1本の刀をテーマにしたリレー小説。連作集としての良さはあまり感じられず。1作ずつで見ても好きだった短編は少なかった。
鳴海氏の『犬死将軍』は良作。こちらは馬借と無名な侍の比叡山越えから始まり、どう嘉吉の乱に繋がるのかという構成が巧み。赤松満祐の動機にもって入ってほしいと思ったが(解説で動機は主人公に暗殺を強いられた、とあり、そこでそうだったかと思い至った程度に印象がなかった…)、暗殺シーンの描写と結末、義教と徳川綱吉を類似させる考察も面白いと思った。
もう1作は宮本氏の『明治烈婦剣』。こちらは最近、宮本氏の短編集「武商諜人」で読んだばかり。再読でもやはり良かった。ストーリーは勿論、人物造詣が秀逸だと感じた。
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- 感想投稿日 : 2024年2月3日
- 読了日 : 2024年1月30日
- 本棚登録日 : 2024年1月30日
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