戦略プロフェッショナル[増補改訂版] [Kindle]

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  • 戦略と腕力(リーダーシップ・実行力)を有した「経営のプロフェッショナル」の必要性。
    <メモ>
    ・経営トップが使える時間は有限。攻めの経営をする上での最も貴重な経営資源は
     トップの時間だったりする。忙しいほどに全体の俯瞰が困難になるため、優先順位 
     をつけ社長と合意しておく。

    ・社員の士気
     生ぬるい会社ほど、社員のエネルギーが内向している。
     お客様・競合への意識が薄く、自分たちの都合がまかり通っている。

    ・プロダクト・ライフサイクルを踏まえた戦略設計
     導入期・成長期・成熟期・衰退期によって様相が異なる。
      ・競争よりも市場拡大。そもそもメーカー数が少ない
      ・新規参入の増加による競争激化(cash out最大に)
      ・脱落者の発生と少数安定による「地盤」の完成
      ・コスト高のものから撤退
     成長率(高・低)× 競争ポジション(強・弱)でマトリクスを組めば、
     初期はすべての事業が成長率:高 & 競争ポジション:弱。
     そこから最終的には成長率:低 競争ポジション:強に向けて、どうポジションを
     築きながら事業拡大していくかが鍵。

    ・αテスト・βテスト
     α:親しい顧客や仲間内でのテスト
     β:必ずしも好意的でない本当の客先に持ち込んで行うフィールドテスト

    ・失敗の疑似体験
     経営者としての「勘」は後天的。数々の失敗を通じて磨いている。
     ただし必ずしも本当に大失敗する必要はない。信用も傷つく。
     いい線に行っている事業でも当初の目標・計画から外れていれば失敗
     本人だけが疑似体験をできる。そしてそのためには明確なゴール設定。

    ●戦略検討のプロセス
    1)仕事の優先度
     全社観点からその領域に取り組む意義を明確化。
    2)全体市場の俯瞰
     市場規模、競合状況、参入障壁など
    3)戦略製品の抽出
     成長商品・ダメ商品を整理。プロダクトライフサイクルと市場シェア。
    4)製品の差別化能力の確認
     売れないのは商品のせい?< 営業のせい
    5)価格と利益構造のチェック
     競合価格との比較。社内の利益率とのバランスを確認
    6)戦略ロジックの策定
     ユーザ訪問を通じた”真のボトルネック”の特定。
     価格はむしろ安すぎる、資産購入の壁(イニシャルコスト・経済性)が課題だと。
    7)組織の強み・弱み
     代理店販売→直販への切り替え。顧客理解の深化。
    8)市場ターゲット選定
     1000社程度がターゲット。これなら直販で問題ない。
    9)戦略展開の時間軸
     競合参入までのタイムリミット。すべてはこの時間軸で組み立てる必要あり。
    10)価値観の混乱化
    戦略ロジックを現場メンバーに当てていく。従来のやり方の否定し、価値観を
    ひっくり返すことが組織を新しい戦略に収束させるための第一歩。
     組織からの反発や不協和音が生じないようにトップを巻き込んで一体で進める。
    11)新戦略と実行プログラム
     戦略ロジックはトップダウンで落としたが実行プログラムへの落とし込みは
     現場の参加型で構築する。
     その際に”目標先行のプランニング”にすることが重要。現場に目標設定まで
     任せてしまっては現状の延長でしか出てこない。戦略的・Boldな数字を先に
     提示し、これを達成するためには、という視点で考えさせる。


    ・セグメンテーション
     戦略(選択と集中)の要。これをやらせると顧客への理解度が丸裸になる。
     顧客を理解していない営業はセグメントを切れない。

     また戦略浸透の道具としても使える。セグを定義し現場営業にプロットさせる
     ことで戦略への理解度、浸透度が増していく。



     

  • 戦略立案の考え方が現実の企業をケースに非常にわかりやすく解説されており、学びになった。

  • シンプルな戦略
    セグメント、絞り
    熱い心


    プロローグ――日本企業の泣きどころ

    米国企業の戦略経営は失敗したか/再逆転された日本の弱み/経営ノウハウ創出するコンサルタント会社/プロ育成を緊急課題とする日本/臨場感のあるビジネス・ケース/競争のルールに穴を開ける

    1 飛び立つ決意
    広川洋一の決心/新日本メディカルの軌跡/第一製鉄の資本参加/広川洋一の悩み/米国からの来訪者/小野寺、広川を誘う
    【戦略ノート】戦略参謀の弊害
    経営トップの戦略責任/戦略理論は役に立つのか/トップダウンの米国企業/強力な戦略企画部門の弊害  戦略理論を使わない日本のビジネスマン/実践的戦略プロフェッショナルになろう

    2 パラシュート降下
    時間がない/事業のバランス/仕事の優先順位/社員の士気/社内データの掘り起こし/プロテックの市場ポジション/ジュピターの技術優位/競合の認識/目を外に向ける
    【戦略ノート】ルート3症候群
    シェア・ポジションは固まったか/競合ポジションの仮説を立てる/失敗にはパターンがある/プロダクト・ライフサイクル/事業の成長ルート/再投資サイクルと企業活性化/ルート3症候群の症状/不安定化で組織を刺激する

    3 決断と行動の時
    売れない理由の犯人捜し/価格決定のロジック/広川、ユーザーに会う/広川の見た市場と営業マンの認識/営業体制の強み、弱み/競合相手の力を探る/アクションの時間軸を見定める
    【戦略ノート】選択肢は何か
    まず目標を先に決める/ギャップを埋められるか/経営のカンは後天的なもの/失敗経験と経営の因果律  失敗の擬似体験をしてみる/成功のシナリオ作り/会社の体質とプランニング/いよいよ行動の時

    4 飛躍への妙案
    しばしの沈黙/売れないはずがない/新しい発想の糸口/問題の根元は何か/リーダーシップの確立/「考える集団」へ/組織の葛藤/老会長との直談判
    【戦略ノート】戦略はシンプルか
    ルート1を目指す/戦略は本当に実行可能か/意図的に組織を揺さぶる/ギャップを埋める戦略/実践的「戦略プロフェッショナル」の条件/戦略は十分にシンプルか

    5 本陣を直撃せよ
    最後の一押し/攻撃目標はどこか/市場をセグメントする/セグメントの魅力度/最終のセグメンテーション/行動成果を追いかけるシステム/いよいよ戦闘開始
    【戦略ノート】絞りと集中
    企業戦略は「絞り」の道具/セグメンテーションの効果/セグメンテーションのシンプルさ/セグメンテーションの「はずだ」連鎖/しつこいフォロー

    6 戦いに勝つ
    勝ちどき/強敵の出現/マーケットシェアの逆転/プロテック事業部の成長/トップダウンからの脱却

    [エピローグ]30代のチャレンジ
    人間臭さと戦略/不安定のなかを生きる/自分をストレッチする/30代の一徹さ

  • 5年前にMBAを取得し、なかでもターンアラウンドマネジメントの授業に夢中になっていたのに、つい最近まで三枝匡さんのことを知らなかった。ただMBAで学んだ後に読む本書もなかなか味わい深いかもしれない。

    ・米国の経営手法が世界各地に伝わることで、いつのまにか米国的価値観までが世界中の企業経営者の心と行動の中に沁みこんでゆく=米国発のビジネス・ゲームが世界中に広まっていく
    ・日本における戦略的リーダーの不足の顕在化
    →プロフェッショナルな職業が幅を利かせすぎると、弊害も大きくなる(米国にもその弊害がみられる)
    →日本が米国のルールに染まりすぎてはいけない
    →とはいえ、現状の日本は素人集団状態
    ・MBAで使うビジネスケースに不満を感じて執筆(経営者個人の苦悩を描いたり、途中のリスクを理論的に解析した点などが差別化ポイント)

    米国・戦略コンサル・MBA礼讃でもなく、それらを単に批判するのでもなく、Yes/Noの二分法ではないところに、実際の経営経験を踏まえた説得力があった。

    ・「死の谷」
    の話に言及されているのも、特徴的。「死の谷」を経験したからこそ、本書がうまれ、経営者を育成しようという原動力になったのではないか。

  • 30代半ばでこの書籍にある内容をやり遂げた三枝さんは凄いと思った。
    同書に何度か言及され、学びになったこととして、クリティカルなポイントを絞り込んで改革に着手するということがある。一度に全部やると失敗リスクが高いことはもちろん、一分野での改革が他分野に波及していくことにもなる。一点突破すべきイシューを見極め、そこにとことんこだわりぬきやり抜く。その大事さを知った。

  • 戦略プロフェッショナルのウデはフレームワークの引き出しの多寡で決まる

    一度目は本で読みました。余りに感銘を受けて、二回目として電子書籍で読みました。

    知財部員のウデを決める一つの資質は質問力だと思います。研究者、設計者のアイデアを固める、広げるためにどのような質問が出来るか、どれほどの質問の引き出しを持っているか。

    何も考えずに「なんかいいアイデアないですか?」では、話も広がらず、そっぽを向かれて終了です。研究者、設計者から「そういう考え方もあるのか」、「あなたと話をしているとアイデアがどんどん広がる」と言って頂いてこそ、我々の存在価値があると思います。

    現状、研究者と議論する上で意識していることは以下の通りです。

    ・課題の認定
    ・課題から解決手段までの流れ
    ・アイデアの縦横展開

    上記をいかに早くそして適切にこなすかが、重要だと思ってす。

    またまだ理想には程遠いですが、1件1件コツコツと頑張りたいと思います。

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著者プロフィール

ミスミグループ本社シニアチェアマン、第2期創業者
1967年一橋大学経済学部卒業。三井石油化学を経てBCG勤務。75年スタンフォード大学経営学修士(MBA)取得。30代から経営の実践に転じ、赤字会社再建やベンチャー投資など数社の代表取締役を歴任。86年三枝匡事務所設立。2002年よりミスミ代表取締役社長、2008年代表取締役会長兼CEO、2018年より現職。2001年から一橋大学大学院客員教授。2009年内閣府参与。

「2021年 『V字回復の経営 増補改訂版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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