夢十夜 他二篇 (岩波文庫 緑 11-9)

著者 : 夏目漱石

• 岩波書店 (1986年3月17日発売)

感想・レビュー・書評

[なおさんの感想 · 2010年3月22日]

みんな大好き夢十夜。私が紹介するまでもなく最高です。上手いことがいえませんが…第七夜が好きです。

[H.Satoさんの感想 · 2010年3月11日]

自分はこのときはじめて、人の海におぼれたことを自覚した。この海はどこまで広がっているのかわからない。しかし広い割には極めて静かな海である。ただ出ることができない。右を向いてもつかえている。左を見てもふさがっている。後ろを振り返ってもいっぱいである。それで静かに前の方へ動いていく。ただ一筋の運命よりほかに、自分を支配するものがないかの如く、幾万の黒い頭が申し合わせたように歩調を合わせて一歩ずつ前へ進んでいる。
今のような善知善能の金を見ると、神も人間に幸さんするんだから仕方がないかな。現代の神は野蛮だからな。

[harukaze7さんの感想 · 2010年3月5日]

第一夜が素敵。

[ちこさんの感想 · 2010年2月24日]

面白いものは売れるってことすよね

[いちごたるとさんの感想 · 2010年1月7日]

夏目漱石の中では夢十夜が一番好きです。
掌編だけど深みがあって，どの作品からも抜け出せない。
上品なこの世界に浸るだけで，大人になれるような気がします。
‘苦悩する知識人’な漱石じゃないところが，取っつきやすい。

[hurarismさんの感想 · 2009年12月27日]

第一夜。あまりの美しさに鳥肌です。

[縁さんの感想 · 2009年11月30日]

「女は長い髪を枕に敷いて、輪郭の柔らかな瓜実顔をその中に横たえている。」・・・この文だけで、カラーの映像がクリアに浮かび上がってきませんか？　難しい言葉はひとつもなく、ひとつひとつの文は短いのに、圧倒的な描写力。さすが漱石先生。洗練された美しい日本語で綴られた短編は、夢オチゆえにサラサラ読めて堅苦しくない。薄い本なのでいつも手許において気軽に読めます。

[tsutomu1958さんの感想 · 2009年10月24日]

夢十夜の不思議な世界をご堪能あれ！
漱石はフロイトを読んでいたのであろうか？

[葉月さんの感想 · 2009年8月5日]

「こんな夢を見た。」から始まる１０コのお話。
どれも３〜４ページほどしかないのですが、ゾクリとしたり、不思議な話だったりで面白かった。
『文鳥』『永日小品』もなかなかおもしろかったですが、夏目家で飼われるペットたちは悲惨だなーと思ってしまいました。　・・・フィクションですかね？？（苦笑）
『永日小品』の『火鉢』という話が好きです。
読む前と読んだ後では漱石に対する印象はだいぶ変わると思います。想像していたよりももっと庶民的で人間くさい人なんだと。。

[素月ながめさんの感想 · 2009年7月28日]

漱石を教科書以外で始めて読みましたが、こんなにロマンチストだったとは。
まるで夢見る乙女です、目の中にはきっと星が瞬いてるんだ。と思ってみたら、
永日小品であ、この人そういえば凄い人だった。と再度確認

著者プロフィール

1867（慶応3）年、江戸牛込馬場下（現在の新宿区喜久井町）にて誕生。帝国大学英文科卒。松山中学、五高等で英語を教え、英国に留学。帰国後、一高、東大で教鞭をとる。1905（明治38）年、『吾輩は猫である』を発表。翌年、『坊っちゃん』『草枕』など次々と話題作を発表。1907年、新聞社に入社して創作に専念。『三四郎』『それから』『行人』『こころ』等、日本文学史に輝く数々の傑作を著した。最後の大作『明暗』執筆中に胃潰瘍が悪化し永眠。享年50。

「2021年 『夏目漱石大活字本シリーズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」