- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784880654591
作品紹介・あらすじ
忍藩(現・埼玉県行田市)の下級武士・尾崎石城(おざきせきじょう)が書き残した「石城日記」。
石城と家族、親戚、友人、寺の和尚、料亭の女将ら様々な人々との交遊が描かれた絵日記は、一般に考えられていた封建的で厳格な武士社会のイメージを覆し、貧しくも心豊かな下級武士たちの日常生活がわかる貴重な記録であった。今回、新たに尾崎石城の生涯がほぼ判明したことに伴い、旧版に大幅な加筆修正と判型の大型化、図版の充実を図り、新訂版オールカラーで刊行。
*「石城日記」登場人物関係一覧、年譜を初めて掲載
感想・レビュー・書評
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幕末に忍藩の藩士であった実在の人物が記した絵日記です。ブログ感覚で楽しく見ました。
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【書評】『新訂 幕末下級武士の絵日記 その暮らしの風景を読む』 評・早坂隆(ノンフィクション作家)- 産経ニュース
https://www.sankei.com/life/news/190623/lif1906230031-n1.html
新訂 幕末下級武士の絵日記 - 水曜社:文化・まちづくり・アート
http://suiyosha.hondana.jp/book/b439610.html -
忍藩の城下町に住む下級武士、尾崎石城。
彼の書き記した絵日記「石城日記・全七冊」から、
生活や人との付き合い等を絵と共に紹介する。新訂版。
・石城と彼をとりまく主な人びと
・まえがきー新訂にさいして
第一章 江戸から帰藩後の風景
第二章 石城たちが暮らした城下町と家
第三章 自宅の風景 第四章 下級武士の友人宅の風景
第五章 中級武士の友人親戚宅の風景 第六章 寺の風景
第七章 酒店と料亭の風景 第八章 城下町郊外の風景
第九章 世相と時代 第十章 ふたたび自宅の風景
第十一章 母よりの手紙とやすらぎのひととき
・あとがきー明治維新と石城たちのその後
・石城年譜 ・石城真蹟画
忍藩の下級武士、尾崎石城の絵日記は、
33歳の文久元年から翌2年までの178日間の生活を記録しています。
以前読んだのは相模書房版。角川ソフィア文庫版もあります。
新訂版は版が大きく、絵日記の絵の掲載数が増え、
カラーで大きく、人の仕草や部屋の設えまで、
細部までわかりやすいものとなっています。
座布団が無いこと、台所での様子、素人歌舞伎や祭り等、
当時の様子がわかるのも、面白い。宴会も多いんだなぁ~。
様々な手伝いや市井の人々との付き合い、人への気遣い等、
石城自身の細やかな思いやりが窺えるのも、良かったです。 -
東2法経図・6F開架:384.2A/O69b//K
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実に面白い。
幕末近くの、忍藩下級武士の、日々の生活を綴った絵日記。
とにかく、絵が上手い。
単純な線で、見事に風俗を描き表している。
内容も、特段、肩肘張ったことはなく、誰と飲んだ、こんな失敗をした、ここで飲んだ、そんな話ばかり。
実に面白い。
田舎ってこともあるんだろうが、身分も何もない。
禄高の上下もない。
楽しく、幸せそうな、じゃりン子チエ的な日々。 -
忍藩に住む下級武士の絵日記である。原本は7巻にも及ぶが、慶應大学のデジタルライブラリーから「石城日記 」を探せばインターネットで見ることができる。
この本は、これまでに出ていた同じ著者が、量を増やし、絵をカラー版として新訂したものである。
日記から窺えるのは100石ほどの知行を取る下級武士の生活であるが、なかなかの粋人であり、かつ骨のある文化人らしいということである。そのため、譜代の大名家臣としての言行に好もしからざるところがあって、蟄居・隠居などを命ぜられるが、簡単にはめげていない。
明治以降のことは日記にはないが、解題によると、維新後は藩からの扱いも変わり、教えを請うものが多く現れたらしい。
ともかく、ほれぼれとする「自由人」の走りかもしれない。 -
上書を咎められ、29歳にして知行没収隠居を余儀なくされた幕末の忍藩に暮らす下級武士、尾崎石城の絵日記。
家族や友人と助け合う姿や酒での失敗、まつりの様子等が伸び伸びとした線で描かれた日記は当時の人々の暮らしを鮮やかに教えてくれます。
人々の助け合う姿に心が温かくなりました。 -
忍藩(埼玉県行田市)の下級武士・尾崎石城の残した絵日記。下級武士の日常生活が“絵日記”で生き生きと描かれ、見ているだけでも楽しい(色鮮やかな新訂版となって、さらに楽しい)。
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