平安女子の楽しい!生活 (岩波ジュニア新書)

著者 :
  • 岩波書店
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感想 : 78
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784005007721

作品紹介・あらすじ

おしゃれに恋バナ、占いや進路…。平安時代の女子たちも、私たちと同じように、楽しみ、悩みながら生きていました。この本では、そんな彼女たちの日々をのぞきつつ、古典を読むのに必要な、インテリア&ファッション用語、恋のお作法の基本が学べます。

感想・レビュー・書評

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  • 面白かったですね。
    これを糧に谷崎潤一郎版源氏、頑張って完読‼️

  • 平安時代の女性たちの日常が分かりやすく説明されています。女性と男性の服装アレコレや、なぜ和歌ばかり送りあっていたのかとか。即レス厳守だったのは驚きました。現在の習慣も例にあげられているので、それが当時はこうだったのか!と楽しく読めました。

  • とんでもない良書です。
    私は女の人が夫の3歩後ろを歩くとか政治の道具になるとかいうことにとっても嫌悪感を感じてしまうので、平安時代はどうかなぁイライラしないかな…と思いながら読み始めましたが、めちゃめちゃ楽しく読めました。
    そして、ただ抑圧されて苦しんでいる生活でもなかったのかなと思いました。
    女性は女性なりに宮仕えにでて働いてみたり、和歌の力で駆け引きをしたり、帝の母親になれる可能性があったり、色々なことを考えて積極的に生きていたんだなあ。
    文章自体がとても分かりやすくて面白く、平安女子の世界に引き込まれました。挿絵も多くて良かった。

  • 平安時代の貴族(特に女子)の生活を、インテリア&ファッション・ラブ・ライフの面から紹介する。
    古文は一切なし、文(手紙)は「メール」、日記は「ブログ」と表記するなど、若者が平安人を身近に感じられるように工夫されている。

    「寝殿造りバーチャルツアー」「重量級ファッションに命がけ!」「イケメンは美文字」「ちらっと見てどっきり」「即レスはメールの命!」「最後に見せるギャップが鍵」「オフィスのいじめをかわす方法」「未送信箱から浮気発覚」等々、現代人も共感を持ったり、興味をそそられる内容がいっぱい。

    平安ファッション女の子編は、着るものを下着から詳しく紹介していますが、モノクロ文庫本サイズが悔しいところ。でもこれで、わが家のお雛様の衣装の秘密もわかりました。

    ファッションや恋愛等しか扱っていないし、語り口が軽いので、ノンフィクションにしては弱いけれども、あの時代を身近に感じて理解する入門書にはよいのではないかと思われます。

  • 先生から勧められたのでどうなんだろ?と思ったのですが普通に面白かった。
    めちゃくちゃわかりやすくて初めて知った知識も沢山あった。何より作者さんの語りがいいなぁと思ったかな〜面白いセンセの授業みたいな感覚だった。

  • およそ1000年前の貴族女性の生活を、しっかり現代に引き寄せた表現で紹介する。

    平安貴族女性の生活圏の狭さがよく分かる。
    庭と季節とファッションと男性と宮中の噂話が、人生の全てになってしまうのもうなずける。


    一方で、世の中の大多数は農業を行う庶民女性であるという視点も、少し有っても良かったのではないかと感じた。

    本書は限られた特権階級の生活である。

  • 当時の文のやり取りが
    今でいえばメールやラインだとすると
    短い言葉で 気持ちをやり取りしたり
    ちょうどニュアンスに合うような
    スタンプを選んだりするのと似てる
    和歌を詠み 季節の花につけ送った平安時代
    すごく身近に感じますよ

  • たぶんコロナ前に見つけて買ってた本。途中まで読んでなんとなーくそのままにしてたのを、この機を逃しては…と最初から改めて読んでみた。
    大河『光る君へ』のおかげもあるだろうな、紹介される平安の人々がにわかに生き生きとしてる姿が思い浮かんで、一気に読んでしまった。多少の時代(年齢)のズレはあるかもしれないけど、これまで見てきた俳優さんたちがイメージされた。
    現代の言葉を多用して、若者に語りかけているから、もしかしてそういうのに馴染めない方々には不評かもしれないけど、私は好きだな。学生さんに教わったとのことだけど、流行りモノに敏感な先生のお人柄が偲ばれる。
    蜻蛉日記や和泉式部日記、更級日記、もちろん源氏物語や古今和歌集から引用してあるけど、全部現代語訳で、原文はなし。まぁ、後で探し良いように注(参考文献)とかつけててもらっても良いかな…とは思ったけど、おかげで普段あまり関心のない人には抵抗が少ないのかも⁇そうなのよね、原文に当たることは大事ではあるけど、古典を学ぶ…というか知るということは、そこに生きた人たちの生き様や思いを受け取ることだから、第一段階としてはこだわらなくても良いんじゃないかな⁇
    若者だけでなく、若者をとうに過ぎた年代の私にも胸に響いた先生の言葉があって、ちょっと贔屓したとこはあるけど、最高評価とさせてもらいました。

  • タイトルの「○○女子」記述があんまり好きじゃないけど内容は結構いい。勉強になる。

  • 図書館で見つけてこれは面白そうと飛び付いて借りてきたが、とても良かったのでやっぱり買おうと思う。

    元から古文が好きで参考書を読んだりしていたが、今までぼちぼちと詰め込んだ単なる知識が本書によって立体的に、現実的になって飛び込んできたように感じる。
    例えば平安時代の男性のおしゃれは「萎え装束」で、パリッとしたものより糊が取れている方がこなれた感じでおしゃれというのが現代にも通じていて、ファッションの流行や捉え方って今も昔も同じようで嬉しくなった。
    他にも牛車が二階建ての高さがあると知って驚いたり!

    ただ欲を言えば、和歌や引用文は古文でも載せて欲しかったかな。
    元の文を読みたいと思っても、上手く探せるほどこちらもまだ古文に精通しているわけではないのでちょっと厳しい。

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著者プロフィール

昭和三十一年、東京生まれ。武蔵野大学教授。立教大学大学院文学研究科日本文学専攻博士課程後期課程修了。博士(文学)。活水女子大学助教授、新潟産業大学教授を経て、現職。

【著書】
単著に『蜻蛉日記の表現と和歌』(笠間書院、平成十年)、『新版 蜻蛉日記Ⅰ(上巻・中巻)』・『同Ⅱ(下巻)』(角川ソフィア文庫、平成十五年)、『王朝生活の基礎知識--古典のなかの女性たち』(角川選書、平成十七年)・『王朝の恋の手紙たち』(同、平成二十一年)・『王朝文学入門』(同、平成二十三年)、『ビギナーズ・クラシックス 更級日記』・『同和泉式部日記』(角川ソフィア文庫、平成十九年)。編著に『王朝文化を学ぶ人のために』(秋澤亙氏と共編、世界思想社、平成二十二年)など。

「2012年 『王朝文学の光芒』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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