古寺巡礼 [Kindle]

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  • 2012年10月5日発売
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感想・レビュー・書評

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  • 手持ち単行本は大正8年(1919)初版の岩波版です。旧字体なので、現代仮名遣いの青空文庫版を併読。

    「古寺巡礼」というより、「古仏巡礼」の雰囲気が濃いです。ゆったりした時間の流れる感じは大正8年という時代のせいか、和辻哲郎という人物の持ち味なのか。小難しい思索ではなく、なるほど巡礼ですね。

    大正から昭和にかけて多くの文学青年や画学生が、この本を懐に大和路を歩いていたと聞きました。今はもうそういうタイプの大和路好きはいたとしてもとても希少なんだろうなと思うといます。
    下の引用は、現代の漢字かな遣いに直しました。

     
     ━ p.289 ━
    (中宮寺の観音)彼女は神々しいほどに優しい「たましいのほほえみ」を浮かべていた。それはもう「彫刻」でも「推古仏」でもなかった。ただわれわれの心からな跪拝に価する――そうしてまたその跪拝に生き生きと答えてくれる――一つの生きた、貴い、力強い、慈愛そのものの姿であった。われわれはしみじみとした個人的な親しみを感じながら、透明な愛着のこころでその顔を見まもった。

  • ある対象を見て他の何ものかとの類似性を見出したり, その由来を求めたりすることができるためには, それに応じて肥えた目と蓄積された豊かな知識のみならず, 鋭敏な感受性もが要求される。
    あくまで主観に過ぎないのかもしれないが, そうだとして, それのどこが悪いのか。
    それでいいではないか。
    文化度の高さはその人の使う言葉に良くあらわれる。
    造詣の深さに感嘆させられた。

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著者プロフィール

和辻哲郎
1889(明治22)年、兵庫県に生まれる。哲学者・文化史家。姫路中学、第一高等学校を経て、1909(明治42)年、東京帝大文科大学哲学科入学。在学中に第二次「新思潮」に参加、谷崎潤一郎らと文学活動を続ける。卒業後、京都帝大助教授を経てドイツ留学、1931(昭和6)年同大教授。1933(昭和9)年に東京帝大教授となり1949(昭和24)年退官する。翌1950(昭和25)年、日本倫理学会初代会長、1955(昭和30)年文化勲章受章。1960(昭和35)年没。主な著書は、大和古寺巡りのブームを起こした1919(大正8)年の『古寺巡礼』の他、『日本古代文化』『風土』『倫理学』(全三巻)『鎖国』『日本倫理思想史』など、また『和辻哲郎全集』(全25巻・別巻2)がある

「2019年 『国民統合の象徴』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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