まだ上巻しか読めてないけど面白い。
ロシア文学、「罪と罰」しか読んだことがなく、あの重苦しくて隅から隅まで詰めてくる空気感が恐ろしく、避けていた時間が悔やまれる。あれはロシア文学の特性じゃなくて、ドフトエフスキーの特性だったのか。知ってたらもっと早くに読めたのに。
登場人物それぞれに起こる出来事や心の移り変わりが楽しく、ロシア貴族たちのすれっからした会話の感じも面白い。でも一番好きなのはリヨーヴィンが自分の村へ帰った後の春のシーン。土と空気とそこに芽吹き始める生命力。そしてそのうららかなぬかるみで活動し始める人たちに息づく明るさが甘すくことなく表現されていて、100年以上前に誰か(ってトルストイだけど)が書いた言葉をこんな風に読めることに、名作の凄みとありがたみを改めて感じる。
読み始めるときは長いしちょっと嫌やな、と思ってたけど、今はまだまだ先があることが嬉しくなっている。中をまた読み進めるのが楽しみ!
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
未設定
- 感想投稿日 : 2021年5月13日
- 読了日 : 2021年5月13日
- 本棚登録日 : 2021年2月4日
みんなの感想をみる