マイノリティだと思っていたらマジョリティだった件

制作 : 松井 彰彦  塔島 ひろみ  小林 エリコ  西倉 実季  吉野 靫  加納 土  ナガノハル  村山 美和  田中恵美子  小川てつオ  丹羽太一  アベベ・サレシラシェ・アマレ  石川浩司  前川直哉 
  • ヘウレーカ
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本棚登録 : 82
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784909753144

作品紹介・あらすじ

偏見や制度による規格・線引きがあるために、そこからはみだした人たちは「マイノリティ」「障害者」「変人」と呼ばれ、異者・弱者として扱われます。本書の執筆者たちは、その意味で「マイノリティ」や「障害者」「変人」などと思われがちですが、「フツウ」のあなたと、まったく別世界の人でしょうか?

この生きにくい社会のなかで、一生懸命、もがいて、生きにくさと戦って、生きているあなたは、この本に出てくる人たちとどこか似てはいないでしょうか?
「フツウ」からはみださないようにがんばっているあなたと、「フツウ」からはみだして、差別され「障害者」「変人」「要配慮者」などと名付けられる彼らを分けているのは、幻想の線に過ぎないのではないでしょうか?

何らかの社会的ハンディをかかえながらも、自分の生を自分なりの形で生き生きと生きていることを伝えるエッセイを、「かわいそうな人の感動する話」ではなく、あなた自身の生と重ねて読んでいただければと思います。

感想・レビュー・書評

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  • 様々なマイノリティ性を持つ方々のライフストーリーを、その方々自身の筆で綴る。

    とても興味深かった。

    マイノリティの中のマジョリティ性、マジョリティの中のマイノリティ性ってあるよなあ、と思って読んでいたら、ラストの前川直哉さんの章がそのものずばりのことを扱っていて驚いた。それでこの話題がラストなのね。

    統合失調症の母の世話をするヤングケアラーとして育ち、自身も双極性障害を持つナガノハルさんの『卓越化に使われる凶人』の文章は自分を振りかえさせられた。“「ふつうは精神障害者を奇異な目で見るけれど、私はそんな目で見ない」とか考えてこの文章を読んでくれるのかもしれない。私の文章がそういう卓越した他者との差異化に使われるとだとしたら、それは何とも虚しいことだ。”p122とは、痛すぎる皮肉である。
    私は、いわゆるマイノリティの方に興味があって、書籍も多く読んでいるが、それは自身の中のマイノリティ性(だと自分では思っている)を慰めるためであり、世界は広く、人間は多様だということを、知っていきたいからだと認識していた。―――思えば失礼かもしれない。
    でも、その中にナガノさんの指摘している、私自身を「卓越化」したいがためという理由もゼロではない気もしてくる。
    要するに、人と違う分かってる私という自分に酔っていたい部分もあるのだ。
    恥ずかしいのだが仕方がない。

    ナガノさんの文章はシャープで刺激に満ちていて面白いのでご著書もいつか読んでみたいと思った。

    重度障害者の村山美和さんには、障害とか意識することなく、家族への思いに共感し、涙した。

    『さよなら人類』がヒットしたバンド「たま」の石川浩司さんもいて驚いた。
    「着いたー」と叫ぶ、山下清みたいな坊主で白ランニングのおじさん、あの人なんなんだろう、と、子供心に思っていた。実際も面白くてかっこいい方なんですね。
    その後、映画で山下清役を演じたそうです。

    • 5552さん
      naonaonao16gさん

      あ、そっか。
      月払いなんですね〜。

      ライブチケットというものは、先着順じゃないんですね。
      有料...
      naonaonao16gさん

      あ、そっか。
      月払いなんですね〜。

      ライブチケットというものは、先着順じゃないんですね。
      有料会員と無料会員に、チケットの取りやすさの差があったら、やっぱりファンはお金払いますよね。
      差があっても無くても、不平等だ!と、思う人がいそうです。
      平等って難しい。
      2023/05/31
    • naonaonao16gさん
      5552さん

      おはようございます!

      なんと、無料と月払いと年払い、3種類あるんです。こういうのって、年払いが1番オトクになりがちですが、...
      5552さん

      おはようございます!

      なんと、無料と月払いと年払い、3種類あるんです。こういうのって、年払いが1番オトクになりがちですが、月で払っても年で払っても変わらないんですよ~
      ドキドキしながら今日会員になってみようと思います!

      確かにチケット当たれば平等、外れれば不平等とわめきそうです笑
      2023/06/01
    • 5552さん
      naonaonao16gさん

      テレビショッピングみたいなnaonaonao16gさん笑

      それは、冗談ですが、年払いもあるんですね...
      naonaonao16gさん

      テレビショッピングみたいなnaonaonao16gさん笑

      それは、冗談ですが、年払いもあるんですね。
      どっちにしろこのタブレットはアプリがパンパンらしく、新しいものは入れられないのですが。

      今日から24時間BUMPと一緒ですね〜
      2023/06/01
  • 「マイノリティだと思っていたらマジョリティだった件」が10月5日に発売します。 - エリコ新聞
    https://erikoshinbun.hatenablog.com/entry/2022/09/12/213821

    HOME | mysite-3
    https://www.sylvanok.net/

    マイノリティだと思っていたらマジョリティだった件 | 図書出版 ヘウレーカ
    https://www.heureka-books.com/books/1743

  • これは読み進めたら辛いやつだ、と読み始めて思って、でもこれは読まなきゃならないやつだと謎の使命感に駆られ読了。

    (当然ながら)書き手もさまざま、書き方も様々でパラパラ読む事ができないので、気になる部分だけの拾い読みでも十分お腹いっぱいかも。でも、マイノリティのことを知ってやろうかというマジョリティ側から立つスタンスでは、そうはならないかな。

    特に、母が統合失調症で自らも精神病という方に癒やされた。常に何で機嫌を損ねるかわからない人のそばに幼少期いると、自分か他人の機嫌をコントロールできるかのような考えの人間になるという部分は、全くその通りで私も同じだ。それからどれだけ夫(や子ども)に助けられた、ということも。自分がなにかはみ出したと思われる行為に対して、罰せられたり怒鳴られたり、不機嫌になられたり、もらえると思ったものを取り上げたり、されない世界線で生きることを選択したのだと振り返ることになる。

    と、私にとっては、なにか思い出せないくらい辛いことや、当たり前に存在していた不幸(と言っては不快な方がいるかと思うけど‥)に目を向けることになりました。

  • きっかけ→新着図書として図書館に入っていたので借りた。
    読む前→マイノリティを持ちつつもある面では誰もがマジョリティなんだよとひたすらその結論が繰り返されるのかと思っていた。
    読んでみて→全員特殊な体験をしつつもある面ではマジョリティであるというのは感じた。マイノリティというのはルーツと家族か自分の障害の有無と性的な面のみだと思っていたがそうではない人もいて、決めつけて読んでいたことに気づいた。
    面白かったのは「共同家族」として知らない人と住んだ経験を持つ人のお話。「(特別好きだったわけじゃないけど)悪くないよね」という言葉には特別感がなくてリアルだと思った。
    私にもマイノリティの要素がありそこそこ受容しつつも時折マジョリティへ反発したり、差別されながらふつうに生きている。
    大学へ行ったら精神障害、睡眠障害、身体障害、ステップファミリー、親から愛を受けずに育った人などあらゆる人がいて自分のマイノリティがあっという間に埋もれていったことを思い出した。
    美談にはせず、でも苦しんだ面を堂々と書いているところが良かったと思う。読みにくいものもあるけれどドキュメンタリーでもなく、特別教訓を全面に押し出すでもない感じがタイトルと一致していると思った。

  • 本の中にいろいろな価値観があり、共感できるもの、できないもの、個人の価値観で変わりそうなエッセイ。私は、自分の置かれた状況でマイノリティにもマジョリティにもなること、それには気づきにくいことに共感しました。

  • 車掌の長年の読者なので、塔島ひろみさんのところを読んで泣いてしまった。「大安の日にはあんばんを買う」を子どもが小さい時に読み、とたま励まされた。そんな私は病気にもならず、むしろ健康になった。あんこが嫌いなので、あんぱんを一度も買ったことがないからかもしれない。

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著者プロフィール

1962年生まれ。日本経済学会会長、東京大学経済学研究科副研究科長在任中に心サルコイドーシスにより入院、障害者手帳を取得。エコノメトリック・ソサエティ・フェロー(終身特別会員)。著書に『市場(スーク)の中の女の子』(2004年、PHP)、『高校生からのゲーム理論』(2010年、ちくまプリマー新書)など。

「2022年 『マイノリティだと思っていたらマジョリティだった件』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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