日本の思想 (岩波新書 青版 434)

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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004120391

感想・レビュー・書評

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  • 2016/11/12

  • 161025読了

  • 寝る前のフォトリーディング。前半は論文で、後半は講演をまとめた者だそうだ。評判では「であること、すること」の章が良かった。前半は分かりづらくて不評であった。フォトリーディングではなにも感じ取ることはできなかった。

    高速リーディング。
    ササラ型文化とタコつぼ型文化。ササラは竹のささらで元が一つ。西洋はギリシャローマの歴史が根底。日本は何事も蛸壺化する。タコツボではリーダーは自分が被害者の意識を持ち、劣等意識の中で物事を対処。官僚組織がその例。彼らが自分中心に行動するのは、自分たちが巨大な組織で支配者であることを意識できず、常に被害者で自己防衛的な対処をするゆえ。

    「である」ことと「する」ことについてはさほど理解ができなかった。

  • ※第100刷でフォントサイズが大きくなったため、総ページ数も変更。目次も新しい方に変更している。
     1961年11月20日 第1刷発行
     2014年11月13日 第100刷改版発行


    【目次】
    目次 [i-vi]

    I  日本の思想 001
      まえがき
    日本思想史の包括的な研究がなぜ貧弱なのか/日本における思想的座標軸の欠如/自己認識の意味/いわゆる「伝統」思想と「外来」思想/開国の意味したもの
      一  
    無構造の「伝統」その(一)――思想継起の仕方/無構造の「伝統」その(二)――思想受容のパターン/逆接や反語の機能転換/イデオロギー暴露の早熟的登場/無構造の伝統の原型としての固有信仰/思想評価における「進化論」
      二 
    近代国家の基軸としての「國體」の創出/「國體」における臣民の無限責任/「國體」の精神的内面への渗透性
      三
    天皇制における無責任の体型/明治憲法体制における最終的判定権の問題/フィクションとしての制度とその限界の自覚/近代日本における制度と共同体/合理化の下降と共同体的心情の上昇/制度化の進展と「人情」の矛盾
      四
    二つの思考様式の対立/実感信仰の問題/日本におけるマルクス主義の思想的意義/理論信仰の発生/理論における無限責任と無責任
      おわりに

    II 近代日本の思想と文学―― 一つのケース・スタディとして 073
      まえがき
    政治‐科学‐文学
      一 
    明治末年における文学と政治という問題の立てかた/文学の世界をおそった「台風」/「社会」の登場による走路の接近/マルクス主義が文学に与えた「衝撃」/文学者に焼付けられたマルクス主義のイメージ/昭和文学史の光栄と悲惨/政治(=科学)の優位から政治(=文学)の優位まで
      二 
    プロ文学理論における政治的および科学的なタータリズム/政治的と図式的/政治過程におけるエモーションの動員/政治における「決断」の契機/思考法としてのトータリズムと官僚制合理主義/政治の全体像と日常政治との完全対応関係/方法的トータリズムの典型/政治(=科学)像の崩壊―転向の始点と終点/日本の近代文学における国家と個人/「台風」の逆転と作家の対応の諸形態/旧プロ文学者における文学の内面化と個体化/対立物(文学主義)への移行契機
      三
    文化の危機への国際的な対応/各文化領域における「自立性」の模索/政治・科学・文学における同盟と対抗の関係/科学主義の盲点/トータリズムの遺産の否定的継承/「意匠」剝離の後に来るもの
      おわりに

    III 思想のあり方について 137
    人間はイメージを頼りにして物事を判断する/イメージが作り出す新しい現実/新しい形の自己疎外/ササラ型とタコツボ型/近代日本の学問の受け入れかた/共通の基盤がない論争/近代的組織体のタコツボ化/組織における隠語の発生と偏見の沈殿/国内的鎖国と国際的開国/被害者意識の反乱/戦後マス・コミュニケーションの役割/組織の力という通念の盲点/階級別にたたない組織化の意味/多元的なイメージを合成する思考法の必要

    IV 「である」ことと「する」こと 169
    「権利の上にねむる者」/近代社会における制度の考え方 /徳川時代を例にとると/「である」社会と「である」道徳/「する」組織の社会的擡頭/業績本位という意味/経済の世界では/制度の建て前だけからの判断/理想状態の神聖化/政治行動についての考え方/市民生活と政治/日本の急激な「近代化」/「する」価値と「である」価値との倒錯/学問や芸術における価値の意味/価値倒錯を再転倒するために

    あとがき(一九六一年一〇月 丸山眞男) [201-213]

  • 何とか読み終わったという感じだ。よく言われるように彼の主張は多少違和感を持つところもあるが、今なお色褪せない部分も多い。だがそれを読むと理解仕切れない。だからどうにかして読めたという感覚が強い。今後改めてこの作品を読むのか、読まないのか。読まないならそれは面倒くさいからか、それとも彼の考えが古臭くなったからか、それが問題だ。

  • 大崎Lib

  • 日本の思想
    図書館で借りて読みましたが、やはりこれは自分で持っておくべき書だとおもいました。いつも自信を戒めることができるように。

    気になる語句
    「である」ことと「する」こと の章にて
    173 「プディングの味は食べてみなければわからない」
    プディングの「属性」として味が内在していると考えるか、それとも食べるという現実の行為を通じて、美味かどうかそのつど検証されると考えるかは、およそ社会組織や人間関係や制度の価値を判定する際の二つの極を形成する考える方

    190 「民主主義」
    やや逆説的な表現として、非政治的な市民の政治的関心によって、また「政界」以外の領域からの政治的発言と行動によってはじめて支えられるといっても過言ではない。

    193
    「世の中にむつかしきことをする人を貴き人といひ、やすきことをする人を賤しき人といふなり。本を読み、物事を考へて世間のために役に立つことをするはむつかしき事なり。・・・」
     「日々のおしへ」福沢諭吉先生を読もう、後世にかように語れるように

  • 日経womanにて「ベストセラーしか読まない人は薄っぺらく見える」的な文章があり
    紹介されていたこの本をそっこー読んだ。
    結局他人のおすすめを読んでいる時点でベストセラー拾い読みと同じことをしているのだが、まぁいいだろう。
    ちょっとは厚く見えるようになっただろうか…(鏡に映る自分の姿はしっかりと厚みあり。)

  • 「である」ことと「する」こと

  • 半世紀以上前に書かれた論文だが、日本人はいまだにタコツボの中で閉じこもっている気がする

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著者プロフィール

1914年大阪に生まれる。1937年東京大学法学部卒業。1940年助教授、1950年教授。1961-62年ハーバード大学特別客員教授。1962-63年オックスフォード・セント・アントニーズ・カレッジ客員教授。1971年退官。1975-76年プリンストン高等学術研究所員。1996年8月15日歿。主要著作『政治の世界』(1952)『日本政治思想史研究』(1952)共編『政治学事典』(1954)『日本の思想』(1961)『増補版 現代政治の思想と行動』(1964)『戦中と戦後の間』(1976)『「文明論之概略」を読む』(1986)『忠誠と反逆』(1992)『丸山眞男集』全16巻・別巻1(1995-97)『丸山眞男座談』全9冊(1998)『自己内対話』(1998)『丸山眞男講義録』全7冊(1998-2000)『丸山眞男書簡集』全5巻(2003-04)『丸山眞男回顧談』全2巻(2006)『丸山眞男話文集』全4巻(2008-09)『丸山眞男話文集 続』全4巻(2014-15)『丸山眞男集 別集』全5巻(2014-)『丸山眞男講義録 別冊』全2冊(2017)。

「2018年 『戦中と戦後の間[新装版]』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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