- Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041003855
感想・レビュー・書評
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2009/12/8
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好きとは感情であり、愛とは意志である
自分が人の命を奪っている間に命を生んでくれて感謝している
あなたたちの中で、罪のないものだけがこの女に石を投げなさい
氷点の中でも一番感動した。 -
弥吉の話や北原のことも含めて、全体的にすごく重い話でした。
四冊目ともなると、さすがに陽子と啓造の心の葛藤というか哲学が重すぎて途中から疲れる。徹も陽子しか眼中になくて怖いし、夏枝も相変わらず救いようのないほど大人げなくて、読んでいて痛々しい。けど、辻口家で一番人間らしく(悪い意味で)生きているのは夏枝じゃないかと思った。
弥吉の戦争の話も、不意打ちだったので辛い。戦争で亡くなった方の命を無駄にしない為にも、どんな手段を使ってでも侵略は防いでほしいなと思っていたけど、それは戦争を見ていないから言えることなのかもしれない。実際に戦争には行っていなくても、戦争の時代を見てきた人だからこそ書ける話なのかなと思った。 -
なんだかんだで考えさせられる作品だった
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叔母から借りた。P368
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原罪とは、「生きるうちに知らず知らず背負ってしまう罪」、「罪をそれと自覚できない罪」なのだろう。
そして罪とは、たとえ相手が赦すと言ったとしても、消えることのないものなのだとしたら。
それを「ゆるす」ことのできる存在とはなんなのか。
陽子がその存在に気づいた終幕は、静かでいて劇的。
網走の流氷が燃えるところを、私もぜひ見てみたい。