- Amazon.co.jp ・本 (174ページ)
- / ISBN・EAN: 9784003231517
感想・レビュー・書評
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白い牙で名高いジャックロンドンの描く犬の数奇な運命。古い新潮文庫版が手元にはある。
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以前、インタビューのお相手に「生涯で最高の作品」として薦められた一冊。
うん、確かによかった。
シートン動物記のロボを思い出しましたね。
でもあの時よりもっと人間を感じたのは、作品の内容なのか、それとも私の内面なのか・・・
登場する人物の姿だけでなく、バックにもヒトを感じたのです。
ずっと経って読み返すときには“労働”が気になるのかもしれないし、
短い話ですが、考えさせられる事の多い物語です。 -
バックは新聞が読めなかった。
からで始まり、まさか主人公が犬だとは思わず、驚いた。 -
白い牙でもよい
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動物文学の古典。
何十年ぶりかで読み返したもの。面白い。
南部の裕福な邸宅で、家庭犬として何不自由なく育ったバックが、貧しい使用人の借金のカタに盗み出され、流れ流れてカナダ北部の酷寒の地でそり犬となり、厳しい環境に適応するうちに、忘れていた野獣としての本能に目覚めていくようすを描いています。
先住民族に関する見方など、時代の制約を受けた部分もあるとはいえ、作家自身が見聞した事実に基づいたリアルな描写、ヒトも犬も野性をむきだしにして大自然と格闘し、かつ調和してゆくという、今どきのご都合主義エコロジーの対極ともいえる自然観に圧倒されました。
飼いならされたのんきなお坊ちゃんから、自分自身の意志に目覚め、持ち前の知恵と力で運命を切り拓き、たくましく成長していくバックの美しい姿が、作者の文明批判・格差批判に重なっているようです。 -
犬という種の持つ特性についてミクロな視点で描写したのが「白い牙」であるならば、本作はよりマクロな視野を持つ作品であるように感じられる。また、人間への洞察にも同様の構造を持つように思う。
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犬という種の持つ特性についてミクロな視点で描写したのが「白い牙」であるならば、本作はよりマクロな視野を持つ作品であるように感じられる。また、人間への洞察にも同様の構造を持つように思う。
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もし犬を飼うとしたら、絶対バックって名づける。