ごはんのことばかり100話とちょっと

  • 朝日新聞出版
3.75
  • (68)
  • (119)
  • (107)
  • (15)
  • (3)
本棚登録 : 949
感想 : 141
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022506573

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • なんでも手作りすりゃいいってもんじゃない。一番大切なのは楽しい食卓。

  • あるあると思ったり、プププっと笑ったり、紹介されてるものが気になったり。
    一話読むごとに忙しい。(それが100話ちょっともある・・)

    なかでも紹介されているブログ「ばーさんがじーさんに・・」との出会いは本当に嬉しいものでした。こんな素敵な暮らしをされているご夫婦がいらっしゃるのだ・・と。

  • よく衣食住というけれど、
    食というのは生きることと切り離せないことのひとつで
    寧ろ生きることそのもの、命に直結したものだと思う。

    ともだちにばったり道で会い、美味しい物の話をするとか
    そんなちょっとしたことが幸せで、とても大切なのだろう。
    まず自分が何を食べたいか、ということからスタートしていないと
    ヘルシーなだけで味がお留守になっているお店がある、なんて話は
    なるほどと頷いてしまった。
    結局そこにはマニュアルやヘルシーとはこうでなければならない
    といった枠組みだけがあって、ヘルシーな料理を食べることで
    得られる精神的な充足感というものにまで頭が回っていない。
    生きることと同じで、食べ物を作ることにも信念が必要だ。
    なくても作ることはできるけれど、”本当のこと”とはかけ離れてしまう。

    不動産屋の社長が、地域のことを知るために
    半年間タクシー運転手をしているというエピソードはものすごかった。
    とても驚いた。
    まぎれもないプロである。
    でも結局本当はそういうものであって、
    モデルは普段は化粧をしないなんて文もあったけれど
    何が大切なのか、今必要なのはなにか
    取捨選択をしてバランスを取り、大事なものには命をかける
    それがプロなのだと思う。

    命を一瞬でもあずけることができるか、という観点で
    医者を見ているところはとても共感。
    私はあまり、バランスがとれていて本当のことを知っている
    プロのお医者さんに出会ったことがない。

    環境とかより自分を大事にする、というのもシンプルな事実で
    それがひいては環境を大事にすることにつながる。
    昔、たとえば江戸時代に、オゾン層だのエコだのロハスだの
    そんな言葉はなかったろうに、きちんとなにもかもがリサイクルされて
    シンプルに大切に暮らす地盤が出来ていたのも
    同じことではないだろうか。

    廃番になった塩の味を思い出しながら似たものを探すのが
    推理に似ている、というのを読んで、
    なんとなく料理に必要なのは腕よりまず舌と記憶、という話を思い出した。
    如何に美味しいものを食べているか、そしてその味を記憶しているか
    それをどうやって再現するかが、美味しい料理を作るのだという話。
    まず目がおいしいという、その感じもとてもよくわかる。
    盛り付け、皿、雰囲気、会話、すべてがつながる。
    そうでなくてただ栄養さえ取っていれば満足ならば
    錠剤でも噛み砕けば事足りる。
    なのに家族で食卓につくことを大切にしてきたことには意味がある。

    外食について、
    ある意味、お店の人がやっている舞台をみにいくようなもの
    という表現は面白いなと思った。これは飲食関係に限らず
    雑貨屋や病院や、”接客”についてはすべてに言えることかもしれない。

    好きな人においしいものをたべさせたい、わかちあいたい
    本当はそんなところから、始まっているはずだと思った。

    また、災害や緊急時にお茶をしてほっとなごむ
    真っ先に削られそうなことだけれどとても重要、というのはとても同意。
    娯楽で腹の足しにならないようなもの、
    お花を見てほっとする、舞台を見て感動する、
    そういことは「こんな非常時に不謹慎な」と切り捨てられがちだけれど
    実は逆で、そういうことこそが重要で
    心の栄養になることで、それがなくなれば気力もなくなって
    始められることも始められなくなってしまうくらい重要なことだ。
    瓦礫の中のお茶屋さんというのは、とても響いた。
    あたたかなコーヒーと、それを配ってくれる人の気持ちと
    同じ辛い状況の中でも人と一緒にわかちあい飲むことで
    生まれてくる気持ちも支えられる心もあると思った。

  • 2011/2/7 読了(2011-009)

  • ばななさんが書く食べものはいつもすごくおいしそうに思えます。これは失敗!という食べものの話も書かれているけど、それはそれで楽しそう。ご家族への愛情もたっぷり一緒にいただきました。

  • 最初はあまりのとりとめのなさにどう読んでいいものかわからなくなった。あまり考えずに流れるように読めば、少しずつ雰囲気がわかってきて楽しくなる。ごく普通の毎日なんだけど、こういう風にいろいろ感じとることができるのが羨ましい。そういう観察眼って職業柄なのかもしれないけど。いろいろな料理に興味をもっていて、いつも同じものでいいと思う私は人生損しているのかなぁ。

  •  小説はあまり読んだことがないけれど、食べ物の話ならいいかな、と思って読んでみた。
     小説も多分こんな感じなんだろうな、と思わせる文章だった。

     やさしいかんじが好きな人には合うんだろうな。
     ちょっと私には、それが鼻についてしまう。

  • 食にまつわるエッセイが100とちょっと。日記のような、散文のような言葉があてもなく綴られていて、読んでいるとお腹にたまる。そう。食べ物の描写につられてお腹が減るのではなく、どんどん言葉が染みこんで満たされていくような、不思議な感覚で読み終えた。基本はおおざっぱに。でも、ほんの少し手間をかけて、心をこめて作ること。誰かと一緒に食べること。レシピ本ではなく、実用書でもなく、生きることに対するヒント集のようなスタンスが、ばななさんらしい。

  • 好きな人にごはんを作りたくなるし、料理が苦手とかの話ではなく全く出来ない私でも料理楽しそうと思えた
    好きな人たちとごはんが食べたくなる本

  • ちょこっとしたエッセイばかりがたくさん。知りたいキーワードがいっぱい。
    堀井和子-たこ飯、ろく助の塩、ハワイにあるハレ・ベトナムのフォーが美味、陶芸作家&アーティストのご夫婦タイラミホコさんのカフェ、ミコノス島、陶芸家イイホシさん、

全141件中 71 - 80件を表示

著者プロフィール

1964年07月24日東京都生まれ。A型。日本大学芸術学部文藝学科卒業。1987年11月小説「キッチン」で第6回海燕新人文学賞受賞。1988年01月『キッチン』で第16回泉鏡花文学賞受賞。1988年08月『キッチン』『うたかた/サンクチュアリ』で第39回芸術選奨文部大臣新人賞受賞。1989年03月『TUGUMI』で第2回山本周五郎賞受賞。1993年06月イタリアのスカンノ賞受賞。1995年11月『アムリタ』で第5回紫式部賞受賞。1996年03月イタリアのフェンディッシメ文学賞「Under 35」受賞。1999年11月イタリアのマスケラダルジェント賞文学部門受賞。2000年09月『不倫と南米』で第10回ドゥマゴ文学賞受賞。『キッチン』をはじめ、諸作品は海外30数カ国で翻訳、出版されている。

「2013年 『女子の遺伝子』 で使われていた紹介文から引用しています。」

よしもとばななの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×