キル・ユア・ダーリン [DVD]

監督 : ジョン・クロキダス 
出演 : ダニエル・ラドクリフ  デイン・デハーン  マイケル・C・ホール  ベン・フォスター  ジャック・ヒューストン  ジェニファー・ジェイソン・リー 
  • TCエンタテインメント
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感想 : 40
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4571390736047

感想・レビュー・書評

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  • 50年代の米国でビート文学を生み出した詩人
    アレン・ギンズバーグの若き日の実話です。
    文学を学ぶために大学へ進学したアレンの情熱
    が愛憎を呼び、やがて悲劇へと発展していく。
    大学生活でアレンはルシアンと固い友情を育ん
    でいくが、ルシアンがゲイ元恋人を殺害してし
    まう事件が発生してしまいこれによってアレン
    はルシアンの本当の姿り知り同性愛へと発展し
    ていた彼への思いが徐々に変化していきます。
    若者の精神的な成長をとらえた青春ドラマの側
    面に加えビート文学の盟友ウィリアム・バロウ
    ズやジャック・ケルアックの出会いの逸話など
    も興味深い内容でした。 
    ダニエル・ラドクリフが恋に戸惑うゲイ役を熱
    演していました。

  • KILL YOUR DARLINGS
    2013年 アメリカ 103分
    監督:ジョン・クロキダス
    出演:ダニエル・ラドクリフ/デイン・デハーン/マイケル・C・ホール/ジャック・ヒューストン/ベン・フォスター
    https://www.sonyclassics.com/killyourdarlings/

    詩人の父と、精神を病んでいる母と暮らしていたアレン・ギンズバーグ(ダニエル・ラドクリフ)は、1944年コロンビア大学に合格し、実家を離れ寮に入る。頭の固い教授の授業はつまらなかったが、奔放な学生ルシアン・カー(デイン・デハーン)との出会いがアレンを変えていく。ルシアンの友人たち、ヤク中のバロウズ(ベン・フォスター)や、ハンサムなケルアック(ジャック・ヒューストン)らと、詩作をする傍ら破天荒な悪戯に明け暮れるようになるアレン。いつしかルシアンに友人以上の感情を抱いてしまうが、ルシアンには以前つきあっていたが今やストーカー化したデヴィッド(マイケル・C・ホール)という年上の男がいて…。

    以前テレビで深夜に見たのだけど、『チューリップ・フィーバー』でデイン・デハーンを見たらもう一度これも見たくなりアマプラで。ハリー・ポッターであれほど人気を博したダニエル・ラドクリフ主演ながら日本では確か映画館では未公開。ハリー・ポッター後、そのイメージの脱却に苦労したであろうラドクリフくんは、イケメンのデハーンとのキスシーンはまだしも、後半ゆきずりの男との全裸ベッドシーンにも挑んでおり、かなりの冒険作だったのかも。

    登場人物たちは、お察しの通り実在の詩人・作家たち。演者はそれぞれ、実際の人物にかなり寄せた配役、メイクになっていて、とくにバロウズはめちゃめちゃバロウズぽかった。ケルアックは、実際にもアメフトやってて、かなりモテそうなイケメンですよね。ラドクリフくんの眼鏡姿も、ちゃんとハリーではなくギンズバーグに見える。

    そしてお目当てのデイン・デハーンですが、とにかく美少年っぷりが半端ない!若かりし日のディカプリオ似ではあるけれど、もっと悪魔的というか、緑色の瞳が妖しくて、ジルベール味がある。実際のルシアンもエンドロールで流れた写真の他検索すればいろいろ出てくるけれどかなりの美少年。

    そんなルシアンと同性愛関係にあるデヴィッドは、元教授で、ルシアンが転校するたび追いかけてくる粘着ストーカー。ルシアンはもう彼を愛してはいないが、実は勉強の不得意な彼は体と引き換えに大学の論文をデヴィッドに代筆させている。なかなかの小悪魔。

    アレンは精神を病んでいる母をとても愛しているが、突然電話をかけてきて統失発言をする母は負担でもあり、やがて父は母を病院に入れてしまう。苦しむアレンに寄り添う優しさをルシアンは持っている。ルシアンにとってはアレンは本当に親友だったのだろう。以下若干ネタバレながらベタなBLのように、アレンはルーへの気持ちを抑えきれずキスしてしまう。しかしルーはそこで態度を変え、デヴィッドの代わりにアレンに論文の代筆を要求する。あー、せっかく親友として信頼されていたのに(涙)という展開。

    ルシアンに切り捨てられ失意のアレンは、せっかく引き離したデヴィッドにルシアンの居場所を教えてしまい、ついに思い余ったルシアンは…。

    この事件のあと、ルシアンはアレンらとの交流を断ったようだ。アレンは最初の詩集『吠える』をルシアンに捧げたが、ルシアンは自分の名前を削除するように言う。ギンズバーグもバロウズもケルアックもそれぞれ詩人や作家として名前を残したが、ルシアンは作品を残さなかった。映画で描かれている彼は、とにかく本人の存在が鮮烈であり、彼自身は何かを創作した様子はない。実際にもそうだったのだろう。

    ケルアックの『路上』(https://booklog.jp/item/1/4309460062)に登場するディーン・モリアーティのモデルとなったニール・キャサディも、一冊の本も残さなかったが、ケルアックに大きな影響を与えた。ルシアンはギンズバーグにとってのそういう存在だったのだろう。エンドロールで流れたリバティーンズの「Don't Look Back into the Sun」(https://www.youtube.com/watch?v=jLYsIESNtUc)がピッタリすぎて泣けました。

    ケルアックとバロウズは読んだけど、ギンズバーグはバロウズとの『麻薬書簡』しか読んだことがなくて、肝心の『吠える』を読んだことがないのだけど、調べたらちょうど柴田元幸の新訳(https://booklog.jp/item/1/4884185382)が今年出たようなので、そのうち読みたい。

    ビート・ジェネレーションの作家たちの青春時代としても興味深いけれど、アレンとルシアンの関係性は古き良き男子寮もの少女マンガの耽美な趣きもあり、なによりルシアンの存在が鮮烈で、胸に残る1作。

    • 淳水堂さん
      こんにちは。
      「オン・ザ・ロード」を読みましたが、ビートジェネレーションにはいまいちピンとこなかったのですが、
      後書きに書かれていた人生...
      こんにちは。
      「オン・ザ・ロード」を読みましたが、ビートジェネレーションにはいまいちピンとこなかったのですが、
      後書きに書かれていた人生が強烈でした。
      巻末の作者の年表に書かれた、ケルアックやキャサディ、バロウズの人生のほうもかなりインパクト大。
      殺人の証拠預かった、妻を過失致死させた、仏教、禅の勉強をした、野垂れ死にした…

      こちらはそんな彼らの若かりし頃なのかな。見てみたくなりました。
      2020/09/20
    • yamaitsuさん
      淳水堂さん、こんにちは!
      いわゆるビートジェネレーション、私も作品読む限りではそこまでピンと来ていなかったんですが(バロウズは別の意味でぶ...
      淳水堂さん、こんにちは!
      いわゆるビートジェネレーション、私も作品読む限りではそこまでピンと来ていなかったんですが(バロウズは別の意味でぶっとんでるのでシュールですけど)「路上」と、その前日譚ともいえるこの映画で起こったことなど知るにつれ、結局「作品」よりも「生き様」みたいなものが彼らにとっては重要だったのかなあと思うようになりました。

      この映画の中でも若かりし日の彼等は犯罪スレスレのことをやらかしまくり、最終的には…。
      とはいえ逮捕されてもまだ親に保釈金を払ってもらうという子供っぽさは残っていますが(^_^;)

      映画、おすすめです。私も「オン・ザ・ロード」のほうでケルアック再読してみたいです。
      2020/09/20
  • ずっと前に、映画雑誌で見たことがありました。「あのハリー・ポッターのダニエル・ラドクリフが、今度はゲイ役!?しかも濃厚なキスシーンまで!」みたいな見出しで。
    その時は、「へー、あのハリーがねぇ」くらいにしか思わなかったんですが、映画をネットで探してる時に偶然見つけたので。いつか見よう、くらいにしか思ってなかったんですが、予告をYouTubeで見たら、相手役のデイン・デハーン君の美しさにやられました…。これはすぐに見るしかない……。

    ダニエル君演じるアレン・キングスバークは、実在した人物。有名な詩人家で、この人をモデルにした映画は結構ありますよね。「HOWL」とか「バロウズの妻」とか。
    それほど人を魅了する天才詩人家だった彼ですが、これはまだ彼の才能が開花する前の話。

    大学に入学した彼は、図書館で不思議な魅力をもった1人の男と出会います。それがデイン君演じるルシアン・カー。アレンはそこでルーに惹かれますが、一方ルーも、講義中に鋭い指摘を教授にしたアレンに、興味を持ちます。
    その後アレンはルーに会いに部屋に行くんですが、その時のアレンを迎えるルーがとにかくカッコいい……!!タバコを吸いながら、「やっときたな」ってニヤっと笑うんですが、もうその時から妖しげな魅力がプンプン……!ルーはアレンも、元教授でストーカーちっくな年上男も骨抜きに魅了しちゃうんですが、こりゃこんだけ魅惑的だったら、落ちちゃうよね……っていう小悪魔っぷり。

    その時交わした会話も、洗脳されててとても素敵なんだけど、実は全部ストーカー男の受け要りで、ルー自身は芸術の才能はないんだよね……。レポートだって、ストーカー男がずっと書いてた訳だし。
    ただそれ抜きにしても、ルーはアレンの知らない世界もいっぱい知っていたし(始めてバーに来たアレンが、キョロキョロ物珍しそうにしてるのを見て「アレン・イン・ワンダーランド」って小馬鹿にしたようなルーの顔がメチャメチャカッコいい。)、個性溢れる仲間達に会えたのもルーのおかげだけどね。

    ただ段々と魅惑的だったルーの仮面が剥がれていく。問題を起こして大学を転々とし、自殺未遂までしていた程、情緒不安定だったルー。母親と教授の前で、感情的に叫ぶシーンは、あれだけ余裕タップリに周りを振り回していたルーの姿はなかった。
    その後、ストーカーまがいの男(実は元恋人)を殺害し、刑務所に入れらたルーはアレンに助けを求めます。その時のアレンを見つけてホッとし、すがるような目で見つめるルーはこれまた魅惑的で、アレンもやられてしまうんですよね……。
    ただ、ルーの過去を知れば知るほど、アレンの中のルーに対する気持ちはどんどん揺れていき、遂に大学時代、ルーが友人を殺したことが書かれた記事を見つけ、アレンはある決心をします。
    それは、ルーが求める罪を無くすものではなく、ルー罪を洗いざらい書いたものを提出すること。これを見たルーは激怒して、「書き直せ!」とアレンに詰め寄るのですが、アレンはルーを刑務所に残して去っていきます。
    このときのアレンの気持ちを想像すると胸が痛いです……。かつて狂おしい程憧れ、愛した人の衝撃的な過去と偽りの姿。それが自分の才能を開花させただなんて、凄く皮肉だし、そんな彼を見捨てなければいけない辛さ。ルーだって苦労しただろうし、孤独だったんだろうけど、この時ばかりはアレンに同情します。「キル・ユア・ダーリン」。この時アレンは、憧れたルーを心の中で殺したんじゃないかなぁと思いました。


    最後はアレンに同情しまくりでしたが、やはりルーの逆らいがたい魅力がこの映画の見所だと思うし、それを見事演じきったデイン君は凄いと思います。彼は、繊細で孤独な闇を抱えた、堕ちていく役が凄く似合いますよね……。

  • 1950年代以降のビート文学やカウンタカルチャーの火付け役となっていくアレン・ギルスバーグやコロンビア大学入学以降のつながりによる青春群像劇。

    既成秩序や常識、道徳にとらわれない彼らとともに自由奔放な生活を謳歌する中で、ギンズバーグは親友カーに友情以上の感情を抱くようになっていく。
    切なく苦しい恋心を創作の力として試作に励むも、カーへの想いは日を追うごとに激しさを増していった。
    そしてある衝撃的な事件が発生し、、、。

    若者達が持っていたそれぞれの内なる苦悩。
    互いが出会うことにでその苦悩を分かち合い、それを「打破」していく道を過激なまでに真っ直ぐに、突き進んでいった。

    「何者」であることにも縛られず、そのために新しい価値観を創造していく中で、自分らしさを確立していこうと必死でもがいていた。

    「裸のままの自分」をさらけ出せるような社会であれば、もっともっと自由でありたいと願う、そんな気持ちは、幅や量は違うかもしれないが、今の時代にもどこか希望として持ち続けたいものかもしれない。


    思った以上に良くて驚いた。
    ダニエルラドクリフ、めっちゃ頑張ってたと思う。


    最後に、メモ。
    Some things, once you've loved them, become yours forever.
    And if you try to let them go... /They only circle back and return to you.
    They become part of who you are ... or they destroy you.
    何かを愛したときそれは永遠に君のものになるかもしれない
    それは突き放しても弧を描いて戻ってくる 君の元へ
    君の一部となり 君を破滅させる


    Be careful, you are not in Wonderland.
    I've heard the strange madness long growing in your soul,
    in your isolation but you fortunate in your ignorance.
    You who have suffered find where love hides,give,share,lose,
    lest we die unbloomed.
    気をつけろここは不思議の国じゃない
    君の中で狂気が芽生える音を聞いた。
    だが君は幸運だ 何も知らず 孤独でいる
    傷ついた君は隠された愛を見つけた。
    人に与え分かち合い、そして失え
    花を咲かせぬまま死なぬように



    Another lovers hits the universe.
    The circle is broken.But with death comes rebirth.
    And like all lovers and sad people, I am a poet.
    愛する者は宇宙へ旅立った。
    輪は破壊された。そして死は復活する。
    すべての愛する人と悲しむ人と同様、私は詩人である。

  • DVD

    全体的にとてもお耽美に描かれているので、最後に唐突に流れるリバティーンズは無邪気すぎて違和感があった。
    でもアレン・ギンズバーグ、インテリそうな雰囲気出してるけど、ぶっ飛んでるし、リバティーンズの曲のような空気感の中に生きていたのかもしれない。

    ドラッグでハイになって、狭いアパートで共同生活。そして来たる別れの時…。あ、リバティーンズだ!!

    Don't look back into the sunの歌詞は、二人の関係性をよく表しているような気がする。
    http://youtu.be/I4LjfJHRRfY

    何にせよ、デインデハーン最高。
    気づいたらDVDポチってた。

  •  文学革命を起こそうとする大学生たちの実話に基づくおはなし。とてもホモセクシャル。
     話はなんてことないんだけど、とにかくデハーンの美しさを堪能しまくるための映画……とか言ったら怒られるかな。
     これ買いたいわ……やばいわ……
     あっもちろんラドクリフ君とか他のキャストもよかったんですが!

  • デイン・デハーンとダニエル・ラトグリフのキスシーンに見惚れた…。

  • 実話ベース。

    ひたすらルシアンが美しかった…妖艶で魅惑的。
    なのでストーカー男や、主人公が惹かれる気持ちは分かる。
    だけど当のルシアンの気持ちは分かり難かった。
    後半で、自殺未遂を起こしたという事件が明かされたり、ストーカーとの関係?も出てくるのだけど、イマイチ理解出来ず…。
    結局誰が何だって??と。
    なので、実際彼が離れたいと思っていたのかも分からなかった。
    ストーカー男は腹いせに猫をオーブンに入れるようなクズだから、激情する事を恐れて強く拒絶出来ないのか?とも思ったけど…。

    最後は主人公がルシアンに絆されることなく、距離を置くエンドだったのが良かった。
    しかもその小説とした宣誓供述書を学校へと提出し、更に教授からメッセージ付きで送り返される下りが最高。
    戦争終わりのラジオと共に締められたけど、戦時中でも関係なく生活を営んでいるんだなぁと驚いた。

  • 好きな人達を葬り去れ

    アレン・ギンズバーグ、覚えておきます。前知識皆無で観たのでまま置いていかれましたが、ダニエル・ラドクリフ君のまっすぐな視線に現れる従順そうで意思の強そうな反抗が隠せない瞳、矛盾した表情たまらなく好きだな〜って思いました。これ、絶対ハリー・ポッターで手に入れたものだよな。この作品においても、言動や態度に直接表現することは役としていけないから詩人として言葉を紡ぐまでの心理描写を顔でするラドクリフ君のこと、見直しました。
    こういう直接的ではない反抗的な役、ずっと観ていたい役者さんになりました。
    弱者視点を子役から知っているエキスパートになってほしいなあ。と歪なファン心理を自覚。、

    タイトルの語源について
    https://slate.com/culture/2013/10/kill-your-darlings-writing-advice-what-writer-really-said-to-murder-your-babies.html

  • ◆デイン・デハーン祭り①/2013年:ルシアン・カー役
    ハリポの顔じゃない、癖のなくなったイケメンのダニエルラドクリフ。どちらもネコか。股を開くシーンが忘れられない。分かってるじゃねえか…むしろこっちがビビる。
    本題ですが…デハーンのせいで何度フリーズさせられたか分からない。わがままボディでラドクリフを幻想の世界に誘っていたが、むしろこっちが飛ぶ。
    最高……( ◠‿◠ )

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