語彙力こそが教養である (角川新書)

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784040820125

感想・レビュー・書評

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  • 人生の壁にぶち当たった気がして、二進も三進もいかない毎日。藁をも掴む思いで、人に相談したり手当たり次第に本を読んだりする中で出会った一冊。著者がずばりタイトルにしている通り「語彙力こそが教養である」のだ。困った時に顔が浮かぶ先人方の語彙力の豊富さ、経験値の高さ、すべては比例しているのだ。簡単な相槌をやめ、回りくどい言い方を改めて、本を読み、少しずつでも身につけていけば、困難なときに視点を変えたり、乗り切ったりする力が備わってくるだろうか。本書に紹介されていた本で、とっかかりやすいものから始めてみようと思う。

  • 「すごい」「やばい」「なるほど」「たしかに」ばかり使う人は8色の絵具しかもっていない人。ー

    ハッとさせられました。それらの言葉を1日に何度も使っている自分の語彙力を鍛えたいと思い購入。
    語彙を豊かにするために役に立つ小説やテレビ番組なども
    具体的に紹介されているので、読み終わって、早速気になった本を注文しました。
    知的好奇心がとても刺激される内容で、私も負けずに
    色々インプットしたい!という気持ちになりました。

  • 教養ある人になりたいと思い図書館で借りて読みました。
    語彙力を手に入れるためには、テレビやインターネット以外にもエッセイ、ロシア文学、シェイクスピアなどがオススメとありました。
    また、使える語彙にするためにはインプットとアウトプットすることが必要だとかかれていました。

  • 話をするときに適切な言葉が出てこないことがあり、悔しい思いをすることがあった。それは語彙力が無いせいかもしれないと思いこの本をセレクト。

    インプットの王道は「読書」。本を読む習慣が5年後、10年後の語彙力になる。それと同時に教養を身に着けることができるので一石二鳥。斎藤さんの勧めの小説や古典、名著が紹介されており、斎藤さんの多彩な語彙を交えた紹介によってさらに魅力的に感じた。流石ですす。

    読書だけではなく「素読(音読)」も勧められている。語彙を異に着けるにはその言葉は含まれる文章語と文脈の中で覚えるほうが良い。また、豊かな日本語を声に出して読むことで自分の語彙力になるとのこと。

    また、テレビ番組を語彙を身に着けえるには良いツールであると紹介されている。普段テレビを見ない私にとっては新たな発見だった。「テレビ=娯楽」というとらえ方をしていたからである。視的に訴える部分も多いが、知的な人が話す番組は知的な言葉の倉庫。新しい言語との出会いにあふれているとのこと。早速この本で紹介されている番組を見はじめたのだが、これが結構面白い。特に「ブラタモリ」。タモリさんの博学っぷりに驚かされ、また、旅行したことのある土地の意外な背景を知ったりとてもわくわくさせられる。語彙力が向上するかはまだわからないが、教養を高める番組であり、人生を豊かにしてくれそうだと感じた。

    今後やっていきたいことは、
    ・読書(名著、古典)
     ・シェイクスピア(翻訳による違い)
     ・孔子(論語)(人間と語彙)
     ・ドストエフスキー(コスパ大)
    ・教養につくテレビ番組をみる
    ・音読(素読)
    ・言葉をアウトプットする(5回以上)

    レッツチャレンジ。

  • 2018.11.4
    ネットで見た外国人の方が話していた日本語の美しさにはっとして、自身の語彙力を鍛えたいと思っていたときに本屋さんで手に取った本。
    斎藤先生は有名な方だと知っていたけど、本は読んだことがなくて。
    読み終わった今、すぐさま行動に移すことが自分の今後の力になると感じている。

    テレビをほとんど見なくなった今、あらためてテレビを見てみようと思った。

    点だけで知っているような情報で知ったかぶりをしないように、気をつけなくては・・
    最近英語の勉強を再開して、スマホを辞書代わりにするには少し無理があるということに気づいた。もう一度電子辞書を買おうかな。
    スマホの検索と辞書での調べ物、両方のツールを使って教養を高めていきたい。


  •  人は無意識のうちに語彙を通じて、相手のレベルや知性を判断している。それは、商品に対するレビューに明確かつ参考になるものもあれば、稚拙で罵詈雑言を連ねたものがあり、後者は信頼できないとして前者に目を通すことや、首相が常識的な漢字を読めずに批判されたこと等の例からも分かる。このようなことから、特に語彙数の多い日本語を母語とする我々は、日頃から語彙修得に対するアンテナを高く持って生活する必要があるといえよう。
     ところで、豊かなアウトプットは、常に膨大なインプットのうえにある。したがって、語彙修得においてまずはインプットを意識的に行うべきである。その際には、昔から残っている言葉は語呂がよかったり、リズムがよかったりすることから、慣用句や四字熟語も吸収するべきであると思われる。そのようなインプットは、読書以外にもテレビや音楽、映画などからも行え、意識的に継続して行うことで思考能力がつき、結果として多くの言葉を身に付けられるのである。ただ、インプットした語彙はお金と同じであり、持っているだけでは紙切れと同じで、上手に活用してこそ価値を発揮する。ゆえに、日頃から得た知識を使える語彙にすべく、積極的にアウトプットしていくことが求められる。その方法として効果的なのが、素読することや登場人物や語り手になりきって演じることで、インプットとアウトプットを同時に行うことである。五感をフルに活用することで、表現力の豊かさやストーリーの面白さなどを感じることができ、その文豪らしい表現を用いたり、物事の考え方ができるようになったりするのである。
     このようにインプットとアウトプットを継続していくことが語彙力=教養を身に付ける近道である。実際に、語彙が豊かになることで、社員間のコミュニケーションの効率化が図られた事例もあることから、語彙力を伸ばすことは、仕事のパフォーマンスに直結するともいえ、我々が言葉と真剣に向き合うことは、自身の可能性や世界の拡大に資するものなのである。

     文章の中にあえて慣用句や四字熟語などを多用しているため、語彙力に自身のない自分にとっては、「言葉は身の文」という言葉が現実味を帯びて感じられた。また、様々なインプットの手段やツールが紹介されていることから、興味をそそる内容になっており、同時に先人たちの知恵が凝縮された書籍を読むことの大切さを改めて痛感した。

  • 語彙力の源って、身近なところに転がっているんですね。
    斎藤孝さんらしく「古典に学ぼう」というのが延々書いてある本かと思いきや、普段からなんの気なしに見ている映画やドラマ、そういった入りやすいものからも積極的に言葉を学び取ろうとおっしゃっています。
    ただし、ずっと版を重ねて支持され続けてきた古典と違い、次々出てくる映画やドラマは玉石混交であるゆえ「なにを選ぶのか」が大事になってきます。そのコツのようなものを、本書は教えてくれます。もちろん古典も強くおすすめされています。
    楽しく学ぶことが何より大切だと、そう思いました。

  • 言葉を正しく使えるような人になりたいなーと思ったし、日常生活でもこんなところから語彙を増やせるんだなあと思いました。齋藤さんがたくさん本を読んでたり映画を見てたりスポーツ観戦をしてたりするのを知って、忙しいを言い訳にしちゃいけないし忙しい中でも読書の時間を確保したいなと思わせる本でした。
    夏目漱石や谷崎潤一郎、シェイクスピアの本を読んでみたくなったので挑戦しようとおもいます!

  • ■語彙力判定基準は「複数の事柄を一つの言葉で表現しようとするか否か」である。
    ・「やばい」「かわいい」「まじ」「うざい」は言葉の選び方が「省エネ」
    ■日本人の語彙力が低下してしまった原因は素読文化の減衰にある。
    ・素読は意味や内容を詳しく理解する前に取り敢えず声に出して本を読むこと
    ・意味をじっくり考えて頭で読む「精読」とは違う
    ・体を使って読むため私(著者)は「身読(みどく)」と呼ぶ
    ・「習うより慣れろ」の素読は語彙習得の一番の近道
    ・語彙を身に着けるにはその言葉が含まれる文章ごと文脈の中で覚える方がずっとラク
    ■「語彙が足りない」とはどういう状況か。
    ①音で聞いたとき漢字が浮かばない
    ・意味で聞いた単語を反射的に漢字変換できるかどうか
    ②積極的に使うのが不安&間違えて使う
    ・実際に使った回数が少ない
    ・言葉の由来を知らない
    ・ストーリーの中で語彙をインプットしていくと記憶にも定着しやすい
    ③難易度が高い文章への拒否感
    ・専門用語をインプットするときは短期集中,2週間が基本
    ■語彙へのアンテナを高める3ステップ
    ・ステップ0(認識を改める):貧しい語彙により損をすることに気付く
    ・ステップ1(頼りがちな語彙を見つける):①一日に何回も使う,②答えに窮した時に人の話を聞いているときなど特定の場面で常套句になっている,③試行していないときに口から出るという特徴のある言葉であり,要注意
    ・ステップ2(NGワードを封印する)ステップ1の便利な表現に禁止令を出す
    ■禁止ワードをほかの言葉に置き換えるときのコツはポイントを3つ挙げること。
    ・「すごくいい企画だね」⇒①市場の穴をついているし,②コンセプトが明確で,③ちゃんとコストが計算されている
    ・「この肉じゃが美味しいね」⇒①ジャガイモがほっくりしているし,②甘さがちょうどよく,③だしの染み方が絶妙だ
    ■語彙をインプットする方法は,「言葉とシチュエーションをセットにして,ざっくりイメージ化」すること。
    ・「ざっくり」がポイント
    ・ペーパーテストのように「正しい意味を説明できる」ことではなく「正しい文脈ですぐ使える」こと
    ■「包丁」は「庖丁(ほうてい)」から転じた言葉。
    ・「庖丁」とは人の名前であるという説があるが「庖」は台所,「丁」は人を表すため単に料理人一般をさしているとの説もある
    ■夏目漱石は日本の語彙を大きく変えた人物。
    ・漱石以前と漱石以後では日本語の豊かさは全く違ったものになった
    ・言文一致の文章
    ・漱石の書く文章は喋り言葉と非常に近い
    ・言文一致運動がおこったのは明治のことで漱石はじめ明治時代の分筆家
    ■言文一致運動が盛んになった理由
    ・識字率の向上
    ・「速記」の技術が高まったこと
    ■面白いフレーズには言い回しの妙によりその場の空気をコントロールする力がある
    ■間違いが多い表現
    ・破天荒
    ×傍若無人で人の目を気にしないで行動する
    ○前人未踏のことをやる。「天候」は科挙合格者の未開の地で初の合格者が出たとき天候を破ったと皆に喜ばれたことから生まれた言葉
    ・にやける
    ×にやにやする
    ○男性が女性のように色っぽいしぐさをすること。なよなよすること
    ・いぎたない
    ×見苦しい,汚い
    ○寝相が悪い
    ・浮足立つ
    ×浮かれて落ち着かなくなる
    ○不安で落ち着かなくなる
    ・御の字:
    ×一応納得はしている
    ○非常にありがたいこと
    ・恣意的に
    ×わざと,作為的に
    ○自分勝手に
    ・ぞっとしない
    ×怖くない
    ○面白くない,感心しない
    ・悲喜こもごも
    ×悲しんでいる人と喜んでいる人が入り乱れる様子
    ○一人の人が悲しいことと嬉しいことを交互に経験する様

  • 語彙力のない人は5色の絵の具で絵を描いてるようなもの。深みのある絵は200色の絵の具がいる。

    なーるーほーどー。です。
    語彙力が必要な理由をうまく説明出来なかったのですがまさにこれですよね。

    どの話も説得力があり、そして耳が痛い。
    わたしも語彙力を増やしたい!と思わせてくれるのですが、どうすれば良いかの部分がわたしにはピンときませんでした。
    くどくど書かれてる部分も多く、図書館への返却期限も迫っているので、ペラペラ読みをしたせいかもしれませんが。

    ひとまず、ブクログのレビューを通して、身につけた言葉のアウトプットの場にしていきたいと思います!

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著者プロフィール

1960年静岡県生まれ。東京大学法学部卒業。同大学院教育学研究科博士課程を経て、現在明治大学文学部教授。教育学、身体論、コミュニケーション論を専門とする。2001年刊行の『声に出して読みたい日本語』が、シリーズ260万部のベストセラーとなる。その他著書に、『質問力』『段取り力』『コメント力』『齋藤孝の速読塾』『齋藤孝の企画塾』『やる気も成績も必ず上がる家庭勉強法』『恥をかかないスピーチ力』『思考を鍛えるメモ力』『超速読力』『頭がよくなる! 要約力』『新聞力』『こども「学問のすすめ」』『定義』等がある。

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