続氷点(下) (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 98
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041003855

感想・レビュー・書評

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  • 罪をゆるす。
    自分に対しては逃げ、人に対しては気にするのがめんどくさい。私はそんな考えしか持っていなかった。
    陽子や啓造はもちろん、その他心情の中まで詳細に描かれない人物たち全てがそれぞれに悩み、模索し、変われない自分を嘆く。

    陽子はなぜ結末のような心持ちになったのだろう。啓造のカラスと蛇しかり、陽子の流氷しかり。何事からも学び感じることなのか。

    聖書からのヒント(命令?)も一因か。

    とにかく色々なことを考え、考えさせられた本書に感謝しています。

    解説にもあった、人間の分析のみならず、分析の結果からどう生きていけばいいのかまで、踏み込んだ内容に、負けてられない、自分もそんなものを創り出したい、と感じた。

  • あまり覚えてはいないなあ。

  • 達哉の自分勝手さにびっくり。そろそろ物語として終結を迎えてよかったと思う。でも、三浦綾子さんの物語の終わり方って、何か、すっきりしない感じがする。

  • ■ストーリーについて
    不義によって生まれたことにより、生まれながらにして罪を背負った陽子。父親の殺人によって、子どもながら二罪を背負った順子。それぞれ親に対する憎しみを抱きながらも、様々な人と関わり、最後には「赦し」を選択する。そこまでの起伏に富んだストーリーを「嫉妬」や「復讐」に苦しむ啓造の存在が引き立てていて、ぐいぐい引き込まれていた。

    ■テーマについて
    「復讐するは我にあり」
    聖書にあるこの言葉が求める姿をきちんと描ききった作品だと思った。
    人は皆、大小を問わずに罪を負っている。ならば、罪を負っている人間が他人を罰する(他人へ復讐する)権利はあるのだろうか?そのような根源的な疑問に対する聖書としての回答が「復讐するは我にあり」なのだと思った。
    ならば、私たちにできることは何か。それが「赦し」なのだろうな。世の中全てがこのような考え方をできれば、現存する問題の多くが解決されそうだが、決してそんなことは起こりえない。だからこそどうすれば「赦し」をできるのか、考えさせられてしまった。

  • それが罪であると意識出来ない罪、原罪について考えさせられた。
    自分が正しいと思う時、相手を見下す心がそこにはある。...のように、幾度と自分はどうかと問いたくなる言葉がでてきた。
    自分の思想の一つとして聖書に目を通してみたいと思った。

  • 20140317

  • 20140214

  • 先が気になって一気に読んだ。
    罪を赦すのは簡単なことではないが、囚われて生きるよりは楽な気がする。

  • 久しぶりに登場人物に近づいて一緒に煩悶するような読書をした気がする。
    素晴らしい。何と細やかで行き届いた描写で、息を飲むような展開があるのだろう。しばらくしてから立ち戻らざるをえない。2013年ベスト。

  • とても読みやすく、日本語の扱いも美しい。本筋ではないが「戦争の本当の恐ろしさは、人を人で無くしてしまうところ」という表現が深く刺さった。

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著者プロフィール

1922年4月、北海道旭川市生まれ。1959年、三浦光世と結婚。1964年、朝日新聞の1000万円懸賞小説に『氷点』で入選し作家活動に入る。その後も『塩狩峠』『道ありき』『泥流地帯』『母』『銃口』など数多くの小説、エッセイ等を発表した。1998年、旭川市に三浦綾子記念文学館が開館。1999年10月、逝去。

「2023年 『横書き・総ルビ 氷点(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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