クラバート

  • 偕成社
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  • Amazon.co.jp ・本 (383ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784037261108

感想・レビュー・書評

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  • 宮崎駿が愛読していると聞いて読んでみた。

    ドイツとチェコの間辺りのヴェント族という民族に伝わるクラバート伝説をプロイスラーが書き直した?作品。

    クラバートという14歳の少年が魔法の水車小屋で
    親方に魔法を習いながら働き、仲間達とともに暮らす話がほとんどを占めている。
    最終的に想いあった女の子の力を借りて親方を倒すのだけれど、プロイスラーはとにかく修行の様子、水車小屋の生活を書きたかったんだろうな。
    という感じ。
    どういう風に終わるのかワクワクしていたけれど、あっけなく終わってしまってちょっと肩透かしな気分。

    水車小屋のある地方の自然の様子や、キリスト教の四季折々の行事、イベントなどが節目節目に細かく書かれている。
    ドイツエリアの民族風習などの知識があれば。もっとイメージを膨らませることができたかも。
    と思う。

  • 物語はかなりダークで怖い。そして、かなり長い。
    その中で信頼できる先輩や友人、初恋の人との出会いがあり、その助けを得てクラバートは現状から脱出できた。

  • 当時の人種的な文化や地政学を知るとますます面白くなる。この作品は構造の根本を暗喩しているように感じる。表面だけをなぞればただのファンタジーだが、作者が何を伝えたかったのか深読みしていくと嵌っていく。名作だと思う。

  • 子供の頃、表紙が不気味すぎて読めなかった。
    中身も結構ダークというか暗いというか…面白かった!はぁスッキリ!とはいかない作品ですね。
    繋がらない伏線が多いのが、逆に新しいというかなんというか…娘さんかっこよすぎッス。

  • 少年クラバートは謎の声に導かれ村のはずれにある水車小屋で働くことになる。
    そこには不思議な力で絶対的な支配力を持つ親方と11人の水車小屋で働く仲間がいる。
    小さな水車小屋の中で繰り広げられる物語には壮大な背景がある。
    親しい人の死、身に迫る危険など児童文学ではあるがダークな内容も含まれる。

  • タイトルだけは知っていたのに読むのに数年かかってしまった。
    数年前に読んでいたら、たぶんもっとずっと私自身の力になってくれただろう本。
    それでも出会えて夢中で読む時間をもらえたのだから、とにかく感謝。

    ハリーポッターのような派手な描写のない魔法学校の話、と聞いていたけど、むしろ昔のヨーロッパの水車小屋徒弟の生活文化やキリスト教的なカレンダーに従った季節の移り変わりが描かれていて、魔法のウエイトは小さかった。

    ウエストールやターナーが書くような、イギリスの土着文化、生活習慣をこまやかに描きながらも、重くてビリッとした作品を思い出す。
    (この本はドイツの本だけど)

    18世紀ごろ?のドイツ、チェコ、ポーランドの境界部分が舞台で、その地方の文化に疎い私にはイメージしづらいことも多くて残念だった。
    せめて水車や職人の暮らす水車小屋の図解でもあると分かりやすかったかも。

    内容はハッキリいって、暗い、怖い。
    でも人間の本当の姿が無駄のない文で構築されている。
    ラストの盛り上がりにはちょっと物足りない感じもしたけれど、クラバートに寄り添って息をころしてじっと共に見守っている気持ちでドキドキしながら楽しむことができた。
    一年目、二年目、三年目、と経験を積んで、かつて自分を助けてくれた先輩たちの立場にかわっていき、その立場からかつての自分にあたる後輩をみて、先輩らの心情を踏襲していくさまは、なんの変哲もない平凡な人生を生きる私も、生きているなかで何度も味わった感覚。
    連続していく時間のなかに身を置く感覚の核は、こういうことだろうね。

    同じ作者による、有名な大泥棒の本も読んでみたいと思った。

  • なんて魅力的な物語でしょう。傑作。

  • 自分の損得より正しさが優先すること、都合のいい魔法と決別することを伝えている。最後、恋人が主人公を見分ける理由も秀逸。児童文学として、素晴らしい作品。

  • 淡々としながら、読了後に何故か涙がこぼれました。
    ザ・おとぎ話。

  • 作者自身が苦しんだほど重く、死の気配が濃厚な物語ですが、読み終わってすぐに読み返したくなるほど惹き付けられました。
    あまりにも素晴らしいので、原典に遡る勇気が出ないままです…

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