志乃ちゃんは自分の名前が言えない

著者 :
  • 太田出版
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本棚登録 : 1129
感想 : 109
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784778321802

感想・レビュー・書評

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  • 吃音症の主人公の志乃ちゃんが悩みを抱えながら志乃ちゃんなりに頑張る漫画。押見の描くキャラの表情はダントツで、この年代の悶えるような感情がひしひしと伝わる。伝えたい想いがいっぱいあるのにどうしても出ない言葉。そんな志乃ちゃんの健気さが余計切なくなる。しかし、どこか爽やかな青春物語。

  • 2013/12/7売却

  • 面白かった。

    押見修造さんの書く漫画は読みやすくて好き。
    1話に1エピソード(1つの見せ場といったほうがいいかも)で、どんどん読み進めたくなる。

    「吃音」をテーマにした作品といえば、「金閣寺」が真っ先に頭に浮かぶ。

    加世ちゃんは、吃音を気にせず志乃と話してくれる理解者という点では鶴川のようで、芸術という人生の楽しみを教えてくれた点では柏木でもある。

    最終話で
    志乃ちゃんは自分の思いを叫ぶ。

    「なんで言えないの」
    「緊張してるから?打ち解けないから?そんなの関係ない」
    「くやしい」「不公平だよ」「喋れさえすれば私だって」
    「バカにしないで」「こわい」
    「だから逃げた」
    「でも私が追いかけてくる」「私を恥ずかしいと思ってるのは」
    「全部私だから」
    「私は・・」

    「大島志乃だ」「これからもずっと私なんだ!」


    恥ずかしいと思っているのも大島志乃だし、どもっているのも大島志乃。
    両方を受け入れることで、志乃ちゃんはようやく「人生」をスタートさせたところ。

    めでたしめでたし。・・・ではなく、本当にしんどいのは
    これからってことを忘れてはいけない。

    真の意味で生きるために、溝口が金閣寺を燃やしたように。

  • 素晴らしい

  • 誰にでも人には言えない、触れられたくないコンプレックスはあって、ずっとそれと付き合って生きていかなくてはならない。

    自分は生まれつき喉が弱く、出しにくくて掠れた声がずっとコンプレックスだったけど、最近はこれも味かと思えるようになった。

    自分は自分でいいんだと思えるようになる作品。
    多くの人に読んで欲しい。

  • 作者自身の経験を元にした話。吃音症で困ることは多かったけれど、おかげで人の表情に敏感になっていまの漫画家としての作者があるそう。

  • 旨くしゃべれない志乃ちゃんのもどかしさと、がんばりがとても伝わってきて最終話の文化祭のシーンにジーンときました。

    とても歯がゆくて、でも最後に幸せそうな志乃ちゃんがいて、すっきりとした読後感で良かったです。

    あとがきを読んで押見さんの作品の見方が少し変わりました。

  • 著者が自身の吃音体験を元に描いた、暗くならないあくまでもどかしくはあっても前向きな主人公や友達たちの等身大の描写がいい。自己紹介で自分の番が回ってくるまでの緊張、初めての友達との出会い、人とつながろうという意志が芽生えるたびに苦しみ自分を責める、自分から逃げる。吃音だけに限ったことではない、コミュニケーションで苦しい思いをしているすべての人が、自分事として主人公の姿に共感できると思う。

  • 志乃のコンプレックスは、別の形でみんな何かしら同じ様なことは体験していて、いやぁもうみんな可愛い。
    志乃が走るシーン最高に可愛い。少女は生き急いで走れ!

  • 上手く喋れない女の子の苦悩が嫌というほど伝わってくる。
    ささやかな幸福から思春期の少女には辛すぎる問題へと移ろう過程がすさまじく胸が痛む。
    リアル。でした。
    あと、押見さんファン(にわか)としては、あとがきがとても面白かったです。
    これが押見さんの根源の一つと言えるのかもしれません。

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著者プロフィール

★漫画家。2002年、講談社ちばてつや賞ヤング部門の優秀新人賞を受賞。翌年、別冊ヤングマガジン掲載の『スーパーフライ』にてデビュー。同年より同誌に『アバンギャルド夢子』を連載した後、ヤンマガ本誌にて『デビルエクスタシー』などを連載。2008年より漫画アクションに連載した『漂流ネットカフェ』は、テレビドラマ化された。翌2009年より別冊少年マガジンにて『惡の華』を開始し、大好評連載中。

「2011年 『NEMESIS No.5』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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