宇宙に外側はあるか (光文社新書) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 宇宙とは何か、生命とは何か、壮大な謎に対して科学的・論理的に考察する優れた内容。多くの人を惹きつけるテーマにして最難関の疑問ながら、非常に読みやすくて面白い。
    人間の意識自体、宇宙由来の構成物質であり、理解・認識に限界がある可能性も想定されるが、宇宙背景ニュートリノや宇宙背景重力波など新たな観測により、大きく宇宙像が書き換えられる躍進を期待したい。 ゲーデルの不確定性原理の制約を受けるのは避けられないにしても、様々な宇宙の可能性に想いを寄せるのは楽しい。
    本書の発刊後に重力波の測定が実現している。
    インフレーション理論や量子論はまだ不完全な要素も多い点も理解でき、真の意味での物質や力の起源を説明するのは非常に困難で、生きているうちに万物の理論が完成する日が来るのを期待するばかり。
    量子論の解釈問題や人間原理についての考察も興味深く、宇宙の微調整問題も含めて、そこから多世界解釈を発展させた経緯を聞くと、マルチバースなどが真実味を帯びているようにも感じてしまう。

  • 内容はまじで一番興味ある分野だけど無学すぎてついていけない部分が結構あった。
    定期的にこんな感じで宇宙に思いを馳せてワクワクしたい。

  • 宇宙に関する最新の研究結果や物理学について説明されている。
    ビックバン理論や観測することで物体の位置が確定する量子力学やマルチバースの世界など直観的には理解できないが非常に興味深い内容であった。
    いつかこの宇宙の始まりの謎が解明される日が来ることを期待している。

  •  自慢じゃないけど文系だ。たまに自分に馴染みのない科学系の本を読むのはとてもいい。今回もすごくいい本だった。
     自分にも読めるくらいに普通にわかる言葉で書かれている。そしてこれは宇宙だけのことじゃなくて、人間がわからないことについて語るときに注意すべきことがわかる。われわれはある程度周りの人たちと「共通理解がある」と思っている前提で話したり、それを踏み台に憶測まで共有しようとすることもある。でも著者の科学的手法とでもいうか、この本が説明しているのは、「いまはここまでわかっている。ここから先が予測であり、それを確かめるにはここが問題である。」というところかな。こういうのは本当に自分の考え方を反省させられる。そうだ。わかっていることをなぞるように確かめて、その外側を考えるのだ。
     ものすごく自分の思考をひっくり返されるのは、人間が宇宙の「観察者」であるかもしれないということ。観るものがいるから存在する宇宙。これさ、哲学にズバッと通じちゃうよね…。すごい。これはすごい。
     「宇宙について知れば知るほど、そこにある謎は深まっていく宿命にあるからです。」
    なんというか、これって自分が不思議に思う事すべてにもいえるのではないか。5-17 時間や空間は本当に存在するのか ここも読んでほしい。
     ダークマター、ダークエネルギー、インフレーション、マルチバース、ストリング理論/M理論など知ることができる。それ以上に、人間がいてもいなくてもいいような科学の世界から、人間がいるからこの宇宙がある?の世界まで思いもよらなかったことを教えてもらった一冊だった。文系にもおすすめ。

  • マルチバースの存在を考えるのと、神の存在を考えることの違いはなんだろうか。

  • 目に見える世界では、この物質がこの方向にこの速度で進んでいる(野球のボールなど)なら1秒後にはどこにあるか決まっている。
    しかし、量子の世界では観測して初めて決まる。1つの物質が同時に存在するし、物質より目の細かい壁をすり抜けたりと(無視できるほどに小さな確率だが)、あらゆる場所にある確率が存在し、確率の濃淡でしか存在場所は明らかでは
    ない。
    そんな不思議な量子の世界。けれど我々目に見える物質をつくっているのは量子。量子の集まりである。
    あり得るのだろうか。いつの時点で観測しているしていると言えるのか、観測で測定するとはどういうことか。
    それは量子力学の未解決部分らしい。
    一説によると、物質の位置などを観測した時点で、観測者はそれ以外の物質が見えなくなる。
    そこから多世界宇宙論、現在とは何か。
    解説がわかりやすく、引き込まれる内容だった。

  • 文章が非常にていねいで、とても読みやすい。
    未解決の問題について、こういう説もある、こう考える学者もいる、と広くいろんな説を取り上げていて、気になる説があれば、さらにそれを追求していく入口になると思う。

  • 非常にわかりやすく面白かったです。
    相対性理論、量子論、ダークマター、ダークエネルギー、素粒子…
    宇宙の研究でのキーワードが、個々での理解ではなく、つながって理解出来ました。
    個人的に、ダークエネルギーとワームホール、平行世界は夢のある話なので、生きているうちに研究が少しでも進歩してくれたらと願います。
    宇宙は壮大で面白い。

  • 基礎から最近の発見や仮説研究までわかりやすく、面白く宇宙を説く。興味深く読了。相対性理論もそうなんだぁ~とわかったつもりになるから不思議。物理や化学の法則は宇宙も地球も全く一緒なんだ!

  • ずいぶん前に読み始めたが、平易な文章に反して内容はハードで、完全に読む気力を失っていた。入院中なら腰を据えて読めるかと思ったが、やっぱりまったく頭に入ってこない。中学の頃に石原藤夫の『SF相対論入門』をカッコつけて買ったが、まったく読めなかったことを思い出す。
    まあ、この本も結局は「宇宙ってよくわかんない」ということを言っているようなので、一応通読しただけでよしとするか。

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著者プロフィール

■松原 隆彦(マツバラ タカヒコ)
高エネルギー加速器研究機構、素粒子原子核研究所・教授。博士(理学)。京都大学理学部卒業。広島大学大学院博士課程修了。
東京大学、ジョンズホプキンス大学、名古屋大学などを経て現職。主な研究分野は宇宙論。
2012年度日本天文学会第17回林忠四郎賞受賞。
著書は『現代宇宙論』(東京大学出版会)、『宇宙に外側はあるか』(光文社新書)、『宇宙の誕生と終焉』(SBクリエイティブ)など多数。

「2020年 『なぜか宇宙はちょうどいい』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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