リアルプリンセス

  • ポプラ社 (2017年1月12日発売)
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本棚登録 : 642
感想 : 80
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もっとファンタジー色の強い、女子力強めなアンソロジー集かと思っていたら、しっかりと読ませる小説で嬉しかった!
元々ある童話に絡めた話だったということは読後にこのアプリで知った...

・鍋かぶり 
この作家さんはビオレタを読んで以来だけど、軽妙な語り口でするする読めてくすりと笑える。1番御伽話っぽいかも。

・歩く12人の女
こちらも御伽話色あり。商社や広告代理店の男たちだけリアルに俗っぽく、誠実な男性との対比がいかにも物語っぽい。

・ラプンツェルの思い出
これは悲しくて痛いなーと。島に住む孤独な女の子が、病気を抱えた大人の魅力のある美容師に対し運命的な恋だと盛り上がってしまうのは当然だと思う。最後の嘘は、いけないことだけどスカッとした。この作家さんはこういった話を描くのがうまいな。

・正直な彼女
主張がなく大人しい彼女を持つ主人公の前に現れた、個性的で自分の意見をしっかりともつ流されない系の女の子。無い物ねだりをしてしまったのかなんなのか。この主人公もだいぶ流されてますけどね。

・あの人は海を捨てた
初めましての作家さん。この話は1番良かった!
情景が目に浮かび、せつなくて胸が締め付けられた。まこっちゃんがとてもいい仕事をしてる。他の本も読んでみよう。

・夢のあと
まさかの展開。夢で携帯をうまく押せないとか足が進まないとか、あるあるで少し笑った。
目覚めた後のところはほろりときた。我が子の成長は見逃したくないよね...

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2020年8月4日
読了日 : 2020年8月4日
本棚登録日 : 2020年8月4日

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