源氏物語 05 若紫 [Kindle]

  • 2012年9月13日発売
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  • 第5帖、若紫。ヒカル君は感染症を治そうと加持祈祷のために北山に行く。お供するのは惟光。北山の垣間見と言われるシチュエーション。尼君と一緒に居るのは藤壺に似た10歳位の紫の上、滅茶苦茶可愛らしい。んっ?ヒカル君はロリコンなのか?多分違って、藤壺のことが忘れられず、藤壺に似ている紫の上のことが気になったんだろうか。そこでヒカル君は紫の上を理想の女性に仕立て上げたくなり、紫の上を拉致監禁!ええええーそんなことしていいんかい!紫の上を想うと、いいことなのか?悪いことなのか?藤壺を想うヒカル君、ちょっとやりすぎ?⑤

    相関図:
    https://isshikijuku.sakura.ne.jp/wp/takamura-blog/2016/genji-wakamurasaki-22/

    ヒカル君の犯罪:
    軽犯罪(窃視の罪)
    住居不法侵入
    強制性交罪
    未成年者略取

  • 源氏物語といえば、幼女を教育して自分好みの女に仕立てていく話という印象があるが、その本命である若紫という十歳の女の子が出てきた。

    前巻で源氏が育てようと目論んだ夕顔の娘の消息がつかめなかったので、その話はいったん脇に置くと思われたが、別の少女が登場してそっちを育てるという意表をつく展開となる。

    気に入った女がいたら、結局は顔と権力でゴリ押しして手ごめにするのが源氏の基本戦術なのだということがだんだんわかってくる(笑)

    今回も、立ち聞き、隙見(のぞき)、寝室突入の熟練技三点セットが10歳の少女に対しても発揮され、さらに御簾の下から手を入れてお触りするという風俗みたいな新技が披露される。

    なかなか若紫の引き取りを承知してくれない少納言に対し、私を見くびらないほうがいい、と権威をちらつかせて恫喝したあげく、
    「いくらなんでもこんな幼い女の子を愛人にしようなんて思っていませんよ(今のところはね)。けっして下心でこんなことを言っているわけじゃないんです!」
    と自分中心の理屈で業を煮やし、ほぼ拉致同然に若紫を二条の院に住まわせて既成事実を作ってしまった。

    同時に正妻との不仲ぶりや、藤壺との子供ができてしまうというびっくりな話まで同時に展開される。

    藤壺とそんな関係になってしまったことはそれまで何も書かれていなかったのに、急に『一夜の過ち』という記述でさらりと出てきてしまうところが古典な感じである。

    しかし……お父さんの愛人との間に子供作ってしまって、いったいどうするんだろう。

    作家・紫式部のストーリーテラーとしての能力の高さに驚く。
    一千年も前の平安時代にこの水準の高さで物語を出したのだから、衝撃は相当なものだったろう。
    当時の女性たちは読むのがさぞ楽しかったろうな。

  • 源氏物語第5帖。

    光源氏が瘧(おこり・マラリア)を病んで加持祈祷のため北山を訪れるも近くのお寺の様子が気になったりとふーん意外と元気だよね、マラリアってきつい病のような気がするけどなぁと思った。確か平清盛が命を落とした病。光源氏もちょっと咳き込んだりぶり返し気味な表現はあったけれどもなぜか大病という感じはしない。

    そのお寺に住む女児の可愛さに光源氏がときめくも運命的なのはその子が藤壺の兄(兵部卿宮)の娘だったということ。
    相変わらず亡き母似の藤壺に執着している。

    しかしながら、紫の上の「雀の子を犬君が逃しつる」というセリフはかわいくて昔から好き。ドラマ『Mother』の頃の芦田愛菜ちゃんで再現して欲しい感じ。
    そんなおてんば女児をいずれ妻として迎えたいだなんてどういうこと?って尼君(紫の上の祖母)や少納言らは困っただろう。

    一方で藤壺の身の上に事件が。
    ご懐妊の模様でどうやら父親が光源氏のようなのである。
    この回にサラッと書かれているけれどものすごくスキャンダラスな予感がする。
    ええ〜っ!あかんやつやん、これ。

    尼君が一時はよくなられるかと思ったら亡くなられて、その後女児の後見問題が出てくる。尼君は女児の父(兵部卿宮)の正妻が女児の母に辛くあたっていた件もあり、そこへ住まわせるのは反対であった。
    でも、光源氏の連れ去り方はほぼほぼ誘拐。
    これもあかんやつやんというやり口。

    まあ、女児周辺の少納言や女房たちも一緒なので和むことになるのだが。
    これから紫の上を自分好みの女性に育てる計画を持つ光源氏。
    幸せになれるのか?紫の上。
    藤壺は、生まれてくる子はどうなるの?
    やっぱり続きが読みたくなるよね。


  • マザコンとロリコンというウンザリな回だけれど最後に若紫が幸せそうなので救われる。

著者プロフィール

平安時代の作家、歌人。一条天皇の中宮、彰子に仕えながら、1007~1008年頃に『源氏物語』を完成されたとされる。他の作品として『紫式部日記』『紫式部集』などが残っている。

「2018年 『源氏物語 姫君、若紫の語るお話』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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