- Amazon.co.jp ・本 (177ページ)
- / ISBN・EAN: 9784003105047
感想・レビュー・書評
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ずっと読んでみたかった本のうちの1つ。
文学史にも登場するほどの
有名な作品。
だが内容は読みやすく
今の年齢の私には共感を覚える文章が多い。
友情と恋愛。
男と女…。
これは永遠のテーマなのかもしれない。
しかし人間は、一人一人ちがう。生き方も、目指す場所も。
もし親友の好きな人を好きになってしまったら。
葛藤しつつも
やはり選ぶのは恋愛なのか。
ただ、結果的にそうだとしても、この作品はそれだけでは終わらない。
本当の"友情"それがわかってるからこそ、
友人のためにできること、
友人の将来
そこまで考えての結論だと。
そうまとまってるのが素晴らしかった。
この作品のタイトルが"恋愛"でなく"友情"であること。
その意味がラスト数頁で身に染みた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
"固い友情
親友が恋した相手に迫られ、惹かれる
結局二人はくっつき、絶望からの再起を誓う主人公" -
ラスト2ページが最高!ここまで後腐れのないバッドエンドははじめてだ。くよくよしないで全てを養分、エネルギーにして次に進むべきだと悟った。ストーリーができすぎるのもいいでしょ
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5/22
展開が読めてしまうのは、この作品がそういった類型の祖にあたるからだろうか。
本作だけを対象とするとどうしても評価が低くなってしまいそうだ。 -
俺は全世界を失ってもお前を失いたくない。だがお前と一緒に世界を得れば万歳、万歳だ。ぐっときます。
要所要所で感じられる野島の孤独が心に染みる。友情と恋愛は永遠のテーマだと思いました。 -
夏休みといえば日本の名作、ということで。
実家にあったので読みました。
えもいわれんね。 -
小学6年生のとき、初めて読んでから何度となく節目節目に読み返しています。
実篤が心にはいってきているとき・・・。
心がピュアなときです。
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世の中には二種類の人間がいる。
いくつになってもピュアな魂を失わない人間と、
恋愛とはしょせんセックスのことだと訳知り顔に割り切っている人間。
憧れることの輝かしさと痛みをする人間と、
目の前の現実しか見ない鈍感なエゴイスト。
要するに、 武者小路実篤を、わかる人間と、わからない人間。
(武者小路実篤「友情・初恋」(集英社)の三田誠広さんの鑑賞―ピュアな魂、武者小路実篤の魅力より)
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白樺派文学を代表する武者小路実篤の傑作。
この作品を筆者は,「全部想像で書いた」と解説に記している。
素直に凄いと思える。
僕は,大抵のことは凄いと思わないけど,この作品を全て「想像」で書いてしまう作者は,やはり大正の怪物といえる。
青春小説に代表される本書は,いつの時代になっても色褪せることはないはずだ。
野島が愛する杉子,そして野島と大宮の清廉とした友情,その友情の狭間で悩み苦しむ大宮・・・。
男なら誰しも友情と恋愛の狭間に立たされるこういった想いは感じるはず。
上篇,下篇の二構成で出来た「友情」。
そのどちらもが,スパイスの効いたおいしい内容になっている。
この作品を読まなければ,人生の半分は損をしてるんじゃないかななんて大袈裟に思ってもみた。 -
友情と恋の物語。
ドロドロしていないが、考えさせられる。
野島、杉子、大宮
誰の気持ちも想像できる。
3人とも、これ以上どうしようもない。
私が彼らのような立場にいたらどうしていただろうか。 -
青年達の志の高さや思想の深さ。妄想やひとりよがりな恋心、友への尊敬と嫉妬の間の葛藤。
想う相手の一挙一動に過敏になり、自分本位な極端な未来を妄想するところの詳細な表現に、リアリティと、時代を超えた人間の心の不変性を見た。
杉子の野島への評価は率直すぎて苦笑いしてしまった。大宮は、結局友情よりも女を取ったといっても、彼がその葛藤に正面から向き合って、その葛藤をほぼそのまま何のエゴもなく野島にさらけ出していて、私も野島と同様、大宮に感服せざるを得なかった。
しかし、やはり野島は気の毒だ。孤独が彼の才能をより引き出すだろうとは言っても、一個の人間として孤独はやはり辛いものだろう。