て堕落していることになります。それどころか資本主義、なんて名乗っていれば全て堕落しているといえるでしょう。しかしそれは人間らしいことであり、決して悪いことではないと、この本は語りかけます。

    白痴は、検閲が蔓延る戦争時代に芸術家であろうと試みようとする伊沢と、おそらく知的障害がある人妻サヨの人間愛に関する話なんですが、マンガにしてしまうと何だか人間的にリアルな部分の魅力が薄れてしまうなあ、と感じました。私がマンガを読みなれてるせいかもしれませんが、豚に乗るサヨの描写のところで、原作では明らかに「奇妙だ」と取れる行動も、マンガにすることで「ユニーク」「シュール」くらいに印象が和らいでしまうような気がするのです。伊沢が圧倒的な威圧感を覚え、この話の核ともなるサヨが爆撃に怯える描写も、白目になって、大きく口を開けて…などといったことを再現してみると確かにマンガのようになるとは思いますが、原作を想像しているものと大分異なるような気がします。故に「人」というより「キャラ」という印象が抜けず、イマイチ身近にリアルを感じ得ない、という。
    これが小説とマンガの創造性の違いなのか…これに関してはやはり原作を読まないことにはどうしようもないかなあ。

  • 原作から読もうと思ってちょっと読んだけど、難しかったからやっぱり漫画から。

    戦時中は、お国のためにとか、天皇のためにとか、そういったもので国が一丸となって取り組んでいるということに美学を感じていて、それが「美しい」と言っているけど、そんなのはむなしい「美しさ」であって、真実の美しさではないと。じゃあいったい人間の正しい姿って何?ってことを言っています。
    で、じゃあそれは?というと、欲しいモノを欲しいと言い、好きなモノを好きとい言い、嫌なモノを嫌いと言い、好きな人を好きと言う、という本当にしたいことをすることなんだよってことです。
    戦争だって本当はしたくないのに、天皇の命令だから、それが国のためだからって言って、さもしたいことのように言っているけど本当は違うでしょ?そんなことやめようよ!って話でした。
    それが安吾の言う「堕落」らしいです。深い。原作読んで深そうって思って漫画から読んでみたけどやっぱ深かった。耐乏の精神とか、神風とか、すべて歴史的大欺瞞だと。天皇制も歴史的カラクリでしかなく、天皇がしたから〜とか言って天皇を利用しているだけだと。
    こんな考えしたことないわ〜。

    そして最後の結論もおもしろい。この歴史的カラクリ、歴史的大欺瞞に気づいても、人間は落ちきれない存在で、結局このカラクリに頼ってしまうという。
    だから歴史は繰り返されると!

    漫画でも理解困難だったし。。。

  • 3月15日読了

  • 読みました。読めました。

    堕落論も白痴も、まぁいってみれば私たち人間への警告文です。

    戦争という時代背景なしにしても、私たちは常に悪いほうへ悪いほうへと流されている。

    むしろ自由を手に入れた今こそ、危機にさらされているのです。

  • 2008.10.15

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著者プロフィール

(さかぐち・あんご)1906~1955
新潟県生まれ。東洋大学印度倫理学科卒。1931年、同人誌「言葉」に発表した「風博士」が牧野信一に絶賛され注目を集める。太平洋戦争中は執筆量が減るが、1946年に戦後の世相をシニカルに分析した評論「堕落論」と創作「白痴」を発表、“無頼派作家”として一躍時代の寵児となる。純文学だけでなく『不連続殺人事件』や『明治開化安吾捕物帖』などのミステリーも執筆。信長を近代合理主義者とする嚆矢となった『信長』、伝奇小説としても秀逸な「桜の森の満開の下」、「夜長姫と耳男」など時代・歴史小説の名作も少なくない。

「2022年 『小説集 徳川家康』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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