武士道 (岩波文庫 青118-1)

制作 : 矢内原忠雄訳 
  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (159ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003311813

感想・レビュー・書評

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  • 1938年に第1刷が刊行されて以来、2012年には第99刷が発行されるなど、多く読まれてきた日本人の手引書。

  • 2014年1月読了

  • 五千円札の人の啓蒙書。最初、海外向けに「日本人とはこういう人種です」と説明するための本だったそうな。それを和訳して国内でも出版したもの。そんな背景があったせいか英文直訳調のため、読みづらかったです。漢文候文混じりの格調高い文体は良いが、まわりくどい表現が多すぎるのには非常に閉口した。

    個人的な好みでいうと、あまり好きではなかった。精神論が主流で理性に欠けているように感じる。(私が理系だからそう感じるのかもしれないけど)、だいたい新渡戸さんて武士道はこうです!!と非常に美しく滔々と述べ立てているけど、彼、武士じゃないでしょ。
    思うに、明治期のそこそこ学識ある文人て、武士道大和魂を美化しすぎてる傾向があるよね。(もちろん理性的な目を向けていた人もいるが。)と、批判的に書いてしまったが、やっぱり名著と言われるだけのことはあるな、と思ったのは、
    近代化され個人主義・利己主義が世間に浸透つつあるなかで、
    「武士道の将来とは?」と日本人の精神の未来像に筆を及ばせていた点でした。
    私個人の考えですが、自由主義や個人の幸福を追求する権利と、武士道は互いに並立できない(難しい)と思う。しかしながら武士道こそ日本人の優れた倫理であり社会の規範であり、武士道が失われることに対する危機感は新渡戸先生同様、私にもあります。
    今後この社会のなかで武士道がどのように、新時代にフィットしていくのか。
    大いに期待するところです。

  • 外国人にとっては日本人の行動基準を知るいい本になるだろう。

    また、自分を含め、日本人にとっても自分の日本人としての価値観や行動基準の源泉を確認するためのガイドラインとなるだろう。ただ、現代の日本人にとってはその精神をまだ自身の内に感じることができるのだろうか。自分は確かにその残滓がまだあることを実感するし、周囲の人たちを見ても確かにある。盲目的に伝統や古の教えを受け入れることは危険も伴うが、この武士道という精神は時代に応じて姿を変化させながらも、そのコアの部分は守る価値のあるものだと思う。

  • 「武士道」と巷ではよく言われているが、
    あまたある雑多な思想を武士道という一つの体型に纏め上げたおそらく最初の書がこれであろう。

    日本思想の特色として”宗教”がないということがしばしば挙げられているが、
    日本版宗教という地位をあえて設けるのであれば、おそらく武士道がそれにあたるのではないかと感じる。

  • 最善の道は最も経済的であると同時に最も優美なる道である。

    アメリカ人は贈り物を受け取る人に向かって誉めそやす
    君は善い方です、善いものでなければ、私はあえてこれを君に送りません。善いもの以外のものを君に贈るのは侮辱ですから


    日本人は
    君は善い方です、いかなる善きものも君にはふさわしくありません。この品物をもの自身の価値のゆえにではなく、印として受け取ってください。それをば君にかなわしきほどにいいと呼ぶことは君の価値に対する侮辱であります。

    一つの動作、言葉にもそれぞれ深い意味があって、一見真逆のことを言っているようで結局どちらも言いたいのは
    「君は善い方です」というおんなじことだっていうのが面白い!


    p87忠義について、菅原道真の話

    p101克己について、疑問を感じる

    p125武士道の窮極の理想は平和

  • 矢内原忠雄の格調高い訳文が心によく残った。武士道を桜に例えた「武士道の感化」の筆致は素晴らしいものでした。また弓道をやる身としては「礼」の章も参考になった。

  • これからも日本人が依るべきものは武士道にあると考える。
    また、武士道は平和を求めるものであると以前から感じていたが、この書籍でもはっきりその旨記述等されていて感動した。
    これからいかにして自分を律していくか、子供へどういう理念を以って接していくかの道標となりうると感じている。

  • 映画『ラストサムライ』を観る前に読みました。また読み返したい。

  • "今日の1冊は武士道です。
    新渡戸稲造さんが1899年に書かれた本。。
    今までも何度も読んでいます。"

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著者プロフィール

1862年南部藩士の子として生まれる。札幌農学校(現在の北海道大学)に学び、その後、アメリカ、ドイツで農政学等を研究。1899年、アメリカで静養中に本書を執筆。帰国後、第一高等学校校長などを歴任。1920年から26年まで国際連盟事務局次長を務め、国際平和に尽力した。辞任後は貴族院議員などを務め、33年逝去。

「2017年 『1分間武士道』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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