「鬱の本」つながりで。表題作は、ルー大柴みたくいうと、ハウスをロストしたけど、ワールドをゲットしたということなのかな。子供の頃、隣家の新聞記者の忙しくていつも片付かない、けれど扉の開いた部屋であそぶことに心からのやすらぎを覚えていた主人公が、長じて、片付かない部屋でしかやすらげなくなってしまい、行方のわからなくなった彼を探すうちにホームレスになったと知り。「ああ彼はついに全世界を部屋にしてそしてそのドアを開け放ったのだ」と。他に、世界がもうすぐ終わると知らされた高校生グラフィティ、唐突な田舎暮らしを始めた夫婦の顛末、18歳にして急速に老人化していく女子高校生、文通相手が家出して転がり込んできてはじまるドタバタ、などなど。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
未設定
- 感想投稿日 : 2024年1月13日
- 読了日 : 2024年1月12日
- 本棚登録日 : 2024年1月13日
みんなの感想をみる