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感想・レビュー・書評
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半年ほど前に本屋さんで衝動買いした。帯の「疲れた心に必ず効く、読む特効薬。」という言葉に惹かれて。
直感で選んだ本というのは、本の方から何かを発してきていて、この時もやっぱり、この本の方から私に声をかけてきてたんだと思う。でも、半年積ん読になっていた。
アラフォー独身女性が主人公の短編小説6編。アラフォーにもなると、恋やら結婚やらと浮いた話より、自分らしい働き方に自信が出てくる反面、年老いていく親の姿を見ざるを得ない。身近な人の「死」というものにも触れる。でも、年取るって嫌だね、っていうのじゃなくて。それが人生で、それが味わい深くもあるのかもしれない。
文庫本のタイトルは、けっこう平凡なんだけど、短編のタイトルはどれも洒落てて、海外の料理や建築物の様子など、マハさんらしいなぁと思う。
そして、「疲れた心に効く、特効薬。」
その名のとおり、『緑陰のマナ』の話で涙腺が崩壊し、10分くらい中断して、タオルで顔を覆っていた。すっきりデトックスできた。泣くって浄化作用があるね。
こういう小説に味わいを感じられるほど、私、大人になったんだなと思って、ちょっとうれしかった。
年をとるのも、悪くない。でも、もうちょっと食事に気をつけないとな。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
短編集だったけれど、どれも心に刺さり、涙を誘ういい物語だった。
孤独と死。
似ているようで、そうではないものと隣り合い、人は生きている。
孤独を愛するから寂しいわけではない。
死が間近にあるから弱いわけではない。
人は、強くしぶとい生き物なのだ。 -
3.8
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ほっこりする良いストーリーでした。
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旅の風景描写が秀逸。前を向ける。
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短編集…とても読みやすい。自分とのつながりを感じやすい親しみのもてる内容
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短編集で読みやすかった。
色鮮やかな風景、美術と建築と旅に見識があるであろう作家ならではの物語ばかりで、とても良かった。たまにこれは作者のことを言ってるのだろうか…などという描写があったり。タイトルにじ〜んときたり。癒しの時間だった。
短編だからあっけなく感じるものもあったけど、総括的にとても良かった。 -
2022.21
原田マハさん、素晴らしい作品だった。
愛とは何か?
幸せとは何か?
自分を大切に思ってくれている人の存在に気づけるか?
そしてその人たちを大切にしよう。と。
そう優しく教えてくれるような本だった。 -
アラフィフ世代は親のことをいろいろと考えることが出てきますね。
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好きだった話:
•美に理解のあるお父さんが娘に素敵な桜景色が見えるお部屋を残した話
•独身中年女性2人が親問題や仕事に奮闘しながらも、定期的に旅をして人生を楽しむ話 -
原田さんの本の中でも上位に入るくらい好き。
少し切なく、そして心温まる短編小説。
ひとつひとつの短編の中にも、芸術作品の表現、自然描写の表現、原田マハさんだなぁと思う描写がたくさん。
原田さんが書く、親と子の話がとても好き。たとえ仲良しじゃなかったとしても、親への伝えきれてない愛とか、心にきゅっとくるものがある。 -
物語の背景や、芸術が興味深い。
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・きっかけ
人生について考えて、読んでみたいなと思った
・感想
いろんな表現がとっても素敵だったし、建築もアートもちょこちょこでてきてたのしかった〜
「とろりと眠気のヴェールが降りてきて」の表現がすごく素敵だなと思った
どんな人生を歩みたいか…とふと思った時にまた読み返したいな。 -
短編6編のなかで、私が最も惹かれた物語が『最後の伝言』。
平林栄美、妹の真美が、母を見送る葬儀の場面から物語は綴られる。
母のトシ子は、美容師の腕一本で娘2人を育て上げ、亭主を喰わせて家庭を維持してきた。
髪結の亭主の三郎、通称サブちゃんは、これ以上ないぐうたら男で生活力はゼロ。
しかも放浪癖もあり、長期間家を空けて外の女性と過ごす事など珍しくはなかった御仁だ。
ただ一つの取り柄として、そんじょそこいらの俳優などは太刀打ちできないほどの色男で、どんな女性達のハートをも一瞬にさらってしまう程の魅力を擁していた。
そんな男の連れ合いになったトシ子は、C調男のイケメン旦那を一生喰わせて支えるのだと云う矜持を抱き、それを幸せとして噛み締めていた。
娘2人にとってもぐうたらな父親なのだが、子供の頃から超イケメンの父親が自慢だった。
娘たちへの優しさの表れの一つに、時折の帰宅時に手土産として、銀座不二家のケーキを買ってくれたりもした。
そんな優しさもある喪主となるべき父親が葬儀に顔を見せない。
当然喪主として、結婚以来喰わしてくれた髪結の妻を見送るものと皆が思っているにも関わらず、姿を見せない。
葬儀社の担当者から、栄美は喪主の変更を求められる。
さて、この後の展開は⋯⋯。 -
身近なひととの温かみのある交流が描かれていて読みやすかった
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年を重ねてからまた読みたい
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どれもアラフォー独身女性が主人公の短編集。
でも大切な人がいて、大切に思ってくれる人がいる。
外国の描写、食べ物の描写、建物の描写、風景の描写、どれも目に浮かぶようで、いますぐどこかに行きたくなってしまった。 -
読んだことないやと思って買ったものの、読んだことありました。笑
でもあんまり覚えていなかったので、しっかり読みました。
2回目に読んでも、心にじーんときました!
特に1つ目の「最後の伝言」が好きです。
あいにくこういうお父さんではなかったけど、お母さんのお父さんに対する気持ちはすごくよく理解できて。
最後にお父さんも現れてよかった。
短編で読みやすいので、寝る前のちょっとした読書時間とかにオススメです! -
短編集。大人の女性の葛藤。
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神様は、ちゃんと、1人に1つずつ、幸福を割り当ててくださっている
でもね、1番の幸福は、家族でも、恋人でも、友達でも、自分が好きな人と一緒に過ごす、ってことじゃないかしら
メキシコが誇る20世紀建築界の巨匠、バラガンの自邸は、世界遺産にも登録されている
人は、孤独になれる空間を必要としている
人は結局1人なのだと言う言葉がふと胸をえぐるけれど、でも、だからこそ誰かと心と心がつながる瞬間は奇跡的なもんなのだ
あなたを大切に思っている人は、必ずいる。このタイトルは著者から読者への真摯なメッセージなのである -
人と人との関わりをテーマとした短編集。
寝る前に1話ずつ、という感じで読んでいって、読みやすく面白かった。
どの話も、根底には愛情がテーマとなっており、それぞれの個性的な登場人物とともに、いろんな形での愛情表現がみられた。
描写の中で、アートや建築といった美術方面だけでなく、料理が重要なアイテムとして使われているのが印象的だった。 -
みんな誰かとともにいるが、みんなどこか孤独を抱え、だからこその大切を感じる。
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最初に読んだ小説『楽園のカンヴァス』が面白かった、原田マハ。
『楽園のカンヴァス』
https://booklog.jp/users/makabe38/archives/1/4101259615
美術館のキュレーターという過去の経歴を活かした、美術関連の小説、エッセーが印象に残っている作家さんです。
それとともに、何かにチャレンジする女性を描いた小説というのも、この作家さんは多く発表しています。
自分自身も『楽園のカンヴァス』を読んで以降、この方の作品をチェックして読んでいます。
文庫化された作品がないか調べたところ、この作品が電子書籍化されていたので、読んでみることにしました。
6つの作品で構成された、短編小説集です。
共通しているのは、主人公(語り手)が40代の独身女性であること。
そしてその主人公たちが、自らの”大切な人”との関係についてふりかえり、考え、語っていること。
その相手は親であったり、仕事上のパートナーであったりとさまざま。
この年代の女性がどのようなことで悩み、その悩みにどう向き合っているのか。
読者が共感できるような内容になっています。
男性読者の自分にも、自分にとって大切な人とは誰か、その人と自分はしっかり向き合っているか、一緒に過ごす時間を作ろうとしているか、楽しんでいるか・・・などなど、いろいろ考えさせられました。
心境描写等、ステレオタイプに感じる部分もありますが、これも読者の気持ちに寄り添うために、あえてそのような表現を選んでいるのだなと、受け取りました。
この作家さんは近年、精力的なペースで作品を発表をしているようなので、ついていけるように?今後もフォローしていきたいと思います。
『総理の夫』原田マハ
https://booklog.jp/users/makabe38/archives/1/B01MU9LLBK -
身につまされる、なんていうのはマハさんの感想文としてはふさわしくないんだろうけど、自分と同年代の女性が主人公の短編ばかりということでいたしかたない。みんな同じような思いで生きてんだろうなあ。泣けるのは身につまされるからというよりは、マハさんの描写がうまいからだな。