- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784883925681
作品紹介・あらすじ
ヘリコプター、テレビ電話、高速道路……あの世紀の発明品、開発したのはナチスだった!
感想・レビュー・書評
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ナチス時代のドイツにおいて、発明、発見された科学技術や社会制度、その他のコトの歴史をまとめた一冊。身の回りにナチスの残したモノがあり、広い目をもって見ていれば、称賛のみのことだったのになんとも残念。体制ゆえにできたこととはいえ、人類への功績がこれほどあったとは皮肉な話。
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ゲッペルスは、いかにも宣伝らしい宣伝では、相手に嫌がられ素直に受け取られない。宣伝とは気が付かれないうちに、宣伝を行うのが最も効果的に相手に届く宣伝方法だ、という宣伝手法をとっていた。これは今でも使われている。
ナチスドイツはユダヤ人迫害以外は、ドイツ人にとってはすごくいいことをやった。不景気の時代にはナチスの政策はすごくよいもの。 -
ざる読み。悪名高いナチスだけど、効率的だったり理にかなっている政策をした部分を具体的に指摘。興味深い。
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ナチスの軍事力など、テクノロジーすごい。
国家社会主義の経済政策すごい。
福祉政策すごい。
宣伝広告技術の斬新さ、洗脳技術すごい。
アウトバーン、PAシステム、V2ロケット、ジェット戦闘機、ロケット技術、ヘリコプター、人造石油、電子顕微鏡、アスベスト対策、少子化対策・・・・・・。
どれもこれもすごい。
しかし、ユダヤ人を虐殺したことは大きな過ちだった。
ユダヤ人には優秀な科学者が多いからね。
マンハッタン計画にもユダヤ人の天才科学者がいっぱいいた。彼らを敵に回した事が、ナチスの敗因だ。 -
トリビアとしては面白いけれど、参考文献に日本語文献が多く、フリーライターが伝聞情報をまとめました、以上のものは感じられませんでした。雑誌記事なら良いかもしれません。
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第二次世界大戦でナチス率いるドイツは敗れましたが、ジェット戦闘機・ミサイル等、当時の連合国側が持っていなかったハイテクを駆使して局地的には成果を収めていたいうことを話で聞いたことがありました。この本はナチスの発明について書かれた本ですが、その発明品を見ると現在に活用されているものも多く、その技術力には驚かされました。
この本を読むまでは兵器ばかり作っていたという先入観がありましたが、実は暮らしに役立つ商品や仕組みも発明したことを知ってナチスの認識が少し変わりました。しかしこの本の著者が冒頭で述べているように、だからと言ってナチスが行った虐殺は非難されるべきということは心に留めておく必要はあると思いました。
以下は気になったポイントです。
・ヒトラーが訴えかけるのは観衆の脳ではなく心、理屈ではなく感覚で押してくる、この演説に影響を受けたミュージシャンとして、ミックジャガーがいる(p20)
・ドイツ国民の支持を得ることができた最大の原因は、ナチスが当時700万にいた失業問題を数年で解消したこと、切り札がアウトバーンの建設(p23)
・アウトバーンの建設費の46%が労働者の賃金に充てられたのが特徴、日本ではゼネコン・地主に支払われる割合が多く、労働者に渡るのはせいぜい10%(p27)
・V2ロケットはロンドンを忠臣に3000発が打ち込まれ、1万人の死傷者が出たが戦局を変えられなかった、着弾地点が目標からかなりずれるため、軍事力に打撃が与えられなかった、コストは高く4発が戦闘機1機分であった(p40)
・ヴェルサイユ条約では、兵器研究の制限はあったが、ロケット開発を制限する項目はなかった、ロケットは開発されたばかりで兵器になるとは考えられていなかった(p41)
・当時のジェットエンジンは低速時の推進力が弱く、離着陸が難しかったのでこの欠点に連合国はつけこんだ、飛行時間は1時間程度、整備は50時間であり、操縦も難しかった(p51)
・ナチスの人造石油工場は12箇所あり、1944年には年間350万トン(天然石油が300万トン)でありオクタン価は96であり品質もよかった、しかしコストは高く天然石油の5倍程度かかった(p66)
・ジュラルミン等の合金で作られたナチス装甲車は、連合国側の最良の鉄鋼よりも強靭で軽く、それは移動速度・飛行距離の秘密であった(p70)
・IBMは、1946年にドイツのツーゼ(コンピュータの開発者)から特許使用許諾を得ている(p87)
・ポルシェは1900年の電気自動車の成功にあきたらず、ガソリンエンジン車の製作に着手した(p98)
・金持ちの特権とされていた長期バカンスをだれでも取れるようにした国がナチス・ドイツ、労働者の生活を金持ちと同様にする取り組みをしたのはナチスが初めて(p107)
・第二次世界大戦中に、アメリカでは父親が出征した場合、36%の賃金補償を、イギリスでは38%に対して、ドイツでは75%であった(p122)
・アメリカを含めた先進国がアスベストと肺がんの関係を認めるのは、ナチスから20年以上経過(1975年)してから(p126)
・1934年に導入された配当制限法は、1)6%以上の配当不可、2)それ以上の剰余金は、国営銀行に預けて4年間引き出し不可、3)余剰金は貧困者救済基金、建築資金に使用、であった(p130)
・ヴェルサイユ条約により、全ての植民地の没収(領土の13.5%、農耕地の15%、鉄鉱石の鉱床の75%)により、鉄鋼生産量は戦前の37%に激減、賠償金は1350億マルク(60兆円)、輸出製品には26%輸出税をかけてそれを連合国が受け取るというもの、賠償金は21世紀まで払った(p151)
・ユダヤ人迫害は旧約聖書の時代(2000年以上も昔)から行われていて、宗教改革のマルティン・ルターも強烈な反ユダヤ主義者であった(p161)
・アメリカには多くの親ナチス派は多かった、フォードを始めとして多くのアメリカ企業が献金していた、1940年時点で全投資額の5%、カナダ:30%、イギリス:8%(p173)
・日本に落とされた原爆はウラン型(広島)とプルトニウム型(長崎)であるが、アメリカが実験に成功したのはプルトニウム型であり、ウラン型は実験されていない(p233) -
図書館にて。
ナチスは実は優れた科学力を持っていて、現代社会につながる多くの発明、発見を主導したという内容で、雑学として面白かった。
ドイツ人の徹底を好むという性質は歴史的で、緻密な物作りには感心する。測定器メーカーは、やっぱりドイツですかね(日本も!)
暇つぶしに、半日で楽しく読める本。 -
最後のナチスに関する概観は無くてもよかったと感じている。というのも、ナチスの発明という割にその部分の記述がいささか少ないからである。もう少しそれぞれをもう少しほりさげてほし
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実に面白く、読みやすい本だた。
ちまちまと少しずつ、繰り返し読みたい。 -
ユダヤ人迫害以外にナチスが、ドイツ人があの頃何をしたか、が雑学的に良くわかり、なぜナチスが支持されたのかがわかるような本。第一次世界大戦のヴェルサイユ条約によって、がんじがらめになったドイツ人が生み出した今日の生活を豊かにしている製品の数々、宣伝の仕方、社会福祉などの先進性に驚かされると共に、自然回帰主義やアスベスト、公害、癌対策などの例をなぜ日本は学べなかったのか、なぜいまだに中国なども同じ道を通って発展するんだろうと疑問に思う。
強制収容所以外の迫害の過程や原因や、アメリカが当時ドイツと経済的には仲良かったとか、違う視点で解りやすくあの大戦やナチスが見られてとても興味深い本だった。