◆◆ ベッドでミステリー ◆◆ 第二十六回
・・・ 第二十六回 「ローマ帽子の謎」 ・・・
今回は初心に返って基礎的な本を……。
なぜかっていうと、たぶんもう、60歳以下の人は本好きでも読んでないだろうから……です。
エラリー・クイーン
「ローマ帽子の謎」
クイーンの第一作め、にしてもうスタイルが完成していた記念すべき作品です。
ローマ劇場でゆすりやが殺される……。
容疑者は観客全員……!
今年は一年生がクラシックに回帰してきている気配があるので(歯ごたえのあるのが読みたい、と言われた)、もしかして大人もそうかも……と思っているのだが、大人はそうそう自分の文化(50代以下は問題解決したくない→犯人が捕まる本格ミステリはイヤ)を捨てられないからダメかね?
まあでも一度読んでみて。
歯ごたえのある文章、論理的に一つ一つ解明されていく過程、は新鮮で快感……かもしれない……。
そうしてこの犯人の動機は今でも泣けます。
いまでも完全に解決しているわけではないけど、1929年当時はどれだけ過酷だっただろうかと思う……。
そのかなりあとにでた“ペリー・メイスン”ものが、とうとう白人しか扱わなかったことを考えると、その点だけでも核心的で値打ちがあった、と思うんだよねぇ。
2018年07月31日
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カテゴリ:
【連載】ベッドでミステリー
- 感想投稿日 : 2018年7月30日
- 本棚登録日 : 2018年7月31日
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