- Amazon.co.jp ・本 (383ページ)
- / ISBN・EAN: 9784037261108
感想・レビュー・書評
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ドイツの民話(伝説)が元になっているそうです。
少年クラバートが働き、魔法を学び、恋をします。これだけだと普通のファンタジーのようですがちょっと怖いのが死がいつも間近にあるということ。
児童書ですが大人が読んでも楽しめると思います。このお話私は好きです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「千と千尋の神隠し」の下敷きともなった
ドイツ児童文学の名作ファンタジー。
少年クラバートが魔法を使う親方のもと、
水車場で働きながら魔法を学び、成長していく3年間を描いた物語。
人が「働く」ということ、そこで成長していく過程が
妙にリアルに描かれていて考えさせられました。
最後に「愛」というテーマがあったのもすごくよかった。
ジブリアニメの根幹にあるものと共通している部分がある気がしました。 -
恋と勇気と友情と。
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凄い。世界中で、数々の賞を贈られているのも納得できます。
何というか、もっと早くに出会いたい作品でした。
この本を知らずとはいえスルーしてた私バカ。
物乞いの少年クラバートはある日、夢の中で自分を呼ぶ声を聞く。
続く夢を無視できなくなったクラバートは、夢の中で告げられた地へと赴く。
そこには隻眼の残酷、残忍にして強い力を持った親方と、11人の粉挽き職人のいる水車小屋があった。
奇妙な習慣、陽気だが不安な職人たち。
職人の中に味方を得たクラバートは、粉挽き職人として修行を積んでいく。
しかし修行は粉挽き職人としてだけではなく、魔法使いとしての修行でもあった。
しかし3年後、自由と愛を勝ち得るため、親方と対決する日がやってくる…。
ドイツの、誤解を恐れずに言うならば一地方の伝承を組み立てなおしたものです。
「ラウジッツ地方」と呼ばれるそこには民話や伝説が数多く残っていて、
幼き日のオフトリート(=プロイスラー)に感銘を与え、
成長したプロイスラーは十一年の年月をかけてこの作品を完成させたのです。
文体は非常に淡々と水車小屋での生活を追っているだけで、
登場人物の心情が語られることは多くありません。
そのたまにポロリとこぼれる言葉が多くのことを語り、
私たちを引き込んでいきます。
お話は勿論のこと、この本は絵も良い。
ヘルベルト=ホルツィングという方のこの創作は版画なのでしょうか?
生と死を扱うこの重く、苦しいお話の中にぴったりと相応しい、有機的な暗さがあります。
日本語版では挿絵が削られている様でとても惜しい。もっと見たい。
成長して打算を持つようになってしまった私のような大人は、
クラバートの最後の決断に異議を覚えたりもします。
親方もその思いがあるからこそ、しつこくクラバートを引き止めたのかもしれません。
そんな思いも、「青年」には余計なお世話なんですけどね。
物語の途中、クラバートは何度も親方に夢を見せられたり、親方の過去を体験したりします。
クラバートの体験した親方の記憶、それがあのままのものなら、
あの冷酷な親方は、クラバートの「成りそこない」だったのかもしれません。
…ってか、このお話の中で
一番共感を7覚えるのが「親方」な自分どーなんだ?
軍国主義への風刺とか美しい自然とか、
ソルブ人の貧困とか、取り上げられていることを挙げたらキリがないです。
スタジオジブリの「千と千尋の神隠し」の元ネタだという話もあるそうですが、
ああ、なるほど…と思えるところがたくさんです。 -
表紙の顔は人間、身体は鳥という表紙にまず衝撃を受けた。
物語も、登場人物たちが魔法を使えるというあこがれてしまう要素をもったものだが、死を連想させる描写が多々あり、少し暗めの話で、独特の雰囲気を感じた。
夢と現実の境目があいまいで、難しくも感じたが、それが奇妙さを増しているのかもしれない。
魔法を習得する方法が、実践的なものではなく、ただ読まれた文句を繰り返して覚えるというものなのも珍しく感じた。
<小学校上級から中学校向き>
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まだ全部読めてませんorz
期限に間に合わなかった! -
ドイツの民話を下にしているお話です。孤児で、今で言うならストリートチルドレンのクラバート。ある日夢に出てきた粉引き水車小屋で働くことになります。そこの親方は実は魔法使いで、9人いる兄弟子たちはみな親方から魔法を習っています。クラバートも魔法を習うことになったのですが。。
最初から最後までちょっと暗めの怪しげな雰囲気が漂ってます。謎あり、冒険あり、成長あり、で大人も楽しめます。 -
私の中のベスト・オブ・児童書
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決して明るいファンタジーじゃないのに不思議と引き込まれてしまう。
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全体的に怖かった。親方が怖かった。
ロマンティックのようなホラーのような・・・混じらない感じでした。 -
不思議な魔法使いのお話。
これを読んだ時はまだ小学生だったけれど、夢のような世界に憧れていて大好きな1冊だった。
ハラハラドキドキの物語。