続氷点(下) (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041003855

感想・レビュー・書評

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  • 陽子…清原果耶
    徹…神木隆之介
    夏枝…宮沢りえ
    啓造…中村トオル
    達哉…鈴鹿央士
    村井…岡田将生
    北原…宮沢氷魚
    由香子…高畑充希
    高木…戸次重幸
    辰子…井川遥
    #脳内配役

  • 氷点上から引き込まれ、あっという間に読んでしまった。
    人間というのは欲深く、醜くくて、人の心も自分の思い通りにしたい生き物。「赦す」とはなんなのか、マリアに石を投げれる人がどれだけいるのか、自分は投げれるのか。
    自分の持ってるものがどれだけたくさんあるのか、人と比べちゃいけないのを再認識した。

  • 人の感情はゆれるしぐるぐるまわる

  • 結核闘病中にキリスト教と出会って以降、クリスチャンとして信仰を基盤に書き続けた三浦綾子氏。
    個人的には、『泥流地帯』『続 泥流地帯』に続く2作目だ。
    『氷点』『続 氷点』は計4冊から成る大作であるが、目を離せない展開に、稀な速度で読み切ってしまった。

    『氷点』は作者らしく、「人間の原罪」がテーマとして採用されている。
    妻の不貞と不注意の隙に子供を殺された父親が、彼女へ対する復讐として犯人の実子を貰い受ける。
    成長した娘は継母の執拗な虐めも耐え抜くが、自身の出自を知らされた時…

    と、言うお話。

    昼ドラさながらの展開である。
    「面白い」と言う感想は感想にもならないと思っていたが、否!
    どうしたって面白過ぎる…!
    (似た小説があったなぁと思い返せば、桐野夏生『やわらかな頬』だった。
    そう言えばこれも面白かったな…。)

    続く『続 氷点』のテーマは、「赦し」に変わる。
    続編がこう言った変化を見せる小説も特殊であろう。

    自身が正しいと信じている事に他者の同意を求める事こそ、人間最大の罪であろうか。
    誰一人として私を共感させてくれなかった登場人物達。
    彼等は最大の罪を犯しながら、その罪に向き合う者と、罪に潰される者に分かれていく。

    そして結論、愛は感情ではなく意志と言う。
    私はまだ、意志と同義の愛を知らない。

  • フィクションに言ってはいけないことだけれど
    あんなに広い北海道で…そんなに遭遇する???!!
    と思いながら読んでしまった

    自動車を持っていたり、ホテルに泊まったり飛行機代が苦にならない お互い生活水準レベルが一緒故の
    同ランクホテルでの遭遇とか??

    陽子の学生時代、友人との行動があまりないと思っていたが、敢えてだったのか。。

    教会の説教が若い信者や若い指導者で最初不安や不満を覚えるという感覚に目から鱗。
    医者という職業ゆえか、大人な男性ゆえか。。

    ラスト、自分的にはこの後どういう選択や立ち回りになるかなぁと思ってしまったが、相手は確定なのだろうか??

    小樽男性の手紙で
    小学生の時読んだ赤木由子氏の『柳のわたとぶ国』を思い出した。
    その後「二つの国の物語 第1~3部」刊行されたらしいので結末未読にて読んでみたいけれど
    満州国題材って辛さしか無いなぁ、とずっと先延ばしにしている。。

    当時読んだ本は 戦後刊行されたせいか、子供が病気にかかるとすぐ亡くなったり貧しさを感じられる作品が多かったので
    本作昭和57年刊行で登場人物には樺太出身者や恋人が獄死していたりするのに 暮らしが本当に豊かなんだよなぁ。。と不思議。
    オリンピック前までは東京中心地も土埃が凄くて、とかt高速道路建設に地方からの出稼ぎで地方の生活は変わらないまま、とか
    戦後復興は大変だったイメージなので。
    北海道という土地柄なのか、歴史を調べてみたい。

    ストーリーは把握したけれど、色々と面白い見解や心情シーンやセリフがあるので
    きっと読んだ時の年齢や立場や心境によって
    また気になる箇所が変わってくる作品だろうなぁと思った。

  • 前編に比べて、という評価があるのはわかるけど、物語を貫くテーマが一環していて、最後まで楽しめました。続編があってよかった!

  • 素晴らしい!最後まで黙々と読むことが出来た。こんな小説こそ、芥川賞、直木賞を受賞すべき。久し振りに純文学を堪能した気持ち。有賀さん、ありがとう!前編があまりに衝撃的だったので、この続編は物足りなかった。「相手より自分が正しいとすつ時、自分を正しいと思うことによって、いつしか人を見下げる冷たさが心の中に育つ」は陽子だけではなく自分にも当てはまると感じた。

  • 氷点に続く、その後の陽子とそれを取り巻く人々の話。順子の父親からの手紙はすごく感動した。

  • 2020

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著者プロフィール

1922年4月、北海道旭川市生まれ。1959年、三浦光世と結婚。1964年、朝日新聞の1000万円懸賞小説に『氷点』で入選し作家活動に入る。その後も『塩狩峠』『道ありき』『泥流地帯』『母』『銃口』など数多くの小説、エッセイ等を発表した。1998年、旭川市に三浦綾子記念文学館が開館。1999年10月、逝去。

「2023年 『横書き・総ルビ 氷点(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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