たけくらべ 現代語訳・樋口一葉 (河出文庫)

  • 河出書房新社 (2022年4月5日発売)
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本棚登録 : 102
感想 : 3
4

ジャケ買い。樋口一葉読みたかった。
訳本だから、どこまで原作のニュアンスが生きているか分からないけど、どの作品も良かった。
以下、ネタバレ含む。




「たけくらべ」
とりあえず文学史で覚えるとしたら、これ。
あと『ガラスの仮面』でストーリー覚えた。
美登利という女の子の、正太に対する気持ちと、信如に対する気持ちが、うまく書き分けられていて、どこか“持てる者”としての傲慢が似合う。
エンディングに花を持ってくる、映像的な清々しさというか、寂しさも良かった。

「やみ夜」
うらぶれた屋敷の主、お蘭が、いつの時点から直次郎を使おうと思っていたかで、印象が変わる。
何をテーマにして良いか難しい作品だけど、不幸であって当然と感じている直次郎が、お蘭のために命をかけ、でも仕損じる所に意味があるような気がする。

他、「うもれ木」「わかれ道」。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 2022年
感想投稿日 : 2022年5月4日
読了日 : 2022年5月4日
本棚登録日 : 2022年5月4日

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