- Amazon.co.jp ・電子書籍 (290ページ)
感想・レビュー・書評
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『パリの国連で夢を食う』
【こんなひとにおススメ】
フランスに関心がある方、国連組織で働くことを考えている方、漠然と海外で働いてみたいかも・・・の方は、著者の「生活を覗いてみる」のも一考かもしれません。
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【購読動機】
パリ、そして国連。いずれもまったく馴染みがない世界です。
その馴染みのない世界をエッセーとして堪能できるのなら・・・と購読です。
読者レビューをきっかけに関心をもった一冊です。
読書をするひとびとの世界に身を投じると、こうした知らない世界とつながることができるプレゼントに出会います。
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【著者】
著者は日本の大学を卒業したうえで、海外の大学院を卒業しています。卒業後は、海外の会社で働きます。そして、日本国内の会社に転職です。
もともと海外志向があったと記述しています。
国内の会社の業務は多忙。年間5割は海外含めて出張、深夜帰宅はザラです。
そんな折り、国連で中途募集を見つけて応募、採用されます。
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【内容】
・国連で正規職員として採用されることの困難さ。
・基本的なプロジェクト期間が2年間であること。
・予算がないという理由でやりたいことができないこともしばしばであること。
・昼休みの取得時間など個人に多くの裁量権が認められていること。
また、フランス国内におけるストの頻度、賃借物件取得の困難さなども著者の体験を通じて知ることができます。
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【読み終えて】
著者の生活、働きぶりを見ていると下記を感じます。
・意見をもつ、発表する。
・なんでも思ったら「まず、やってみる。」
・関係はオープンに、人との縁を大切にする。
・計画よりも「わたくしはどう?」を大切にしている。
そう、私とはまったく反対。。。だからでしょうか? 微笑ましく読み進めることができました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
どうして、どうして?
というくらい劇的な展開が待っている。
運は自分で切り拓いていくものだけれど、得てして人は後悔してしまう方の選択をしてしまっていないだろうか。(わたしはそうかも~)
彼女は羽ばたくような、そんな選択をしてきたようにも思える。
どうすれば、表紙絵に巴里の風景が描かれるような本を作る生き方ができるのだろう。
凄すぎるけれど、そのターニングポイント/きっかけが、本の中にしっかりと書かれている。本人はあとでそこに気づいた、というような書き方になっているけれど、そうした出来事をしっかりと捉え、自分の生き方につなげたことで、その先には国連だったり、外交官特権BMWだったり、恋人だったり、講師だったり、帰国だったりが待っていたわけだ。
チャーリーズエンジェルを結成していたこともあるようだけれど、そうした出会い、友人が彼女を変えたことは間違いない。だけれど、だれもが羨む国連をあとにしたこと、それははたから見たらやっぱりもったいないよな~、と思うことしきりです。
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表紙絵もいいけれど、タイトルもいいですね、
あとがき、にタイトルを決めたのが誰かについて書かれています。
うっそでしょ~ -
パリの国連機関に5年半勤めた著者の実体験を綴った書。「パリでメシを食う。」の執筆体験記にもなっている。
国連機関に対しては元々、モチベーションの低い職員がダラダラ働く非効率な組織、しかも職員は高給取りで税金免除の特権階級、といった悪いイメージを持っていた。本書を読んで、改めて国連機関が良くも悪くもゆる~い組織であることが理解できた。要するに、様々な国の人が共通の価値観を持たないないまま(寛容の精神の下で)ゆるく働いた結果、あちこちに既得権が発生してしまい、業務効率化や組織改革など果たせる訳もなく、「世界でいちばんカオスな職場」になっているんだな。
「究極のお役所仕事。何をやるのも大げさな展開になるから忙しいのだ。」
「国連の人事システムというのは氷河のように硬直していて、個人の希望に柔軟に対応するようにはできていない。」
「全体的には、なんというか、「そこそこ」なカルチャーが蔓延していた。そこそこ頑張り、そこそこ休みながら、そこそこの結果を出せばオッケーという感じだ。それは、職員個人のやる気というよりも制度の問題だった。たとえプロジェクトに成功しても昇進することがない反面、失敗しても降格や左遷もない。だから、どうしてもこの辺でいいか、となってしまう。」
「家族や余暇を大切にしたい人には最高の職場だ。」
著者は、仕事で満たされないエネルギーを、パリに棲む日本人にインタビューしては記録する「マイプロジェクト」に注ぎ込んだ。この執筆活動が「パリでメシを食う。」に結実。
著者は結局、パリの生活を謳歌しながらも、退屈なデスクワーク(と組織のゆるさ)に耐えきれず、厚待遇の国連職員ポストを辞してしまう。「結局、どんなにプライベートが楽しかろうと、一日の大半を費やす仕事が充実していないと、人生の多くの時間が無駄になる」。現場に出ていろんな人達と直接関わるフィールドワークがやりたい、という気持ちは分かるけど、ちょっと勿体ないなあ。
究極の個人主義の国、サービス精神ナッシングの横柄な店員、人種差別…。フランスのお国柄が垣間見れたのも面白かった。 -
①川内さんご自身の魅力を感じられたこと
②パリでの生活(=異文化生活)を追体験したような気持ちになれたこと
この2つの側面から、とても心が動かされる本だった。
川内さんの生き方に、とても憧れを抱いた。
情熱の赴くままに新しい挑戦を続ける、という姿勢は見習いたい。
また、自分自身があまり社交的なタイプではないので、周囲の人の良さを見つけ、人を大切にしながら一期一会の出会いを大切にしている川内さんの姿が素敵だと感じたし、自分もその状態に少しでも近づきたいと思った。
海外での暮らしや文化の異なる人と交わることについてはとても関心があるので、パリでの生活や国連のリアルな実態を知れたことはとても興味深かったし、読んでいてとてもわくわくした。
印象に残った点は、「黒人にとっては、日本人とはパリが全く違う世界に見える」ということ。
日本にいると人種差別を目の当たりにすることがほとんどないので、そういった感覚が自分の中になく、はっとさせられた。
国連は様々な価値観の人が集まっていて、その人たちを束ねるルールがない。
だからカオスであり、リサイクルボックスを置くといった些細なことすら簡単にはできない。(保守的)
それは仕事を進めるという点ではネガティブな側面もあるかも知れないけれど、どの文化も尊重されるという点では、ポジティブでもあると感じた。
自分自身がカナダに滞在した時に、日本と異なり、いい意味で周囲の目を気にせずに済み、自由な雰囲気があって過ごしやすいと感じたが、それに近い感覚なのかな、と思った。
自分の今いる日本の環境が世の中の当たり前ではないことを認識し、いい点には感謝し、悪い点は変えていく気持ちで過ごしたい。 -
国連の職員として5年間パリに住んでいた著者さんのパリでの生活と国連についてのエッセイ。
KindleUnlimitedに入っていて、表紙がオシャレだったから〜という理由で読んでみたけれど、思った以上に面白かった。
国連の人事の仕組み、国連の中で働いている人たちの多様な変な人たちっぷり、パリという街の不思議、パリにいる人たちの不思議、
そして、なんといっても、著者さんの「ものを作りたい」という気持ちの強さに感動しました。
寄り道をしながらも、その寄り道でたくさんの経験を吸収して、さらに前に進んでいく姿がかっこよかった。
別の本も読んでみよう! -
UNの実情を包み隠さず教えてくれて、その中での葛藤がリアル。サファリパークのようなUNに留まらず、次の険しい道に挑むところがいい。
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おしゃれなパリで国連の職員として働くって、憧れしかない。
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途中までしか読んでいないけれど、国連と言えども、いわゆる「お役所仕事」という実に効率の悪い働き方・・・これ、どこにでもあるんだな、とがっかりした気持ちになった。著者はとても優秀で積極性があるので、ぜひ自由に活躍して欲しい。