こんがり、パン(おいしい文藝)

  • 河出書房新社 (2016年5月13日発売)
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感想 : 55
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あまり読んだことのない方の文章が読めるので、こういうアンソロジーは楽しい。今回一番面白かったのは(文章ではなくマンガなんだけど)犬丸りんさんの「ヤキソバパンの思想」。味わいのある絵がとても良かった。「おじゃる丸」、子どもたちと一緒によく見た。好きだったなあ。亡くなられたのを知ったときはとても悲しかった。

伊藤比呂美さん、佐野洋子さん、岸本佐知子さん、穂村弘さん…、こういうラインナップには本当に嬉しくなる。必ず面白いんだもの。とりわけ心に残ったのが、伊藤比呂美さんによる次のくだり。

「日本語の幼児語では、パンを、『ぱんぱん』という。ぱんぱんたべる? と、こう、あかんぼに身をかがめて、その乳くさいにおいを嗅ぎながら訊きますと、答えはどうあれ、なんですかそこに、ふわふわの子育てが、子育てのきたない部分も、うっとうしい部分も、泣きたくなる部分も、何もかもとけてってしまうような、そんなふわふわの部分が、立ち上がってくるような気がします。しません?」

しますします。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: アンソロジー
感想投稿日 : 2016年7月21日
読了日 : 2016年7月19日
本棚登録日 : 2016年7月15日

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