アリス殺人事件: 不思議の国のアリス ミステリーアンソロジー (河出文庫 あ 26-1)

  • 河出書房新社 (2016年6月7日発売)
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アリスをモチーフにしたアンソロジー。アリスと火村がかつて逮捕した犯人の電話に振り回される『ジャバウォッキー』(有栖川有栖)、強盗殺人事件の犯人として追われている弟の、お金に困っていた理由が知りたいという姉の依頼を受けることになった蓮見探偵事務所。『白い騎士』(宮部みゆき)高校生の頃、友人に頼まれて彼とともに彼のネット上の恋人と会った。しかしその恋人は秘密を抱えたまま彼らの前で自殺してしまった。『DYING MESSAGE《Y》(篠田真由美)突然謎の空間に迷い込んでしまった宇佐美博士。そこは地の文で思い浮かべたことが現実になってしまったり、濁点を奪われてしまったりと言葉に支配された不思議な世界だった。そこでの殺人事件の探偵として招かれた宇佐美博士は謎を解こうと奮闘する。『言語と密室のコンポジション』(柄刀一)不可思議な空間で相対する三人の人物。植物学者に心理学者、作家の三人は、もう1人存在するはずのアリスについて各々の持論を展開する。『不在のお茶会』(山口雅也)鏡の国のアリスの舞台を演じているうちに不思議な世界に迷い込んでしまった女優は、その世界から脱しようと試みるが……。『鏡迷宮』(北原尚彦)

前半はアリスモチーフをちょいと取り入れたミステリー。後半はアリスのような不可思議世界に迷い込んだ系ミステリー。アリスに造詣が深い訳ではないのと後半みんな初読み作家さんだったのとで、前半の方が楽しめたけど柄刀氏のは不可思議ながらもきっちりしていて慣れたら楽しかった。宮部さんはこの長さでドラマが過不足なくちゃんとしているのがさすが。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2018年9月22日
読了日 : 2018年9月22日
本棚登録日 : 2018年9月22日

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