(2022/2/4読了分)再読。ひょんなことで傘に入れた芸者の置屋になじみ、お互い情が湧き、しかしこのままでは…と離れようと思ったタイミングで置屋がいづらくなり、いつしか会わなくなり、風のうわさで彼女が病んだ、と知り。文人であり、自ら精神的な廃人と斜にかまえつつ、文壇での外聞は気になり、また”真白だと称する壁の上に汚い種々な汚点を見出すよりも、投捨てられた襤褸の片にも美しい縫取りの残りを発見して喜ぶのだ」といった側面も持ち、と。(2013/3/31読了分)昭和初期の、東京の下町、特に墨田区あたりの情景をありありと目の前にみせてくれるような一品。老境にさしかかった作家と、ふと傘にいれたことから縁ができた芸伎とのやりとりや気持ちの行き来が描かれる。
読書状況:読み終わった
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キンドル
- 感想投稿日 : 2013年3月26日
- 読了日 : 2022年2月4日
- 本棚登録日 : 2013年3月26日
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