小辞譚: 辞書をめぐる10の掌編小説

  • 猿江商會 (2017年4月4日発売)
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感想 : 13
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「辞書」がテーマのアンソロジー。
デザインも「辞書風」なのが、面白い。

文月悠光【制服の神さま】
辞書に載っている言葉の意味って、よく考えると、表し方が難しいものだよな、と思う。
言葉にした時点で、おそらく元の言葉から、ズレたものが出て来てしまう(気がする)からだ。

そう思うと、辞書を作る側の人は、限りなく大多数の人が頷く意味を表現せねば、と思ったりしているのだろうか。

小林恭二【或る騒動】
写本の際に、間違えた字を潜ませたのだが、それを知った時にはすでに遅し。
原典にあたれず、間違えているという噂のまま、時代を経てしまうというお話。

研究の分野では、間違いすらも考察の対象となる。
一字の違いが、解釈を変えることだってある。
騒動である。

加藤ジャンプ【辞書ラブ】
宅配サービスの王子様に会うために、幾つもの辞書を買い続けるお話。
確かに、辞書、辞典の類って、膨大にある。
そして、スペースを取る。

そんな私も「句読点・記号辞典」が欲しくて、でも、なかなか買えずにカートに保存されたままだ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 2023年
感想投稿日 : 2023年6月11日
読了日 : 2023年6月11日
本棚登録日 : 2023年6月11日

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