「江戸しぐさ」完全理解: 「思いやり」に、こんにちは

  • 三五館
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感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784883203758

感想・レビュー・書評

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  • 世界一の人口密度を誇った(って、その頃の江戸人は知りもしないだろうけど)江戸ならではの、暮らしの中でのちょっとした心くばりや気遣いの仕草数々。
    読めば読むほど、現代にも脈々と続くことばかり。
    それが乱れつつあることを憂慮して、このような本が出たのだろうか。
    江戸が確かにそのような世の中だったかどうかは、私に調べる手立てはない。
    あえて、「江戸」としたのは何故か。
    押しつけがましさから逃れようとしたのか。

    都心部に行けば行くほど、ひとが平気でぶつかってくることに驚く。
    すみませんとひと言言えば良いものを、みな謝る暇も惜しいのか、まるで何事もなかったかのように足早に過ぎていく。
    とまぁ、この本を最初に読んだ頃は思っていた。
    ところが、今や都市部も地方も関係ないらしい。
    ちょっと混雑したスーパーや駅などでは、まぁぶつかる、ぶつかる。
    こちらの身のかわし方が下手なのかと悩んだ時もあったが、もう諦めて悩まなくなった。
    自分が失礼なことをしないように、それだけ気を付ければいいかと考えている。
    そして、通りにくいところを通るときは「すみません」「後ろ、通りますね」などとひと言言ってから通してもらうことにしている。
    不思議なことに、こちらがどれだけ穏やかに言っても無言&無表情のひとばかり。
    ブク友さんたちは、そんなことないでしょうね、まさか。

  • こんな江戸しぐさがありますよーっていう紹介本、というよりかは、
    江戸しぐさの裏側にはこんな思想があるんですよ、って本。
    この一冊を足がかりに、色々な方向(例えば実際の江戸しぐさや、陽明学や、江戸時代の生活)へ興味が広がっていく。
    導入のための本。

  • 雨の日に傘を外側にすっと傾け濡れないようすれ違う「傘かしげ」こぶし分だけ腰を浮かせて席を詰める「こぶし腰浮かせ」。江戸の人の心構えは何とも粋です。江戸っ子に又教えられたね

  • 思草、いい言葉。
    昔の人たちは粋で美しかった。
    見習いたい。

  • 請求番号:385.93/Kos

  • 「おもいやり」それは、日本人の遺産とも呼べる文化です。
    生活の中にふと見かける”江戸しぐさ”。
    その江戸しぐさが、どのようにして生まれたのか、
    そもそも江戸しぐさとは何なのか、江戸しぐさを勉強してみませんか?

  • 江戸しぐさについての知識を増やすための本。

  • 一度でいいから江戸にタイムスリップしてみたい。

  • 「うたかたしぐさ」注意せねば。

    ・日常生活の中で、例えば掃除や洗濯とったささいに思える行動の中にも、仕事やトレーニングと同じような慎重さや注意力といった能力は要求されているのだということです。日常生活の中でのさまざまなアクションをおろそかにするなら、その人はだらしない人間になっていくだけであるといっているわけですね。何か特別なことをして特別な人間になるという考えは「陽明学」にはないんです。p174

    「うたかたしぐさは信用されない」心ここにあらずという頼りない状態で、何をしても上の空でいい加減な様。こんなしぐさをする人とはつき合わないのが大人の知恵と言われていました。p215

    ・学びが楽しみとなるとき、心の栄養になり、いついかなる時にも自身を支えてくれます。他人とも上手に和を保ちながら成長していけます。学びで得た心の栄養こそ、人間の成熟を助け、生きる手立てとなるソフトなのです。p39

    ・外国で暮らしていると、自国の誇りがもてるもの、自信がもてるものがほしい。今までそれを探していたが、それが「江戸しぐさ」だった。「これだ!」と思った途端、身震いがするほどうれしかったですね。p82
    ・禅問答のようですが、幸福とか不幸とかいうのは、「あるといえばある、ないといえばない」p116

  • 日本社会で生きていく上で必要なことから、道徳や生き方まで書いています。
    江戸では3歳までに人の事を考えることができるような人間の素地を作り、人間としての基礎を作っていく、そんな教育を寺子屋含めしていたようです。
    これを読んで小学生から学びなおさないといけないと感じました。
    小手先の知識のほうが評価がやりやすいのはわかるけど、根源の部分を余りにもおざなりにした教育を受けた気がします。それは家庭教育の担当も大きいのですが、私は家庭教育に聞く耳を持たなかったので、余計勿体無い時間を使ったように思います。

    江戸時代は儒教的ながんじがらめの社会ではなく、人々はより楽しく生きるためのコツを編み出し、それが江戸しぐさなのだといいます。
    ルーツが儒学ではなく陽明学なので、多少息苦しさが緩和されてるのかもしれません。その上形式ではなく実務的です。非常にわかりやすい。
    思ったときには行動している、だったり仕事でないときはダラダラしていては、とっさの出来事に対処できない、だったり幸せや不幸せは本当は無い(仏教や老子やエピクテトスもにているが)という陽明学の考えはとても前向きです。

    これを機に陽明学を学びたいという思いが強くなりました。

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著者プロフィール

監修・越川禮子(こしかわ・れいこ)
1926年東京都生まれ。(株)インテリジェンス・サービス設立者。「NPO法人江戸しぐさ」名誉会長。「江戸語りべの会」主宰。江戸しぐさの伝承者であった故・芝三光氏の最後の弟子で、江戸しぐさの語り部として、講演活動や執筆など、江戸しぐさの普及に尽力している。著書に『江戸の繁盛しぐさ』『「江戸しぐさ」完全理解』など多数。





「2013年 『思いやりの心 江戸しぐさ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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