【収録作品】「リノベの女」 東野圭吾/「ある部屋にて」 今村昌弘/「立体パズル」 芦沢央/「叶えよ、アフリカオニネズミ」 青柳碧人/「目撃者」 織守きょうや/「黒猫と薔薇の折り紙」 知念実希人
どれも、作者らしいひねりがある。一方で、既視感のある設定もあって意外性はさほどなく、一定の知名度があれば、このレベルでもいいのだなという印象。
「リノベの女」 高級マンションのリノベを依頼した女性の謎。バーの店主の正体が一番謎、と思ったけれど、『ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人』の人か。
「ある部屋にて」 つれなくなった「恋人」を訪ねた男。突然の訪問を詰られてつい殺してしまうが、そこに彼女に呼ばれたという弁護士が現れる。
「立体パズル」 保育園帰りの母子を襲った元エリートの男。何不自由なく育ち、順風満帆だった彼の犯罪が、地元に住む家族たちに波紋を投げかける。
「叶えよ…」 地雷除去のための研究を続ける施設で起きた爆死事件。地雷に対するソフトな問題提起になっている。
「目撃者」 予定より早く帰宅した夫が見つけたのは妻の他殺死体。隣の部屋では幼い息子が眠っていた。「ママ、いたいいたいだからねんねしている」というその子の発言がもたらす波紋。
「黒猫と…」 黒猫に擬態した死神レオの話。子宮頸がんワクチン普及を訴えたいのだろうが、説教臭くて残念。肝心の謎部分は想像がつくので、もってまわりすぎていて、くどい。正直、ためにする話という感じ。続きは『死神と天使の円舞曲(仮)』でと引っ張るのが残念。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
ミステリ
- 感想投稿日 : 2022年10月17日
- 読了日 : 2022年10月17日
- 本棚登録日 : 2022年10月17日
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