何年前に買ったかはわからないけれど、少なくとも7年以上は、いつか読むから、と手元に置いておいた一冊。再び手に取るきっかけは、角幡唯介「旅人の表現術」。最終章の200人の部隊が17人しか生きのこらなかった激戦の描写は、思ったより淡々としているように感じた。もっとも秋元キャパと取り合ったという、もう死ぬかもしれない、という一枚が雄弁に語っているのかもしれないが。ベトナムの人に関する所感では、現政府や外国勢力など、石にかじりついてでも粘り強く戦って倒すという意志は見られるが、打ち倒した後にどうしたい、という意識は驚くほど希薄、といったところか。50年後の現在でもそうかはわからないが。また、アメリカ軍と南ベトナム政府が農村を破壊するから、皆、北ベトナムの方へ行ってしまう、というのは何をかいわんや。
読書状況:読み終わった
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本・雑誌
- 感想投稿日 : 2017年5月21日
- 読了日 : 2017年5月21日
- 本棚登録日 : 2017年5月21日
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