怒らないこと―役立つ初期仏教法話〈1〉 (サンガ新書)

  • サンガ
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  • Amazon.co.jp ・本 (203ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784901679206

感想・レビュー・書評

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  • ・導師の言葉は、必ず響く時がやってきますので、いつも傍らに置いておきたい本です。人生の節目で読み返すことによって、自分自身がどこに向かって生きているのか、問い直す切っ掛けにしたいと思います。

     アルボムッレ・スマナサ―ラ長老は、仰います。 人間というものは、いつでも「私は正しい。相手は間違っている」と思っています。 「私は完全に正しい。完全だ。完璧だ。あいての方が悪いんだ」と思うから、怒るのです。

     これらの言葉を意識しているひとはいないと思いますが、自分の思い通りにならない時、人は怒りの感情が込み上げてくるわけですから、意識していなくても潜在意識では「自分は正しい。相手は間違っている。相手の方が悪いんだ」と思っているわけです。

     そして、我々がこの世の中で落ち着いて生きられる秘訣は、 「自分は完全ではないし、他人にもけっして完全な結果を求めない」 私も、他人も、誰も完全ではない「完璧にうまくいく」ということはあり得ないと知ることなのです。

     長老は「怒りが生まれると同時に、怒りは自分を壊し、自然を破壊し、挙句の果てに他人の幸福まで奪います」と仰います。私たちは、幸せに暮らすために生きているはずです。ですから、この本の教えを学び、怒りの感情をコントロールできるようになりたいものです。

     私たちは誰もが、自分の人生が「まんざらではないよね(・・?」と確認し続けなければならない存在なのではないかと思います。そして、その過程では、どうしても、自分と他者との比較が必要になってきます。

     自分の価値観・行動原則という物差しを自分と相手に押し付ければ、自分は正しくて、相手は間違っている、という結論になりがちであることは、当たり前のことだと思います。だからこそ、私たちは、できるだけ客観的に物事を判断しなければならないのでしょう。

     私たちが誰でも、心の底では「自分が完全ではないこと、相手も完全ではないこと」を知っています。でも、そんな自分には甘くなり、相手には厳しく完全を求めてしまいがちです。

     自分も相手も「自分自身を最もかわいがってしまいがちな人間である」ことを思い出し、自分にも相手にも少しゆるい物差しを当てるようにすれば、苛立ちがちな世界は、清々しい世界に少しずつ変わるかもしれません。

     仏教への知識が増えたところで読むと、導師が仰ることの意味が良く分かります。平易な言葉で書かれてはいますが、そういう意味では、まさに間口が広く奥が深いのだと思います。私たちは、自分を蔑ろにされたと感じた時、ついつい相手に怒りを向けることによって、損なわれたプライドを取り戻そうとしてしまいがちですが、実は、その行為が自分という人間を自分自身で貶めることになってしまっているのです。

     導師の言葉は、必ず響く時がやってきますので、いつも傍らに置いておきたい本です。人生の節目で読み返すことによって、自分自身がどこに向かって生きているのか、問い直す切っ掛けにしたいと思います。

  • 他人への怒りがふつふつとわいてきた場合に、真っ先に思うべきこと、「自分にもそういうところがあるよなぁ」と。
    このように思うことで、日常に呼び起こされる大抵の瞋怒は静まるようになった。
    それでもしかし、このやり方は、自分可愛さを梃子にして、怒りに冷や水をかけて応急処置をしているにすぎないのではないか、そうであるとすると、真の悟りの道はまだまだ程遠いのかもしれない、と思うようになった。

  • 2019.4.19読了

    こういう本はあまり読まないけど、箸休め的な感じで。
    とても分かりやすく、理解しやすい形で「怒り」がうまく言葉にされている。
    さらりと読めて、頷ける内容。

    たまにはこういうのもいいかも。

  • 自分のこと書かれてるかのようだったわ。怒らないようにしてみます。怒るのは獣以下だと散々聞かされたので、よくわかりました…

  • 怒りがいかに悪いかを仏教の視点から説いている一冊。読むと,確かに怒ることが悪いことか,どうして怒るのか,といったとことがわかる。
    ただ,悲しいかな。わかったからといって,怒りが抑えられなくなることが多々ある状況はあまり変わっていないのが残念。すぐに変わるものではないかもしれないし,修行がまだまだ足りないのかも。

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  • 哲学
    思索
    自己啓発

  • 理解できるが実践するのはナカナカ難しい。

    人に伝染する。
    自分は正しいと思うから。
    怒る人ほど頭が悪い。
    怒りは自分を壊す。
    自分の怒りに気づく。
    自分を観る。
    エゴを捨てる(自分は偉い)。

  • 読みながらイライラしちゃった。笑笑

    すごいな考え方一つっていうのはほんとにその通りだけど、究極を言えば殺されてもそれは怒った方が負けだから、殺されたもん勝ちなんだよ。と。

    最低限命くらいは守りたいけど、仏の教えとして後ろから突然殴られてもそれは怒ったひとの負けだそうで。いつまでも怒らずにいたらいつの日かいつのまにか解決してるんだそうです。

    そんなことは絶対にできないけど、心の片隅には刻んでおこうと思いました。

  • ●一貫して「怒らないこと」の重要性を述べた本。もう怒らないようにしよう!

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著者プロフィール

アルボムッレ・スマナサーラ
Alubomulle Sumanasara

テーラワーダ仏教(上座仏教)長老。1945年4月、スリランカ生まれ。13歳で出家得度。国立ケラニヤ大学で仏教哲学の教鞭をとる。1980年に来日。駒澤大学大学院博士課程を経て、現在は(宗)日本テーラワーダ仏教協会で初期仏教の伝道と瞑想指導に従事している。朝日カルチャーセンター(東京)講師を務めるほか、NHK Eテレ「こころの時代」「スイッチインタビュー」などにも出演。著書に『サンユッタニカーヤ 女神との対話 第一巻』『スッタニパータ「犀の経典」を読む』『ダンマパダ法話全集 第八巻』『ヴィパッサナー瞑想 図解実践─自分を変える気づきの瞑想法【決定版】』(以上、サンガ新社)、『怒らないこと』(だいわ文庫)、『心は病気』(KAWADE夢新書)、『ブッダが教える心の仕組み』(誠文堂新光社)、『ブッダの教え一日一話』(PHP文庫)、『70歳から楽になる』(角川新書)、『Freedom from Anger』(米国WisdomPublications)など多数。

「2023年 『無常の見方』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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