2013年1月11日読了。1972年に刊行された本に90年代に追記が入ったもの。「入門」とタイトルにはあるが、「やれるもんならやってみろ」という、阿久悠による挑戦状と取るべきか。歌謡曲の詞は、作るときに呻吟したり推敲するようなものではない。テレビでも本でも映画でもとにかくハンパなくインプットを増やし日常的にそれを自分の中でそれを熟成させる、かつ仕事の依頼を受けるために作詞以外の仕事もとにかく量をこなす・・・という作業があってはじめて、この人のアウトプットの量・質・現在の地位が実現されたのだな。まあ、この人のように「日本の大衆全体を相手にする」詞を書くのでなければ、また違ったやり方もあるのだろうが。詞において「自分を表現したい」というような欲求はNG、大衆が求めるものを貪欲に嗅ぎつけ、さらにそれを超える・大衆自身が気づいていない欲求を詞によって提案できる、というのが歌謡曲のすごさであり、この仕事の醍醐味なのか。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
ノンフィクション
- 感想投稿日 : 2013年1月11日
- 読了日 : 2013年1月11日
- 本棚登録日 : 2013年1月11日
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