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感想・レビュー・書評
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たいへん面白かった。ただ「面白い」だけで済ますには勿体ない、なかなか侮れない、明治の「知識」「蘊蓄」がこれでもかと詰め込まれて、思いのほか難解でもあり、読了にけっこう時間を費やした。(「知識の衒い」めいた「いやらしさ」も感じたが。)
「逸民」たちの言いたい放題、自称美学者の法螺話、漱石のワルノリ、教職を自虐的に貶しまくり等、「こころ」があまり面白くなかったところ、「漱石さん、なかなかやるモンだ!」みたいな。
青空文庫より全11章を改めてダウンロードし、精読しつつ、素通りできない箇所を抜きだそうと考えていたが、何もせぬまま今に至っている。
ふと、「いづれ精読致すであらう」とだけ書きたくなり、寝転びながらスマホを弄ってる次第。
「猫」以外にも、あんまり面白すぎて感想文を保留にした、または実に粗末な感想のみに留めてしまったモノがいくつかあります。
元々「書く」のは好きだったハズだったが、年かのう。 -
もうかれこれ数年読み終えていませんし、読み終える気配がありません。そもそもどこまで読んだかすら覚えていません。
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非常に苦痛であった。ちっとも面白くない。しかも長編小説。時間を返せ。。。。夏目漱石は好きな作家であり大抵の作品は読んでいる。『こころ』なんぞ四年に一回は読み直しているかもしれない。そう俺は夏目派だ。本当に夏目三久はかわいい。あれだけショートカットが似合う夏目さんは、夏目三久さんと高校の同級生である野球部の棗君ぐらいだろう。棗君、関東みどり葉会よろしく。夏目最高、夏目万歳、もうテレビで見られないわけだな。非常に残念だ。
ただこの『吾輩は猫である』ではどうも読む気が無かった。小学生向けの落語なんだろうと、それもオチの無い落語だろうと、勝手に想像していた。
結果はどうだ。さすがにこの文体だと口語体とは言え小学生には難しいが、落語だ、オチの無い、いや、最後に猫ちゃんは水甕にオチて死んだけどな。おっと、落語を否定している訳ではない。理解してくれ。
じゃ、何故読んだのか。。。。日経新聞の連載小説『ミチクサ先生』に触発されたのだ。ミチクサ先生、そう夏目漱石先生の話である。そこに『吾輩は猫である』の誕生秘話が出て来たわけだ。これはおっとり刀でいざダウンロードするさ。しないわけにはいかんやろ。なあ、棗君。棗君頭いいもんな。今度みんなで飲もうや。
歴史的小説なのも分かる。そういう点では一度読むべきであろう。ただ、『小説を読む』なら、比較にならない程面白いものが数限りなくある。ああ、比較するのもおかしいか、ミチクサ先生申し訳ない。俺にはそういう知識が無いのだ。
読後感はどうだったか、俺は小一時間考えた。そう、夏休みの宿題を終えた感じだろうか、読み終えたうれしさもあった、達成感もあった、これを読んだことを自慢していいと思った、ただもう一度言う、面白いものではない。ニャン(=^・^=) -
名前は知っている、でも読んだことがない。そういうものだったので、試しに読んでみようと思って読んでみた。まず一番最初に思ったのが「想像してたのより長いな」ということだった。あっさり終わる短いお話かと思っていたが、そんなことはない。中身は大抵むつかしい言葉で簡単なことをむつかしく言葉遊びしていたり、揚げ足をとっていたりしている。とはいえ終始退屈というものではなく、ほほーと思う例えや切り返しも、くすりと笑ってしまう表現もあって、面白いなと思う場所も多かった。この面白さは猫の視点、しかもこのふてぶてしい猫の視点でなければ描き出せないものであろうと思われるところも多く、そういう意味では無二の作品であろうと思う。快くないところもある。なんだよと吐き捨てたくなるものもあるし、イライラするものもある。色んな感情を引き起こさせられる点では、本当に良く日常を描き出されたものだと思う。我々の生活って傍から見たらこんなもんか、となんだかアホらしく思えさえするが、同時に少しだけ愛おしい。
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結構な長編。
苦沙弥先生の飼い猫から見た日常だが、面白いところと、そうでもないところが。
やっぱり、猫が中心の部分が面白い。
餅を食べようとしたり、鼠を捕まえようとしたり。
夏目作品は、ある程度大人になってから読んだ方が面白いと思う。
『猫』もその一つ。 -
猫を語り手とし、飼い主の苦沙弥(くしゃみ)と周りの人間を猫視点で観察し、語っていく。
文明開化の明治の東京で、西洋文化が日本に入り、流行ってる。
主題は、「個人主義」や「自由主義」などの新しい価値観が入って、今後の日本はどうなっていくだろうというような、社会に疑問を呈するもの。
<雑記>
猫が非常に博識で、人間を独特の視点で語るのがおもしろい。
作中、世界の偉人や事件を引用することが多いが、さっぱり分からない。(夏目漱石は賢いんだなあ)
作中の会話で、よく横やりが入りそこが笑いどころなのだろうと思うのだが、わからないことが多い。
トチメンボーを食べてみたい。 -
漱石一家がモデル、とくれば文学的にクールな印象かとなんとなく思ってたけれど予想外にドタバタのホームドラマ、と言ってもいいかもしれない内容だった。
登場人物たちが(我輩を含む)曲者ばかりで口も悪いし回りくどいし激しいし理屈っぽい。でもそれが面白かった。
寒月君が寺田寅彦さんがモデルとは!それと何度も禅語「電光影裏春風に斬る」が出てきてここ最近の私の読書に連なっていたのが私的に感嘆。ラストはどう締め括るのかと思っていたら潔い終わりかた。
夏目漱石やっぱり好きだわ~